転職活動の面接日程調整メール、どう書く?返信・提示の例文とマナー
転職活動において、書類選考を通過すると次に待っているのが面接です。その面接に進むためには、企業との「日程調整」が不可欠となります。多くの場合、この日程調整はメールで行われますが、企業との最初の本格的なコミュニケーションの一つとなるため、その書き方やマナーには細心の注意を払う必要があります。
この記事では、転職活動における面接日程調整メールの基本的なマナーから、様々なシーンに応じた具体的な例文、そしてスムーズに進めるためのポイントまで、詳しく解説していきます。
なぜ日程調整メールが重要なのか?
たかが日程調整のメール、と軽く考えてしまうのは禁物です。企業の人事担当者は、メールの文面や対応の仕方からも、あなたの社会人としての基本的なビジネスマナーやコミュニケーション能力を判断しています。
- ビジネスマナーの確認: 丁寧な言葉遣いや迅速な返信は、基本的なビジネスマナーが身についていることの証となります。
- 入社意欲の現れ: スムーズで誠実なやり取りは、企業に対する入社意欲の高さを示すことにも繋がります。
- 第一印象の形成: 選考が本格化する前の段階で、良い印象を与えることができれば、その後の選考にもプラスに働く可能性があります。
つまり、日程調整メールは、あなたの評価を左右する可能性のある重要なコミュニケーションツールなのです。
日程調整メールの基本構成とマナー
まずは、日程調整メールを作成する上での基本的な構成と、押さえておくべきマナーを確認しましょう。
- 件名:
- 一目で「誰からの」「何のメールか」が分かるように具体的に記載します。
- 企業から指定がある場合はそれに従います。
- 例:「〇月〇日面接日程のご連絡/氏名」「面接希望日のご連絡(氏名)」
- 宛名:
- 会社名、部署名、担当者名を正式名称で正確に記載します。
- (株)などと略さず、「株式会社」と書きます。
- 担当者名が不明な場合は「採用ご担当者様」とします。
- 例:「株式会社〇〇 人事部 △△様」
- 挨拶と感謝:
- 本文の冒頭には、挨拶と、面接の機会を設けていただいたことへの感謝の言葉を述べます。
- 例:「お世話になります。〇〇(氏名)です。この度は、面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。」
- 本文(要件):
- 企業から提示された候補日への回答、あるいは自身からの候補日の提示など、要件を簡潔かつ明確に伝えます。
- 箇条書きなどを活用すると、相手にとって分かりやすくなります。
- 結びの言葉:
- 面接に対する意気込みや、相手への配慮の言葉(例:「お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。」)で締めくくります。
- 署名:
- 氏名(フルネーム)
- メールアドレス
- 電話番号
- (場合によっては住所) を正確に記載します。
押さえておきたい基本マナー
- 迅速な返信: メールを受け取ったら、**基本的に24時間以内(1営業日以内)**に返信するのがマナーです。遅れる場合は、取り急ぎその旨を連絡しましょう。
- 丁寧な言葉遣い: 尊敬語・謙譲語を正しく使い分け、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
- 候補日の提示方法:
- 自分から候補日を提示する場合は、**複数(3つ以上が望ましい)**提示しましょう。
- 日付だけでなく、具体的な時間帯も明記するか、幅を持たせましょう(例:「午前中」「13時~17時」など)。
- あまりにも直近すぎる日程や、土日祝日(企業が休業日の場合)を一方的に指定するのは避けましょう。
- 相手の都合も考慮し、「下記日程のうち、ご都合の良い日時がございましたらご教示いただけますでしょうか。」といった形で伺うのが丁寧です。
- 誤字脱字の確認: 送信する前に必ず誤字脱字がないか、宛名や日時に間違いがないかを確認しましょう。
【シーン別】日程調整メールの例文集
ここでは、様々な状況に応じた日程調整メールの具体的な例文をご紹介します。
1. 企業から提示された日程で承諾する場合の返信メール
件名: Re: 面接日程のご連絡(株式会社〇〇 採用担当 △△様)/(自分の氏名)
※企業からのメールに返信する場合は、件名は変更せず「Re:」をつけたままにするのが一般的です。
本文:
株式会社〇〇
人事部 △△様
お世話になります。
(自分の氏名)です。
この度は、面接日程のご連絡、誠にありがとうございます。
ご提示いただきました下記の日程にて、ぜひお伺いさせていただきたく存じます。
日時:〇月〇日(〇曜日)〇時〇分~
お忙しいところ恐縮ですが、当日は何卒よろしくお願いいたします。
2. 企業から提示された日程では都合が悪く、別日程を提案する場合の返信メール
件名: Re: 面接日程のご連絡(株式会社〇〇 採用担当 △△様)/(自分の氏名)
本文:
株式会社〇〇
人事部 △△様
