転職「1月入社」を目指す！成功のためのスケジュールと準備のポイント

「新年を新しい職場でスタートしたい」「キリの良いタイミングでキャリアチェンジしたい」。転職を考える際、新年度の4月入社と並んで、年の初めである「1月入社」を一つの目標として活動を進める方もいらっしゃるでしょう。年末年始の休暇を挟むため、情報収集や準備に時間をかけやすいという側面もありますが、一方で企業の採用活動のタイミングや、年末調整などの手続きについても気になるところです。

この記事では、1月入社を目指す転職活動について、そのメリット・デメリット、適切な準備スケジュール、そして選考を有利に進めるためのポイントや、入社後の社会保険・税金、ボーナスといった待遇面での注意点などを分かりやすく解説します。

なぜ「1月入社」が転職の一つの選択肢となるのか？

企業が1月入社の中途採用を行う背景や、転職希望者がこの時期を選ぶ理由には、いくつかの要因があります。

• 企業の年度末・新年度準備期間: 3月決算の企業が多い日本では、1月は下半期の終盤にあたり、来年度の事業計画や組織体制の準備が進められる時期です。これに伴い、新年度からの戦力として、あるいは年度末までのプロジェクト遂行のために、中途採用のニーズが高まることがあります。
• 年末の退職者による欠員補充: 年末のボーナス支給後や、年末を区切りとして退職する社員も一定数いるため、その後任として1月入社の人材を確保したいという企業の動きがあります。
• 転職希望者側の心理的な区切りと準備期間:
  • 「新年から心機一転、新しい環境で頑張りたい」という、心理的な区切りをつけやすいタイミングであると感じる人が多いです。
  • 年末年始の休暇を利用して、じっくりと自己分析や企業研究、応募書類の準備など、転職活動の準備に時間を充てやすいというメリットがあります。
• 求人数の増加傾向（秋～年末にかけて）： 一般的に、下半期の採用活動が活発になる秋頃から年末にかけては、中途採用の求人数が増加する傾向にあり、1月入社をターゲットとした募集も多く見られます。

1月入社を目指す転職：メリットとデメリット

1月入社には、他の時期の入社と比較していくつかのメリットとデメリットがあります。

メリット

• 新年のスタートとともに心機一転しやすい: 新しい年の始まりに合わせて新しい職場でキャリアをスタートできるため、気持ちを切り替えやすく、フレッシュな気持ちで業務に取り組めます。
• 年末年始休暇を利用して準備ができる: 応募書類の作成や面接対策、あるいは入社前の自己学習などに、年末年始の休暇を有効活用できます。
• 企業によっては歓迎会などが開催されやすい時期も: 新年会など、社内イベントと合わせて新しいメンバーを紹介する機会が設けられることもあり、職場に馴染むきっかけになる場合があります。
• 求人が比較的見つかりやすい時期に活動できる: 秋から年末にかけては、翌年度の採用計画に基づいて求人が出始める時期であり、選択肢が比較的多い中で活動できる可能性があります。
• ボーナス査定期間への影響（企業による）： 夏のボーナスの査定期間に早い段階から含まれるため、初年度の夏のボーナスについて、全く対象外となるケースは避けられる可能性があります（ただし、満額支給は難しい場合が多いです。詳細は後述）。

デメリット

• 年末年始を挟むため、選考プロセスが長引く可能性: 企業の年末年始休暇と重なるため、書類選考の結果連絡や面接日程の調整、内定通知などが通常よりも時間がかかることがあります。
• 退職・入社の手続きが慌ただしくなることも: 年末の業務と並行して退職交渉や引き継ぎを行い、年始早々に入社準備をする必要があるため、スケジュール的にタイトになる可能性があります。
• 求人数が1月に入ると一時的に減少する可能性も: 年末までに採用枠を充足させたいと考える企業もあり、年明けの1月になると、一時的に求人数が落ち着く傾向が見られることもあります。
• 同期入社の仲間が少ない場合がある: 4月入社のように多くの同期と一斉に入社するケースと比較すると、同時期に入社する社員が少ない、あるいは自分一人だけということもあり得ます。

1月入社を目指す転職活動の理想的なスケジュール

1月入社を目標とする場合、逆算して計画的に転職活動を進めることが非常に重要です。一般的な転職活動期間（応募から内定獲得までに1～2ヶ月、内定獲得から入社までに1ヶ月程度）を考慮すると、以下のようなスケジュールが理想的です。

• 前年の8月～9月頃：準備期間（自己分析・情報収集）
  • 自己分析とキャリアプランの明確化: なぜ転職したいのか、転職して何を実現したいのか、これまでの経験やスキル、自分の強み・弱みなどを徹底的に洗い出し、キャリアプランを具体化します。
  • 業界・企業研究の開始: 興味のある業界や企業の情報を収集し始めます。夏のボーナス支給後であれば、より具体的に行動に移しやすいかもしれません。
  • 応募書類（履歴書・職務経歴書）の準備: ベースとなる応募書類を作成し始めます。
• 前年の9月～10月頃：応募開始・書類選考
  • 興味のある企業へ応募を開始します。この時期は、下半期の採用活動が活発になるため、求人数も比較的多い傾向にあります。
  • 複数の企業に並行して応募することも検討します。
• 前年の10月～11月頃：面接・選考
  • 書類選考を通過した企業との面接が本格化します。一次面接、二次面接、場合によっては最終面接へと進みます。
  • 適性検査や筆記試験が課される場合は、その対策も行います。
• 前年の11月～12月上旬頃：内定獲得・条件交渉
  • 内定を得たら、労働条件（給与、勤務時間、休日など）をしっかりと確認し、必要であれば条件交渉を行います。
  • 複数の内定がある場合は、慎重に比較検討し、入社する企業を決定します。
• 前年の12月中：退職交渉・業務引き継ぎ・入社準備
  • 現在の勤務先に退職の意思を伝え、退職日を決定し、後任者への業務引き継ぎを責任を持って行います。年末の繁忙期と重なる場合は、特に計画的な引き継ぎが必要です。
  • 新しい会社への入社に必要な書類の準備や、社会保険の手続きなどを行います。
  • 有給休暇が残っていれば、年末年始の休暇と合わせて消化することも検討しましょう。
• 当年1月：新しい会社へ入社

