ルート営業への転職｜仕事内容からやりがい、未経験者が成功するポイントまで

「営業の仕事に興味はあるけれど、新規開拓や飛び込み営業は少しハードルが高い…」

「お客様とじっくり向き合い、長いお付き合いができる仕事がしたい」

そんな風に考えるあなたにとって、「ルート営業」という働き方は、非常に魅力的な選択肢となるかもしれません。

この記事では、ルート営業の具体的な仕事内容から、そのやりがいと大変さ、そして未経験からでも転職を成功させるための具体的なステップまでを、分かりやすく解説していきます。「自分に向いているかな？」と感じながら、ぜひ読み進めてみてください。

ルート営業とは？新規開拓営業との決定的な違い

ルート営業とは、その名の通り、決まった（ルート）お客様、つまり既に取引のある「既存顧客」を定期的に訪問し、信頼関係を維持・深化させながら、ビジネスを継続・拡大させていく営業スタイルです。

新規開拓営業との決定的な違い

「知らない人に電話をかけ、断られるのが当たり前」というイメージの新規開拓営業とは、その役割も求められるスキルも大きく異なります。

新しい畑を次々と耕していくのが新規開拓営業なら、すでにある畑を丁寧に耕し、豊かな実りを育んでいくのがルート営業と言えるでしょう。

ルート営業の「やりがい」と「きつい」と言われる点

安定したイメージのあるルート営業ですが、その仕事には独自の魅力と、向き合うべき難しさがあります。

やりがい・魅力

• お客様と深い信頼関係を築ける定期的にお会いする中で、仕事の話だけでなく、時にはプライベートな相談を受けることも。単なる取引先担当者ではなく、お客様のビジネスに欠かせない「パートナー」として頼られる存在になれることは、何物にも代えがたいやりがいです。
• 精神的に安定して働きやすい初対面の人にアプローチし、断られるという精神的なストレスが少ないため、心に余裕を持ってお客様と向き合うことができます。
• 売上が比較的安定しやすい既存顧客からの継続的な受注がベースとなるため、毎月の売上がゼロになるという心配は少なく、安定した成果を積み上げやすいのが特徴です。
• ワークライフバランスを保ちやすい訪問スケジュールを自分で管理しやすく、突発的な業務も少ないため、比較的残業が少なく、プライベートとの両立がしやすい傾向にあります。

きついと言われる点

• マンネリ化しやすい毎日決まったルートで、決まったお客様と会うため、仕事が単調に感じられたり、刺激が少ないと感じたりすることがあります。
• 「御用聞き」になりやすい意識しないと、ただ注文を聞いて届けるだけの「御用聞き」になってしまいがちです。お客様の新たなニーズを引き出し、プラスアルファの提案をする能動的な姿勢が常に求められます。
• 売上を維持・拡大するプレッシャー既存顧客からの売上が落ちることは許されません。常に昨年対比を意識し、新商品の提案（アップセル）や、関連商品の提案（クロスセル）によって、売上をさらに伸ばしていく必要があります。
• 競合他社へのリプレイス（乗り換え）リスク「長年の付き合いだから大丈夫」と安心していると、より良い条件や熱心な提案をする競合他社に、いつの間にか顧客を奪われてしまう危険性があります。

ルート営業に向いているのはどんな人？求められるスキル

これらの特徴から、ルート営業には以下のような人が向いていると言えます。

向いている人物像

• 派手さよりも、誠実さや実直さを大切にする人
• 相手の話をじっくりと聞くのが得意な「聞き上手」な人
• 細やかな気配りができ、マメに連絡や報告ができる人
• 人と深く、長く付き合っていくことに喜びを感じる人
• 安定した環境で、着実に物事を進めていきたい人

求められるスキル

• 関係構築力: 顧客との信頼関係を維持し、さらに深めていく力。
• ヒアリング能力: 顧客が言葉にしない潜在的なニーズや不満を引き出す力。
• 情報提供力: 顧客にとって有益な新商品情報や業界トレンドなどを、タイムリーに提供する力。
• 丁寧なフォローアップ: 問い合わせや依頼に対して、迅速かつ丁寧に対応する力。

未経験からでも転職しやすい？成功へのポイント

結論から言えば、ルート営業は営業未経験者にとって、非常におすすめのキャリアの入り口です。新規開拓営業のように精神的なタフさや突破力が求められる場面が少ないため、人柄や誠実さといったポテンシャルを評価されやすいからです。

販売・接客業の経験がある方なら「顧客対応力」や「ヒアリング能力」、事務職の経験がある方なら「丁寧さ」や「正確性」といった、異業種の経験も十分にアピール材料になります。

何よりも、「お客様と誠実に向き合いたい」という気持ちを、あなた自身の言葉で伝えることが重要です。

転職を成功させる！志望動機と面接のポイント

面接では、「なぜ数ある営業スタイルの中から、ルート営業を選んだのか」を、あなたの強みや価値観と結びつけて語ることが、採用担当者の心を動かす鍵です。

【例文】

「前職の販売職では、一度購入いただいたお客様が、後日『あなたがいるから』と私を訪ねて再度来店してくださることに、最も大きな喜びを感じておりました。この経験から、一度きりの関係で終わるのではなく、お客様一人ひとりと長く寄り添い、信頼関係を深めていくような仕事に、自身の適性とやりがいがあると感じています。既存のお客様との関係性を何よりも大切にし、長期的な視点でビジネスを展開する貴社のルート営業として、私の強みである傾聴力を活かし、お客様のビジネスに深く貢献していきたいです。

「育てる喜び」を知る、安定したキャリアを築こう

ルート営業は、顧客との信頼関係という畑をじっくりと丁寧に耕し、共に成長という豊かな実りを収穫していく、非常にやりがいのある仕事です。

精神的な安定と、長期的なキャリアプランを描きやすい、堅実で魅力的な働き方。この記事が、あなたの誠実さや丁寧さを最大限に活かせるフィールドを見つけ、お客様から深く信頼される営業パーソンを目指すための一助となれば幸いです。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。