総務事務への転職を成功させる！仕事内容・スキル・求人探し・面接対策まで徹底ガイド

「会社の縁の下の力持ちとして、組織全体をサポートしたい」「幅広い業務に携わり、マルチなスキルを身につけたい」そんな思いから、総務事務への転職を考える方も多いのではないでしょうか。総務事務は、企業活動を円滑に進める上で欠かせない重要な役割を担い、安定した人気のある職種です。

しかし、その業務範囲は広く、求められるスキルも多岐にわたるため、転職を成功させるにはしっかりとした準備が必要です。この記事では、総務事務への転職を目指す方に向けて、具体的な仕事内容や必要なスキル、求人の探し方、そして経験者・未経験者それぞれに応じたアピール方法や面接対策のポイントまで、詳しく解説します。

総務事務とはどんな仕事？その役割と具体的な業務内容

総務事務は、特定の部門に限定されず、企業全体の運営に関わる幅広いサポート業務を担当します。そのため、「会社の縁の下の力持ち」や、時には「何でも屋」と表現されることもあります。その守備範囲の広さが、総務事務の大きな特徴と言えるでしょう。

• 総務の役割:社員が働きやすい環境を整備し、企業活動がスムーズに行えるように多方面からサポートすることが主な役割です。経営層から一般社員まで、社内のあらゆる人と関わりながら、組織全体の潤滑油のような存在として機能します。
• 具体的な業務内容:企業の規模や業種によって異なりますが、一般的に以下のような業務を担当します。
  • 備品・固定資産管理: 文房具やコピー用紙といった消耗品の発注・在庫管理、PCや什器といった固定資産の台帳管理、リース物件の契約管理など。
  • 文書管理: 社内規程（就業規則、慶弔見舞金規程など）の作成・改訂・周知、契約書の管理・保管、その他重要な社内文書のファイリングなど。
  • 株主総会・取締役会の運営補助: 招集通知の発送、会場手配、資料準備、議事録作成の補助など、重要な会議の円滑な運営をサポートします。
  • オフィス環境整備・管理: オフィスのレイアウト変更の企画・実施、防災設備の点検・管理、防災訓練の実施、清掃業者の手配、福利厚生施設（社員食堂、休憩室など）の管理など、社員が安全で快適に働ける環境を維持します。
  • 社内行事の企画・運営: 入社式、社員旅行、忘年会、運動会といった社内イベントの企画立案から、会場手配、備品準備、当日の運営までを担当します。
  • 福利厚生業務: 健康診断の手配、慶弔見舞金の申請受付・処理、福利厚生制度の案内など。
  • 代表電話・来客対応: 企業の窓口として、代表電話への応対や来客時の受付・案内、会議室への誘導などを行います。
  • その他: 上記以外にも、社用車の管理、郵便物の仕分け・発送、名刺作成、弔電・祝電の手配、社内報の作成補助など、他部署が担当しない様々な業務を引き受けることがあります。
• 企業規模による業務範囲の違い:中小企業では、総務担当者が人事、労務、経理、法務といった他の管理部門の業務を兼任することも少なくありません。そのため、非常に幅広い知識とスキルが求められます。一方、大企業では総務部門が細分化され、特定の業務（例：施設管理専門、株主総会専門など）を専門的に担当することが一般的です。
• 総務事務のやりがいと大変なところ:
  • やりがい: 社員が働きやすい環境づくりに直接貢献できること、会社全体の運営を支えているという実感を得やすいこと、多様な業務に携わることで幅広い知識やスキルが身につくことなどが挙げられます。社員から「ありがとう」と感謝される機会も多いでしょう。
  • 大変なところ: 業務範囲が広く、突発的な依頼やトラブル対応も多いため、臨機応変な対応力やマルチタスク能力が求められます。また、他部署の担当範囲外の「雑務」と見なされがちな業務も引き受けることがあるため、縁の下で会社を支えるという意識と柔軟性が大切です。

