SES営業への転職を成功させる！仕事内容・やりがい・未経験からの挑戦を徹底解説

「成長著しいIT業界で、自分の営業スキルを試したい」

「企業の課題解決と、人のキャリア支援の両方に貢献できる仕事がしたい」

「未経験からでも、ITのプロフェッショナルを目指せるキャリアに挑戦したい」

デジタルトランスフォーメーション（DX）が加速し、あらゆる産業でIT人材の需要が高まる中、企業の技術的課題を解決し、ITエンジニアの活躍の場を創出する「SES営業」は、非常に重要な役割を担う、将来性豊かな仕事として注目されています。

しかし、その一方で、「SESってよくわからない」「ITの専門知識がないと難しそう」「営業としてどんな仕事をするの？」といった疑問や不安を感じる方も少なくないでしょう。

この記事では、SES営業への転職を目指す方が、その仕事のリアルな実態を深く理解し、自信を持って一歩を踏み出すための具体的な道筋を徹底的に解説します。仕事内容ややりがい、求められるスキルから、未経験からでも成功を掴むための戦略、そして後悔しないための企業選びのポイントまで、幅広くご紹介します。

SES営業とは？「企業」と「ITエンジニア」を繋ぐプロフェッショナルの仕事

まず、SES営業がどのような役割を担っているのか、そのビジネスモデルと仕事内容の基本を理解しておきましょう。

SES（システムエンジニアリングサービス）の仕組み

SESとは、クライアント（お客様）企業が求める技術力に対し、自社に所属するITエンジニアを、そのスキルや労働力として提供する契約形態のことです。クライアントのプロジェクトに、期間を定めてエンジニアが常駐し、技術的な支援を行います。

SES営業のミッション

SES営業は、このビジネスモデルの中心で、2つの重要なミッションを担っています。

1. クライアント企業に対して: 人材不足や技術的な課題を抱える企業に対し、そのニーズを的確にヒアリングし、解決策として最適なスキルを持つ自社のエンジニアを提案します。
2. 自社のエンジニアに対して: エンジニア一人ひとりのスキル、経験、そして将来のキャリアプランを深く理解し、その成長に繋がる、やりがいのあるプロジェクト（常駐先）を見つけ、活躍の場を提供します。

つまり、SES営業は、企業の「困った」と、エンジニアの「やりたい」を繋ぐ、非常に重要な橋渡し役なのです。

SIerや自社開発企業の営業との違い

同じIT業界の営業でも、役割は異なります。

• SIer営業: システム開発全体を請け負う「プロジェクト」という成果物を売ります。
• 自社開発営業: 自社のソフトウェアやSaaSといった製品・サービスを売ります。
• SES営業: エンジニアの**「技術力（リソース）」**を提案します。

具体的な仕事内容

SES営業の業務は、クライアントとエンジニアの両方と向き合う、多岐にわたる活動で構成されています。

• 対クライアント業務:
  • 新規顧客の開拓、既存顧客への深耕営業
  • 案件（プロジェクト）情報のヒアリング（必要なスキル、期間、予算など）
  • 最適なエンジニアの提案、スキルシート（経歴書）の提示
  • クライアントとエンジニアの面談設定・同席
• 対エンジニア業務:
  • 自社エンジニアとの定期的な面談（キャリア相談、現在の業務内容や現場での悩みのヒアリングなど）
  • スキルシートの作成支援・更新
  • エンジニアの希望やスキルに合った新しい案件の紹介
• マッチング・契約業務:
  • 企業の案件とエンジニアのスキル・希望を最適にマッチングさせ、契約手続きを行います。
• 就業後のフォロー:
  • 契約後も、エンジニアとクライアント双方を定期的にフォローし、問題があれば間に入って解決を図り、良好な関係を維持します。エンジニアが安心して働ける環境を整えることも重要な役割です。