お世話になります。
(自分の氏名)です。
この度は、面接日程のご連絡、誠にありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、ご提示いただきました日程では、現職の都合により調整が難しい状況です。
つきましては、誠に恐縮ですが、下記日程でご調整いただくことは可能でしょうか。
・〇月〇日(〇曜日)〇時~〇時
・〇月〇日(〇曜日)〇時以降
・〇月〇日(〇曜日)終日
上記以外の日程でも調整可能ですので、△△様のご都合の良い日時がございましたら、
いくつか候補をいただけますと幸いです。
こちらの都合で大変恐縮ですが、何卒ご検討いただけますようお願い申し上げます。
3. 企業に複数の候補日を提示してもらい、その中から選択して返信する場合のメール
件名: Re: 面接候補日のご連絡(株式会社〇〇 採用担当 △△様)/(自分の氏名)
本文:
株式会社〇〇
人事部 △△様
お世話になります。
(自分の氏名)です。
面接の候補日をご連絡いただき、誠にありがとうございます。
ご提示いただきました日程の中から、下記の日程にてお伺いさせていただきたく存じます。
日時:〇月〇日(〇曜日)〇時〇分~
お忙しい中、日程調整いただき感謝申し上げます。
当日は何卒よろしくお願いいたします。
4. 自分から面接の候補日を複数提示する場合のメール
件名: 面接希望日のご連絡/(自分の氏名)
本文:
株式会社〇〇
人事部 △△様
お世話になります。
先日、貴社の求人に応募いたしました(自分の氏名)と申します。
この度は、書類選考通過のご連絡、誠にありがとうございました。
つきましては、面接の希望日時を下記に記載いたしますので、
ご都合いかがでしょうか。
- 〇月〇日(〇曜日)〇時~〇時
- 〇月〇日(〇曜日)〇時~〇時
- 〇月〇日(〇曜日)終日
上記以外の日程でも調整可能ですので、
もしご都合が悪い場合は、遠慮なくお申し付けください。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
5. 一度調整した日程の変更をお願いする場合のメール(やむを得ない場合のみ)
件名: 〇月〇日面接日程変更のお願い/(自分の氏名)
本文:
株式会社〇〇
人事部 △△様
お世話になります。
〇月〇日(〇曜日)〇時より面接のお約束をいただいております、(自分の氏名)です。
大変申し訳ございませんが、急な所用(やむを得ない理由を簡潔に記載)により、
お約束の日時にお伺いすることが難しくなってしまいました。
つきましては、誠に恐縮ではございますが、下記日程にて再度ご調整いただくことは可能でしょうか。
・〇月〇日(〇曜日)〇時~〇時
・〇月〇日(〇曜日)〇時以降
この度は、私の都合により多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
※日程変更は、企業側に多大な迷惑をかけるため、極力避けるべきです。やむを得ない場合に限り、速やかに、そして誠心誠意お詫びの気持ちを伝えましょう。
日程調整メールを送る際の注意点
- 誤字脱字・変換ミスがないか必ず確認する: 特に会社名、担当者名、日時は念入りにチェックしましょう。
- 企業の営業時間を考慮して送信する: 深夜や早朝の送信は避け、企業の営業時間内に送るのが望ましいです。
- 添付ファイルがある場合は、ファイル名や形式にも注意する: 企業から指定がある場合はそれに従いましょう。PDF形式が無難です。
- 複数の企業とやり取りしている場合は、宛先や内容を間違えないように細心の注意を払う: 送信前に必ず確認しましょう。
- 返信がない場合の対応: 通常2~3営業日経っても企業から返信がない場合は、迷惑メールフォルダを確認した上で、丁寧な言葉遣いで確認のメールを送ってみましょう。その際は、前回送ったメールの日時を記載するとスムーズです。
日程調整をスムーズに行うためのプラスアルファ
- 自身のスケジュールを正確に把握しておく: カレンダーアプリなどを活用し、提示できる候補日をすぐにピックアップできるようにしておきましょう。
- 企業からのメールを見逃さないようにする: こまめにメールをチェックし、通知設定などを活用しましょう。
- 提示された候補日が少ない、または合わない場合: 企業から提示された候補日が極端に少ない、あるいはどうしても都合がつかない場合は、追加で候補日を伺うことも失礼にはあたりません。その際は、丁寧にお願いする姿勢が大切です。
まとめ:丁寧な日程調整メールは、好印象を与える第一歩。マナーを守り、スムーズな選考に繋げよう。
転職活動における面接の日程調整メールは、あなたの第一印象を左右する重要なコミュニケーションです。基本的なマナーを守り、丁寧かつ迅速な対応を心がけることで、企業に良い印象を与え、その後の選考をスムーズに進めることができるでしょう。
この記事で紹介した例文やポイントを参考に、自信を持って日程調整のメールを作成・返信してください。あなたの転職活動が成功することを心から応援しています。