転職を決意したのに…会社からの「引き止め」どう対応する？円満退職のための断り方と判断基準
岩下隼人
ロイヤル合同会社
転職面接で「別ポジション」を打診されたら？賢明な返信と検討のポイント
岩下隼人
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転職活動を進める中で、応募したポジションとは異なる別のポジションへの就任を企業側から打診されることがあります。「当初の希望とは違うけれど、チャンスかもしれない」「なぜ別のポジションを勧められたのだろう？」「どう返信すれば良いのだろうか…」など、突然の提案に戸惑いや期待が入り混じることでしょう。
このような企業からの「別ポジションの打診」は、あなたのスキルや経験、あるいは人柄が、別の形で活かせると企業側が判断した場合に起こり得ます。この記事では、転職面接や選考過程で別ポジションを打診された際の企業の意図、応募者が取るべき賢明な返信方法、そしてその提案を受け入れるかどうかの判断ポイントについて、分かりやすく解説します。
Contents
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なぜ企業は「別ポジション」を打診するのか？その背景にある意図
企業が応募者に対して、当初応募したポジションとは異なる別のポジションを提案する背景には、いくつかの理由が考えられます。
- 応募者のスキルや経験が、別のポジションにより適していると判断した場合: あなたのスキルや経験、強みが、応募したポジションよりも、現在募集中の別のポジション、あるいは将来的に募集を予定しているポジションで、より活かせると企業側が判断したケースです。これは、あなたに対するポジティブな評価の表れとも言えます。
- 応募したポジションの採用が充足した、あるいは募集が中止になった場合: 残念ながら、あなたが応募したポジションの採用枠が既に埋まってしまったり、社内事情で募集自体が中止になったりした場合でも、あなたの能力や人柄を高く評価し、「ぜひ当社で活躍してほしい」という思いから、別のポジションを提案されることがあります。
- 応募者のポテンシャルを高く評価し、より幅広い活躍を期待している場合: 現時点でのスキルや経験だけでなく、あなたの将来性や適応力、学習意欲などを高く評価し、当初のポジションに限定せず、より活躍できるフィールドがあるのではないかと考えているケースです。
- 複数のポジションで採用を検討している場合: 企業によっては、複数のポジションで同時に採用活動を行っており、応募者の適性を見ながら、最適なポジションを検討している場合があります。
- 組織変更や新規事業の立ち上げなど、社内の状況変化: 選考期間中に、社内で組織変更があったり、新しいプロジェクトが立ち上がったりして、当初の募集とは異なるポジションで急遽人材が必要になることもあります。
これらの意図を理解することが、適切な対応への第一歩となります。
「別ポジション」を打診された際の返信：基本的なマナーと流れ
企業から別ポジションを打診された場合、どのような形（メール、電話、面接の場など）であっても、まずは丁寧かつ誠実に対応することが大切です。
1. まずは感謝の気持ちを伝える
- 提案に対する感謝: 「この度は、〇〇（別ポジション名）という新しいポジションをご提案いただき、誠にありがとうございます」「私の可能性を別の形でもご検討いただき、大変光栄に存じます」といった形で、まずは企業側の配慮や評価に対する感謝の気持ちを伝えましょう。
2. 詳細な情報を求める（もし不明な点があれば）
- 業務内容の確認: 打診されたポジションの具体的な仕事内容、求められるスキル、責任範囲、チーム体制などについて、不明な点があれば遠慮なく質問しましょう。「差し支えなければ、〇〇（別ポジション名）の具体的な業務内容や、期待される役割について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか」といった形です。
- なぜそのポジションを打診されたのか理由を尋ねる（可能であれば）： 「どのような点をご評価いただき、〇〇のポジションをご提案いただけたのか、今後の参考にぜひお聞かせいただけますでしょうか」と尋ねることで、企業側の期待や、自分自身の新たな可能性に気づくことができるかもしれません。
3. 回答の意思と期限の確認（必要な場合）
- すぐに判断できない場合は、検討する時間を依頼する: 突然の提案で、すぐに受け入れるかどうかの判断が難しい場合は、正直にその旨を伝え、検討するための時間をいただきましょう。「大変魅力的なお話をありがとうございます。一度持ち帰らせていただき、〇月〇日までにお返事させていただいてもよろしいでしょうか」といった形です。
- 回答期限を確認する: 企業側から回答期限が示されていない場合は、「お返事はいつ頃までにさせていただければよろしいでしょうか」と確認しておきましょう。
4. 返信のタイミング
- メールで打診された場合: 原則として24時間以内（1営業日以内）に、まずは受信した旨と感謝の気持ちを伝え、検討に時間が必要な場合はその旨も連絡します。
- 面接の場で打診された場合: その場で即答できない場合は、上記のように検討する時間を依頼し、後日改めて指定された方法（メールや電話など）で連絡します。
打診された「別ポジション」を受け入れるかどうかの判断ポイント
企業から別ポジションを打診された場合、その提案を受け入れるかどうかは、あなた自身のキャリアプランや価値観と照らし合わせて慎重に判断する必要があります。
1. 自分自身のキャリアプランとの整合性
