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転職と源泉徴収票:4月入社の場合、いつの分をどうする?

岩下隼人
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転職活動を経て、新しい会社への入社が決まると、様々な手続きが必要になります。その中でも、特に入社時期が年の途中である場合、多くの人が「源泉徴収票」の扱いで疑問を持つのではないでしょうか。「4月に入社する場合、前の会社の源泉徴収票は必要なの?」「いつもらえるもの?」「なぜ提出するの?」など、具体的な対応に迷うこともあるでしょう。

この記事では、特に「4月入社」というケースを念頭に、転職時に必要となる源泉徴収票について、いつの時点のものが、いつ発行され、なぜ新しい勤務先に提出する必要があるのか、その基本的なルールや注意点を分かりやすく解説します。スムーズな年末調整や、場合によっては確定申告のために、ぜひ参考にしてください。

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源泉徴収票とは?その役割を再確認

まず、源泉徴収票がどのような書類で、どんな役割を持つのかを簡単に押さえておきましょう。

源泉徴収票は、1年間に会社から支払われた給与・賞与の総額(支払金額)、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、そしてその年に源泉徴収された所得税の額などが記載された書類です。

簡単に言うと、「あなたがその年の1月1日から12月31日までの間に、その会社からいくら給料をもらい、いくら所得税をあらかじめ納めたか」を証明する公式な書類です。これは、会社が従業員に代わって所得税を計算し、毎月の給与から天引きして国に納める「源泉徴収制度」に基づいています。

4月入社の場合、転職先に提出する源泉徴収票は「いつの分」?

転職先の会社から「前職の源泉徴収票を提出してください」と言われた場合、それは**「その年の1月1日から、前職の退職日までに支払いを受けた給与等に関する源泉徴収票」**を指します。

4月入社のケースで具体的に見てみましょう:

あなたが2025年3月末でA社を退職し、2025年4月1日にB社へ入社するとします。この場合、B社へ提出する必要があるのは、**「2025年1月1日から2025年3月31日(A社退職日)までの期間にA社から支払われた給与等に関する源泉徴収票」**です。

なぜその年の1月からの分が必要なのか?

これは、新しい勤務先であるB社が、あなたが2025年(1月1日から12月31日まで)に得た全ての給与所得を合算し、年末調整を行うために必要だからです。年末調整によって、2025年1年間のあなたの正しい所得税額が計算され、既に源泉徴収された所得税額(A社分とB社分を合算したもの)との過不足が精算されます。

もし、2025年中にA社以外にも別の会社で短期間働いて給与を得ていた場合は、その会社の源泉徴収票もB社に提出する必要があります。基本的には、その年に給与の支払いを受けた全ての会社から発行された源泉徴収票を、年末時点で在籍している会社(この場合はB社)に提出すると覚えておきましょう。

前年(2024年分)の源泉徴収票は不要?

はい、新しい会社(B社)で行う2025年の年末調整には、原則として前年(2024年分)の源泉徴収票は不要です。2024年分の所得税の精算は、2024年末に在籍していた会社(A社など)で行われているか、あるいはご自身で確定申告を済ませているはずだからです。

源泉徴収票は「いつ」もらえる?発行タイミング

源泉徴収票が発行されるタイミングは、あなたが在職中か、あるいは退職するかによって異なります。

在職中の場合(毎年発行されるもの)

  • 通常、会社は従業員のその年1年間の所得と所得税額を確定させる年末調整を行った後、源泉徴収票を発行します。
  • 一般的には、その年の12月の給与計算が終わり、年末調整が完了した後に、12月の給与明細と一緒に、あるいは翌年の1月初旬頃に会社から交付されるのが通例です。

年の途中で退職する場合(今回のケース)

