元営業職のあなたへ。経験を武器に次のキャリアへ、転職先の選択肢と成功ガイド

「営業として一通り経験を積んだけど、このままでいいのだろうか？」

「全く違う仕事に挑戦してみたいけど、営業経験しかなくて不安だ…」

営業の最前線を走り抜けてきたあなただからこそ、ふと立ち止まり、キャリアの岐路でそう考えることがあるかもしれません。

しかし、断言します。営業で培った経験は、あなたが思う以上に価値があり、多様なキャリアへの扉を開く「最強の武器」です。

この記事は、そんな「元営業職」のあなたが、自身の経験という武器をどう活かし、どんな未来を描けるのか、そして転職を成功させるための具体的なステップを解説する、新たなキャリアへの「地図」となるものです。

あなたの経験は無駄じゃない。「元営業」が持つ市場価値の高いスキルセット

転職活動を始める前に、まずはあなたがこれまでの営業活動で身につけてきた「武器」を再確認し、自信を持ちましょう。これらのスキルは、どんな職種でも通用する強力な「ポータブルスキル」です。

• 対人関係構築力: 初対面のお客様の心を掴み、長期的な信頼関係を築いてきた経験は、社内外問わずあらゆる場面で活きる、ビジネスの根幹をなす力です。
• 課題発見・ヒアリング能力: お客様の言葉にならない悩みやニーズを引き出し、本質的な課題を見抜く力は、問題解決が求められる全ての仕事で重宝されます。
• 目標達成へのコミットメント力: 高い目標や厳しいノルマに向き合い、粘り強く行動し続けた経験は、あなたの精神的な強さと責任感の証明です。
• プレゼンテーション・交渉力: 自分の考えや商品の価値を分かりやすく伝え、相手を納得させ、合意形成に導く力は、組織を動かす上で不可欠です。
• 逆算思考と段取り力: ゴールから逆算して計画を立て、タスクに優先順位をつけながら物事を前に進める力は、プロジェクトマネジメントの基本です。

【職種別】元営業の経験が輝く！転職先の選択肢10選

あなたの「武器」を活かせるフィールドは、営業職の延長線上だけではありません。ここでは、代表的な転職先の選択肢をカテゴリー別にご紹介します。

《顧客と深く関わり続けたい人向け》

1. カスタマーサクセス: 「売って終わり」ではなく、契約後の顧客を能動的に支援し、成功に導く仕事です。長期的な関係構築力やヒアリング能力がダイレクトに活かせます。
2. キャリアアドバイザー／人材コーディネーター: 求職者のキャリア相談に乗り、最適な企業とのマッチングを実現します。人の人生に深く寄り添い、課題解決を手伝うことにやりがいを感じる人に向いています。

《企画・戦略で事業を動かしたい人向け》

3. 営業企画: 営業の現場を知っているからこそ、実用的な販売戦略や営業ツールを企画できます。プレイヤーから、チームを勝たせる「司令塔」へのキャリアチェンジです。
4. マーケティング: あなたが直接聞いてきた「顧客の生の声」は、売れる仕組みや効果的なプロモーションを考える上で、何よりも貴重なデータになります。
5. 商品企画・サービス企画: 「現場では、こんな機能が求められていた」「こういうサービスがあれば、もっと売れるのに」という営業時代の感覚を、新しい価値の創造に繋げる仕事です。

《裏方で組織を支えたい人向け》

6. 営業事務: 営業担当者の気持ちや必要なサポートを先回りして理解できるため、「最強のサポーター」としてチームに貢献できます。
7. 人事（採用担当）: 自社の魅力を候補者に伝え、入社へと導くプロセスは、営業活動そのもの。あなたのコミュニケーション能力や人を見る目が光ります。
8. 購買・バイヤー: これまで「売る側」だった経験を活かし、今度は「買う側」のプロフェッショナルになる道です。価格交渉やサプライヤーとの関係構築で、営業経験が役立ちます。

《専門スキルを身につけたい人向け》

9. Webディレクター: クライアントの要望をヒアリングし、デザイナーやエンジニアといった制作チームをまとめる「プロジェクトマネージャー」です。あなたの調整力や進行管理能力が活かせます。
10. ITコンサルタント: 前職で得た特定の業界知識と課題解決能力を武器に、企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）を支援する専門職です。

面接で必ず聞かれる「なぜ営業を辞めた？」うまい答え方とNG例

キャリアチェンジの面接で避けて通れないのが、この質問です。伝え方次第で、あなたの印象は大きく変わります。

やってはいけないNGな答え方

• 「ノルマが辛くて」「人間関係が嫌で」など、ネガティブな理由だけで終わってしまう。
• 「営業は向いていませんでした」と、これまでの自分を完全に否定してしまう。

高評価に繋がるOKな答え方

ポイントは、営業経験を肯定した上で、次のキャリアへのポジティブな意欲に繋げることです。

【ストーリーの組み立て方】

1. ①営業経験の肯定: まずは、営業職で得られたことや学んだことを語ります。 「営業として、お客様の課題を直接解決し、『ありがとう』と言われることに大きなやりがいを感じておりました。」
2. ②キャリアチェンジへの接続: 次に、その経験を通じて、なぜ次の職種に興味を持ったのかを自然に繋げます。 「活動を続ける中で、個別の顧客への提案だけでなく、より多くの人に価値を届けられる『仕組み』そのものを作ることに関心が移っていきました。」
3. ③貢献意欲: 最後に、新しい職種で、あなたの営業経験をどう活かして貢献したいかを具体的に語ります。 「営業で培った現場感覚と顧客視点を活かし、マーケティングという立場で、本当に顧客に求められるサービスを企画し、事業の成長に貢献したいと考えております。」

「元営業」は、あなたの可能性を広げるブランド

「元営業」という経歴は、決して過去のキャリアからの逃げではありません。それは、ビジネスの最前線で求められる対人能力、目標達成意欲、課題解決能力を兼ね備えていることを証明する、信頼の「ブランド」なのです。

あなたが真摯に顧客と向き合ってきた経験と人間力は、どのフィールドに進んでも、必ずや大きな財産となります。この記事を参考に、過去の経験に自信を持ち、あなたらしく輝ける新たなキャリアへの一歩を踏み出してください。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。