SES営業として働く魅力と知っておきたい現実

SES営業の仕事には、他では得られない独自の魅力がある一方で、事前に理解しておくべき厳しさもあります。

魅力・やりがい

• 企業の課題解決と、エンジニアのキャリア支援の両方に貢献できる: 「〇〇さんのおかげでプロジェクトが成功した」「良い現場を紹介してくれてありがとう」といった、企業とエンジニアの両方から直接感謝される機会が多く、大きなやりがいを感じられます。
• IT業界の幅広い知識と人脈が身につく: 様々な業界のクライアント、そして多様なスキルを持つエンジニアと日常的に関わるため、IT業界全体の動向や幅広い技術知識、そして貴重な人脈を築くことができます。
• 高いコミュニケーション能力と調整力が磨かれる: 立場や要望の異なる企業とエンジニアの間に立ち、双方にとって最適な着地点を見出すプロセスを通じて、高度な調整力や交渉力が自然と身につきます。
• 成果が分かりやすく、高収入も目指せる: 契約数や稼働エンジニア数といった成果が明確なため、評価が分かりやすいのが特徴です。多くの企業でインセンティブ制度が導入されており、成果次第で高収入を目指すことも可能です。

知っておきたい現実（厳しさ）

• 板挟みになることも: クライアントの厳しい要望と、エンジニアの希望や働き方の意向が合わない場合など、両者の間に立って難しい調整を迫られることがあります。
• スピード感が求められる: 企業の急な人材ニーズ（増員や欠員補充など）に、迅速に対応するスピード感が求められます。
• 数字へのプレッシャー: 多くの企業で、契約数や稼働エンジニア数、売上といった目標（ノルマ）が設定されており、その達成へのプレッシャーは常に伴います。
• 企業選びが非常に重要: 会社の評判や、エンジニアを大切にする文化があるかどうかは、営業のしやすさや働きがいに直結します。後述する「優良企業の見極め方」がキャリアを大きく左右します。

SES営業に求められるスキルとマインドセット

SES営業として成功するためには、どのようなスキルや考え方が求められるのでしょうか。

必須となるコアスキル

• 高いコミュニケーション能力と傾聴力: クライアントの隠れたニーズと、エンジニアの口に出さない本音の両方を深く理解するための対話力が不可欠です。
• 高度な調整力・交渉力: 企業、エンジニア、自社という三者の利害を調整し、全員が納得できるWin-Win-Winの関係を築く力。
• スピード感と行動力: 多くの案件とエンジニアの情報を管理し、市場の動きに迅速に対応するフットワークの軽さ。
• ホスピタリティと人間力: 特に自社のエンジニアに寄り添い、「この営業のためなら頑張ろう」と思ってもらえるような、信頼されるパートナーとなる力。

あると有利な経験・知識

• 何らかの営業経験: 特に、法人営業、無形商材の営業、そして人材業界での営業経験は、非常に親和性が高く、高く評価されます。
• ITに関する基本的な知識: IT業界の動向や、主要なプログラミング言語、インフラ技術などの基本的な用語を理解していると、クライアントやエンジニアとの会話がスムーズになります（入社後の研修で学べる企業も多いです）。
• ITエンジニアとしての実務経験: もしあなたがエンジニアからのキャリアチェンジを考えているなら、その技術的な理解度は、他の誰にも真似できない最大の武器となります。

未経験からSES営業への転職は可能？成功のための戦略

「IT知識も営業経験もない…」という方でも、SES営業への道は開かれています。IT業界の活況を背景に、未経験者採用に非常に積極的な業界であり、特に20代から30代前半であれば、人柄やポテンシャルを重視した採用のチャンスが豊富にあります。