- そのポジションは、あなたの長期的なキャリア目標に繋がっていますか？
- その仕事を通じて、あなたが本当に得たいスキルや経験を積むことができますか？
- 当初応募したポジションへの思い入れと、新しい提案との間で、どちらを優先すべきか冷静に考えましょう。
2. 仕事内容への興味・関心と適性
- 打診されたポジションの仕事内容に、本当に興味や関心を持てますか？
- その仕事内容に対して、自分のスキルや経験、強みが活かせると感じますか？あるいは、新しいことを学ぶ意欲が湧きますか？
- 自分に向いている仕事だと感じられますか？
3. 労働条件・待遇
- 給与、勤務時間、休日、福利厚生といった労働条件は、あなたの希望と合致していますか？
- 当初応募したポジションの条件と比較して、どのように変わるのかをしっかりと確認しましょう。
4. 企業文化や社風との適合性
- たとえポジションが変わっても、働く会社は同じです。その企業の文化や社風が、自分に合っていると感じられるかは重要なポイントです。
5. なぜ企業がそのポジションを打診してきたのか、その理由への納得感
- 企業側の説明を聞き、なぜ自分がそのポジションに適していると判断されたのか、その理由に納得できるかどうかも大切です。企業側の期待と、自分自身のキャリアへの思いが一致しているかを見極めましょう。
6. 「妥協」ではなく「新しい可能性」と捉えられるか
- 当初の希望とは異なるポジションであっても、それが自分にとって新しいキャリアの可能性を広げるチャンスと前向きに捉えられるか、あるいは単なる「妥協」と感じてしまうのか、自分の気持ちに正直に向き合いましょう。
返信メールの例文（考え方）：承諾・保留・辞退
ここでは、別ポジションの打診に対してメールで返信する際の、それぞれのケースにおける「例文の考え方」と盛り込むべき要素をご紹介します。（具体的な例文そのものを多数掲載するのではなく、例文を「作るための考え方」に重点を置きます。）
ケース1：別ポジションの打診を「承諾」する場合
- 盛り込むべき要素:
- 打診へのお礼。
- 打診されたポジションへの理解と魅力に感じた点。
- 承諾の意思表示。
- 入社に向けての意気込み。
- 今後の手続きに関する確認。
- 例文の考え方: 「この度は、〇〇（別ポジション名）という大変魅力的なポジションをご提案いただき、誠にありがとうございます。…（具体的な業務内容や期待される役割を理解した上で、そのポジションに魅力を感じた理由や、自身の経験が活かせると感じた点を記述）…つきましては、謹んでお受けさせていただきたく存じます。…（入社後の抱負など）…今後の手続きについてご教示いただけますと幸いです。」
ケース2：回答を「保留」したい場合
- 盛り込むべき要素:
- 打診へのお礼。
- 回答を保留したい旨とその具体的な理由（例：キャリアプランとの照らし合わせ、家族との相談など）。
- いつまでに回答できるか、具体的な期限の提示。
- 企業に迷惑をかけることへのお詫び。
- 例文の考え方: 「この度は、〇〇（別ポジション名）という新しいポジションをご提案いただき、誠にありがとうございます。…（提案内容への理解と感謝を述べつつ）…つきましては、大変恐縮ではございますが、今後のキャリアプランと照らし合わせ、慎重に検討させていただきたく、〇月〇日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。…（こちらの都合で申し訳ない旨とお詫び）」
ケース3：別ポジションの打診を「辞退」する場合
- 盛り込むべき要素:
- 打診へのお礼。
- 辞退の意思表示。
- （差し支えなければ）簡潔な辞退理由（当初の希望職種への思いが強い、自身のキャリアプランとの方向性の違いなど）。
- 企業に迷惑をかけることへのお詫び。
- 企業の発展を祈る言葉。
- 例文の考え方: 「この度は、〇〇（別ポジション名）というポジションをご提案いただき、誠にありがとうございました。大変光栄なお話ではございますが、慎重に検討いたしました結果、今回は誠に勝手ながら辞退させていただきたく存じます。…（もし理由を添えるなら、当初希望していた〇〇への思いが強く、今回はその道で挑戦したいという気持ちに変わりはございませんでした、など）…このような結果となり、貴社には大変ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。…（面接の機会への感謝と、企業の発展を祈る言葉）」
まとめ：別ポジションの打診は、あなたの可能性を見出された証
転職活動中に企業から別ポジションを打診されるということは、あなたのスキルや経験、あるいは人柄が、何らかの形で企業側の目に留まり、評価された証と捉えることができます。それは、あなた自身が気づいていなかった新たなキャリアの可能性を示唆しているのかもしれません。
大切なのは、突然の提案に戸惑うだけでなく、まずは企業側の意図を理解しようと努め、提示された情報を基に、自分自身のキャリアプランや価値観と照らし合わせて冷静に検討することです。そして、どのような結論を出すにしても、企業に対して誠実かつ丁寧なコミュニケーションを心がけることが、良好な関係を築き、将来に繋がる「ご縁」を大切にする上で重要となります。
この記事が、あなたが「別ポジションの打診」という状況に賢明に対処し、納得のいくキャリア選択をするための一助となれば幸いです。
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ABOUT ME
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。