重要なポイント:

• 早めの行動開始が鍵: 特に人気企業や競争率の高いポジションを目指す場合は、できるだけ早めに準備を始め、情報収集や応募活動を開始することが、選択肢を広げ、余裕を持った活動に繋がります。
• 年末年始の企業活動の停滞を考慮する: 12月後半から1月上旬にかけては、多くの企業が年末年始休暇に入るため、選考プロセスが一時的にストップしたり、連絡が遅れたりすることを念頭に置いておきましょう。
• 転職エージェントの活用も検討: 1月入社向けの求人情報や、選考スケジュールに関するアドバイス、企業との日程調整代行など、専門的なサポートを受けることで、効率的に活動を進めることができます。

1月入社の場合の「年末調整」「ボーナス」「有給休暇」はどうなる？

年末調整

• 1月に入社した場合、前年分の所得に関する年末調整は、新しい勤務先では行われません。
• 前職の会社で年末調整が済んでいる場合:
  • 前年の12月末まで前職に在籍し、そこで年末調整を受けていれば、基本的には追加の手続きは不要です。前職の会社から発行される「源泉徴収票（前年分）」は、住宅ローン控除などで確定申告が必要な場合に備えて保管しておきましょう。
• 前職の会社で年末調整を受けていない場合（年の途中で退職し、年末までどこにも在籍しなかったなど）：
  • この場合は、あなた自身で前年分の所得について「確定申告」を行う必要があります。 確定申告には、前職の会社から発行された「源泉徴収票」が必ず必要になります。
• 当年分の年末調整: 1月に入社した新しい会社では、その年の12月に、その年に新しい会社から得た給与について年末調整が行われます。もし、その年の1月1日から新しい会社の入社日までに、他の会社から給与所得があった場合は、その分の源泉徴収票も新しい会社に提出する必要があります。

ボーナス（賞与）

• 転職先の夏のボーナス: 多くの企業では、夏のボーナス（6月～7月頃支給が一般的）の査定期間は、例えば前年10月～当年3月（上半期）といった形になっています。1月入社の場合、この査定期間に途中から参加することになるため、入社初年度の夏のボーナスは、支給されるとしても寸志程度か、あるいは在籍期間に応じて按分された金額となるのが一般的です。満額支給は難しいと考えた方が良いでしょう。 ただし、企業によっては、入社時期や貢献度に応じて一定額を支給する規定を設けている場合もありますので、内定時の労働条件確認の際に確認しておくことをお勧めします。
• 転職先の冬のボーナス: 冬のボーナスの査定期間（例えば当年4月～9月など）には在籍していることになるため、こちらは規定通りに支給される可能性が高いです。

有給休暇

• 年次有給休暇の付与: 労働基準法では、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した場合に、原則として10労働日の有給休暇が付与されます。
• 1月に入社した場合: 上記の原則に基づけば、7月頃に最初の有給休暇が付与されることになります。
• 企業の「前倒し付与」や「一斉付与」の確認: 企業によっては、法律の基準よりも早く（例えば入社時に数日付与など）、あるいは全社員の基準日を統一して（例えば毎年4月1日など）有給休暇を付与する制度を設けている場合があります。これらの扱いは企業の就業規則によって異なりますので、入社前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ：「1月入社」は新たな年の始まり、計画的な準備で成功を掴もう

「1月入社」を目指す転職活動は、新しい年の始まりとともにキャリアをリフレッシュし、心機一転スタートを切りたい方にとって、魅力的な選択肢の一つです。秋頃から年末にかけては求人数も比較的多く、年末年始の休暇を準備期間に充てられるといったメリットもあります。

しかし、選考プロセスが年末年始休暇の影響を受けやすいことや、退職・入社の手続きが慌ただしくなる可能性なども考慮に入れる必要があります。

最も重要なのは、あなた自身のキャリアプランやライフプランと照らし合わせ、なぜ1月入社を目指すのか、その目的を明確にし、そこから逆算して計画的に準備を進めることです。そして、年末調整やボーナス、有給休暇といった待遇面についても、事前にしっかりと情報を収集し、理解しておくことが、入社後のミスマッチを防ぎ、安心して新しいキャリアをスタートさせるための鍵となります。

この記事が、あなたが「1月入社」という目標を達成し、より良い未来へと繋がる転職を実現するための一助となれば幸いです。あなたの新しい挑戦を心から応援しています。

本サイトがおすすめする転職エージェント

JACリクルートメント

特徴から登録方法、活用ポイント、評判を解説

JACリクルートメント登録ガイド

理想の職場・仕事を見つけませんか？

おすすめ転職コンテンツ

「キャリアプランの計画」「応募書類の作成」
「面接対策」「企業との年収交渉」など
転職希望者におすすめのコンテンツを紹介

キャリアプランの計画にお困りの方はコチラ

キャリアプラン案内所

履歴書や職務経歴書の作成にお困りの方はコチラ

応募書類マスター

面接試験にお困りの方はコチラ

面接のトリセツ

企業との年収交渉にお困りの方はコチラ

給与交渉ナビ

岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

X

ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。