総務事務への転職で求められるスキルや経験

総務事務として活躍するためには、どのようなスキルや経験が求められるのでしょうか。

• 必須・歓迎されるスキル:
  • コミュニケーション能力（社内外との折衝・調整力）: 社内の各部署や経営層、さらには社外の取引先（業者、ビル管理会社など）と円滑に意思疎通を図り、利害を調整する能力は不可欠です。
  • 基本的なPCスキル: Word（ビジネス文書作成）、Excel（データ集計、表計算）、PowerPoint（簡単な資料作成）といったOfficeソフトの基本操作は必須です。
  • マルチタスク能力・段取り力: 多岐にわたる業務を同時並行で、かつ優先順位をつけて効率的に進める能力が求められます。
  • 問題解決能力・臨機応変な対応力: 予期せぬトラブルや社員からの様々な問い合わせに対し、冷静かつ的確に対応し、解決策を見つけ出す能力が必要です。
  • ビジネスマナー: 電話応対、来客対応、言葉遣いなど、社会人としての基本的なマナーは必須です。
  • 事務処理能力の正確性・迅速性: 書類作成やデータ入力など、ミスなく丁寧に、かつスピーディーに業務を処理する能力が求められます。
• あると有利な経験・知識:
  • 総務の実務経験: 即戦力として期待されるため、経験者は有利です。
  • 庶務経験: 一般的な事務作業の経験は、総務業務にも活かせます。
  • 人事・労務の知識: 中小企業などでは総務が人事業務を兼任することが多いため、労働基準法や社会保険に関する知識があると役立ちます。
  • 経理の基礎知識: 予算管理や経費精算など、経理的な知識が求められる場面もあります。日商簿記3級程度の知識があると良いでしょう。
  • 法務関連の知識: 契約書の管理やコンプライアンスに関わる業務を担当する場合、基本的な法律知識が役立ちます。
  • 安全衛生管理の知識: 労働安全衛生法に関する知識や、衛生管理者の資格があると、職場の安全衛生管理業務で活かせます。
  • イベント企画・運営経験: 社内行事の企画・運営を担当する場合、これまでの経験が強みになります。

総務事務の求人動向と探し方のポイント

総務事務は、どの企業にも必要な部門であるため、安定した求人ニーズがあります。特に、欠員補充や組織体制強化のための募集が多い傾向にあります。

• 経験者と未経験者の求人の違い: 経験者は即戦力として、より専門性の高い業務やマネジメント業務を任される求人が多いです。一方、未経験者向けの求人は、アシスタント業務からスタートし、OJTを通じてスキルを習得していくことを前提としたものが多い傾向にあります。
• 求人サイトの活用法: 「総務事務」「総務 未経験」「バックオフィス」といったキーワードに加え、勤務地や業種、雇用形態などの条件を組み合わせて検索しましょう。
• 転職エージェントの利用: 一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえたり、キャリア相談や面接対策などのサポートを受けられたりするメリットがあります。管理部門に特化した転職エージェントも存在します。
• 企業の採用ホームページ: 興味のある企業のホームページを直接確認し、採用情報をチェックするのも有効です。
• ハローワーク: 地元企業の求人情報が豊富で、窓口で相談しながら仕事を探すことができます。

【経験者向け】総務事務のキャリアアップ転職で意識すべきこと

総務事務の経験者がキャリアアップを目指して転職する場合、これまでの経験をどう活かし、将来どのようなキャリアを築きたいかを明確にすることが重要です。

• これまでの経験・実績の棚卸し: 担当してきた具体的な業務内容、業務改善の実績（例：〇〇業務の効率化によりコストを△△％削減）、株主総会運営の経験、マネジメント経験（チームリーダーなど）などを具体的に整理しましょう。
• 目指すキャリアパス:
  • スペシャリスト: 特定の分野（例：法務、IR、ファシリティマネジメントなど）の専門性を深める。
  • マネジメント: 総務部門のリーダーやマネージャーとして、チームを率い、部門全体の業務を統括する。
  • 他部門への展開: 総務で培った幅広い知識や調整力を活かし、人事、経理、経営企画といった他部門へキャリアチェンジする。
• 応募書類でのアピール方法: これまでの実績に加え、マネジメント経験やプロジェクトリーダーの経験、専門性の高い資格などを具体的に記載し、課題解決能力やリーダーシップをアピールします。
• 面接対策: 専門知識に関する質問はもちろん、これまでの経験から得た課題解決能力や、今後のキャリアプラン、ストレス耐性などについて深く問われることがあります。具体的なエピソードを交えながら、論理的に説明できるように準備しましょう。