  • 所得税法第226条により、会社は退職者に対して、退職日から1ヶ月以内に源泉徴収票を交付する義務があります。
  • 多くの場合、最後の給与が支払われた後(例えば3月分の給与が4月に支払われる場合は、その支払い後)、または退職に関する事務手続きが完了した後に、自宅へ郵送されてくるのが一般的です。手渡しで受け取るケースもあります。
  • 4月入社の場合、3月末に退職するのであれば、通常4月中、遅くとも5月初旬頃までには前職の会社から源泉徴収票が送られてくると考えられます。
  • 退職前に、いつ頃、どのような方法(郵送か手渡しなど)で源泉徴収票がもらえるのかを、会社の人事・経理担当者に確認しておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。特に、新しい会社から早めの提出を求められている場合は、その旨を伝えておくと良いでしょう。

源泉徴収票に関する注意点と対処法

受け取ったら必ず内容を確認

源泉徴収票が手元に届いたら、以下の項目に誤りがないか必ず確認しましょう。

  • 氏名、住所
  • 支払金額(その年に支払われた給与・賞与の総額)
  • 給与所得控除後の金額
  • 所得控除の額の合計額
  • 源泉徴収税額
  • (該当する場合)社会保険料等の金額、生命保険料の控除額など
  • 支払者(会社)の名称、所在地

もし記載内容に誤りや不明な点があれば、速やかに発行元の会社に問い合わせて確認・訂正を依頼しましょう。

紛失してしまった場合

源泉徴収票を紛失してしまった場合は、退職した会社の人事部や経理部などの担当者に連絡し、再発行を依頼しましょう。 再発行は会社の義務ですので、基本的には応じてもらえます。

  • 依頼方法: 電話やメールで、「源泉徴収票を紛失したため、再発行をお願いいたします」と伝えれば問題ありません。
  • 再発行にかかる時間: 会社の対応スピードにもよりますが、通常は1週間~3週間程度で手元に届くことが多いようです。年末調整の時期は依頼が集中することもあるため、紛失に気づいたら早めに依頼しましょう。

会社から源泉徴収票がもらえない・届かない場合

退職後1ヶ月を過ぎても源泉徴収票が送られてこない、あるいは会社に発行を依頼しても応じてもらえない場合は、以下の対応を検討しましょう。

  1. まずは会社に再度、丁寧に発行を依頼する: 単なる手続きの遅れや手違いである可能性もあります。
  2. 税務署に相談する: 会社に催促しても対応してもらえない場合は、所轄の税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することができます。この届出書を提出すると、税務署から会社に対して源泉徴収票を発行するよう指導が入ることがあります。この際、給与明細書など、給与の支払いを証明できる書類があると手続きがスムーズです。

新しい会社への提出が年末調整の時期に間に合わない場合は?

4月入社の場合、前職の源泉徴収票の入手が、新しい会社での年末調整の書類提出期限(通常10月~11月頃)に間に合わないということは考えにくいですが、万が一、何らかの事情で提出が遅れてしまう場合は、速やかに新しい会社の人事・経理担当者に相談しましょう。

その年の年末調整は新しい会社では行えず、あなた自身で翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要が生じることが一般的です。確定申告を行う場合でも、前職の源泉徴収票は必ず必要になりますので、入手でき次第、大切に保管しておきましょう。

まとめ:4月入社なら「その年の1月~退職日までの分」を忘れずに

4月に新しい会社へ入社する場合、転職先に提出する源泉徴収票は、「その年の1月1日から前職の退職日までに支払われた給与等に関するもの」です。この源泉徴収票は、所得税法により、会社が退職者に対して退職日から1ヶ月以内に交付することが義務付けられています。

源泉徴収票は、あなたのその年の所得と納めた税金を証明する重要な書類であり、新しい勤務先での年末調整や、場合によってはご自身で行う確定申告に不可欠です。受け取ったら内容をしっかりと確認し、紛失しないように大切に保管しましょう。そして、もし発行に関して何か問題が生じた場合は、早めに発行元の会社や関係機関に相談することが大切です。スムーズな税務手続きのためにも、源泉徴収票の取り扱いについて正しく理解しておきましょう。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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