【未経験者向け】総務事務へ挑戦するためのステップと注意点

未経験から総務事務を目指す場合、熱意と学習意欲、そしてポテンシャルをアピールすることが重要です。

• 未経験でも総務事務になれる？: 人手不足の企業や、ポテンシャルを重視する企業では、未経験者を採用するケースもあります。多くは、総務アシスタントとしての採用や、研修制度が整っている企業での採用となります。
• アピールできるスキル: 前職で培ったコミュニケーション能力（接客経験など）、基本的なPCスキル、問題解決能力、正確性、学習意欲など、総務業務でも活かせるポータブルスキルをアピールしましょう。
• 応募書類でのアピール方法:
  • 学習意欲: 関連資格の取得に向けた努力や、総務業務に関する勉強をしていることを具体的に伝えましょう。
  • 適応力: 新しい環境や業務に柔軟に対応できることをアピールします。
  • なぜ総務か: 数ある職種の中で、なぜ総務事務に興味を持ったのか、どのような点に魅力を感じているのかを明確に伝えましょう。
• 面接対策: 志望動機や学習意欲に加え、ストレス耐性やマルチタスクへの適性、臨機応変な対応力なども見られることがあります。誠実な態度で、前向きな姿勢をアピールしましょう。
• 役立つ資格: MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）、秘書技能検定、日商簿記3級などは、未経験者がスキルを客観的に示す上で役立ちます。衛生管理者（企業の規模による）の資格も、取得しておくと強みになる場合があります。

総務事務の転職で有利になる可能性のある資格

総務事務の業務は幅広いため、様々な資格が役立つ可能性があります。

• 衛生管理者（第一種・第二種）: 常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者の選任が義務付けられています。総務が担当することが多いため、持っていると有利です。
• マイナンバー実務検定: 従業員のマイナンバーを取り扱う業務がある場合に役立ちます。
• ビジネスキャリア検定（総務）: 総務部門の実務能力を客観的に評価する検定です。
• 秘書技能検定: ビジネスマナーや文書作成、スケジュール管理など、総務業務にも通じるスキルが身につきます。
• MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）: WordやExcelなどのPCスキルを客観的に証明できます。
• 日商簿記検定: 経理業務を兼任する場合や、予算管理に関わる場合に役立ちます。
• 社会保険労務士: 人事労務業務を深く担当する場合や、専門性を高めたい場合に有効ですが、難易度は高い国家資格です。

総務事務の応募書類（履歴書・職務経歴書）作成のコツ

応募書類は、あなたの第一印象を決める重要なツールです。丁寧に、かつ効果的に作成しましょう。

• 経験者の場合:
  • 担当した具体的な業務範囲（備品管理、施設管理、株主総会運営、社内行事企画など）
  • これまでの実績（数値化できるものは積極的に記載。例：〇〇コストの△％削減、社内イベント参加率〇％向上など）
  • 業務改善の提案や実行経験
  • マネジメント経験（あれば）
• 未経験者の場合:
  • これまでの職務経験で培ったポータブルスキル（コミュニケーション能力、PCスキル、問題解決能力など）
  • 総務事務への強い学習意欲と熱意
  • なぜ総務事務の仕事に就きたいのか、という明確な志望動機
• 共通のポイント:
  • 幅広い業務への対応力や、社内外との調整力を具体的なエピソードを交えてアピールする。
  • PCスキルは、使用できるソフト名だけでなく、どの程度の操作ができるのかを具体的に記載する。
  • 誤字脱字や敬語の間違いがないか、念入りにチェックする。

総務事務の面接でよく聞かれる質問と対策

面接では、あなたの経験やスキル、人柄、そして総務事務への適性が見られます。しっかりと準備して臨みましょう。

• 志望動機（なぜ総務か、なぜこの会社か）: 総務という仕事への理解と熱意、そして応募企業でなければならない理由を具体的に述べられるようにしましょう。
• これまでの経験と活かせるスキル: 具体的なエピソードを交えながら、総務業務にどのように貢献できるかを説明します。
• ストレス耐性、マルチタスク能力、臨機応変な対応について: これまでの経験で、どのようにプレッシャーの中で成果を上げてきたか、複数の業務をどのように効率的に処理してきたか、予期せぬ事態にどう対応したかなどを具体的に説明できるように準備します。
• 困難な状況をどう乗り越えたか: 問題解決能力や粘り強さをアピールするチャンスです。
• キャリアプラン: 将来的に総務としてどのように成長していきたいか、どのようなキャリアを築きたいかを具体的に語れるようにしておきましょう。
• 逆質問: 面接の最後に質問の機会があれば、企業の事業内容や総務部門の体制、入社後のキャリアパス、職場の雰囲気などについて積極的に質問し、入社意欲を示しましょう。

まとめ：縁の下の力持ち「総務事務」として、新たなキャリアを築こう

総務事務は、企業活動を多方面から支える、非常にやりがいのある仕事です。業務範囲は広く、時には大変なこともありますが、その分、会社全体の役に立っているという実感を得やすく、多様なスキルを磨くことができます。

経験者はもちろん、未経験者であっても、これまでの経験で培ったスキルや、総務という仕事への熱意、そして学習意欲をしっかりとアピールできれば、転職を成功させることは十分に可能です。この記事で紹介した情報を参考に、自信を持って総務事務としての新たな一歩を踏み出してください。あなたの挑戦を心から応援しています。

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岩下隼人

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。