未経験者がアピールすべき点

• 前職で培ったポータブルスキル: 異業種での営業経験で培った目標達成意欲や、接客・販売業で培った高いコミュニケーション能力、顧客対応スキルなどは、強力なアピールポイントになります。
• IT業界への強い興味・関心と学習意欲: なぜIT業界に貢献したいのか、その熱意を自分の言葉で具体的に語ることが重要です。自主的にITパスポートの勉強をしている、IT関連のニュースを日々チェックしているといった具体的な行動は、あなたの本気度を証明します。
• 「人」への興味・関心: 人のキャリアを支援することや、人と企業を繋ぐことにやりがいを感じるという点をアピールすることも有効です。
• 誠実さ、ホスピタリティといった人柄: エンジニアに信頼されるパートナーとなる上で、最も重要な資質です。

成功のための戦略

• 研修制度が充実している企業を選ぶ: 未経験者にとって、入社後に安心してITの基礎知識や営業スキルを学べる環境が整っているかは非常に重要です。
• 「未経験者歓迎」を明記している求人に注目する: ポテンシャルを評価し、一から育てる文化のある企業である可能性が高いです。

後悔しないための企業選び｜優良SES企業を見極めるポイント

SES業界で働く上で、**キャリアを大きく左右するのが「企業選び」**です。エンジニアを大切にし、共に成長しようとする「優良企業」を見極めるためのポイントをご紹介します。

• エンジニアを大切にする文化があるか:
  • エンジニア一人ひとりのキャリアプランについて、真剣に面談や相談の機会を設けているか。
  • 案件と案件の間の待機期間中の給与保障や、研修制度は整っているか。
  • エンジニア向けの勉強会や、資格取得支援制度などが充実しているか。
• 取引先の質と案件の多様性:
  • いわゆる「多重下請け構造」の末端で、労働環境の悪い案件ばかりを扱っていないか。
  • エンドユーザーや元請け企業との直接取引が多いか。
  • 特定の技術領域に偏らず、エンジニアがキャリアを選択できる多様な案件を保有しているか。
• 評価制度と給与体系の透明性:
  • エンジニアの単価（クライアントからの契約金額）のうち、どのくらいの割合がエンジニアの給与に反映されるか（還元率）の考え方が明確か。
• 営業としてのサポート体制:
  • 個人プレーだけでなく、チームで協力し合う文化があるか。
  • 非現実的な目標設定など、無理なプレッシャーがないか。
• 企業の評判・口コミ:
  • ネット上の口コミサイトだけでなく、可能であれば転職エージェントなどを通じて、その企業で働くエンジニアや営業のリアルな声を確認しましょう。

SES営業のキャリアパスと将来性

• キャリアパス:
  • プレイヤーとして専門性を極める（特定技術領域に強い、大手クライアント担当など）。
  • 営業マネージャー、支店長といったマネジメント職へ進む。
  • キャリアアドバイザーやコーディネーターとして、エンジニアとの面談やマッチング業務に特化する。
  • 経験を活かし、自社の採用担当にキャリアチェンジする。
  • IT業界の人脈や知識を活かし、SIerの営業やITコンサルタント、HR Tech企業の営業など、IT業界の他の職種へステップアップする。
• 将来性: IT人材の需要は、今後も継続的に高い水準で推移することが確実視されています。その中で、企業の技術的課題と、エンジニアのキャリアを繋ぐSES営業の役割は、今後も重要であり続けるでしょう。ただし、単なる「人出し」営業ではなく、より付加価値の高い提案や、エンジニアへの手厚いキャリア支援ができる営業が、より一層求められるようになります。

まとめ

SES営業への転職は、成長著しいIT業界の中心で、企業の課題解決と、プロフェッショナルであるエンジニアのキャリア支援という、二重の大きなやりがいを実感できる魅力的なキャリアです。

未経験からでも、あなたの強みであるコミュニケーション能力と、ITの世界で貢献したいという強い学習意欲を武器にすれば、挑戦の扉は大きく開かれています。

成功の鍵は、何よりもエンジニア一人ひとりと真摯に向き合い、共に成長しようとする「優良企業」を慎重に見極めることです。この記事が、あなたが新たなキャリアへの一歩を踏み出すための、確かな道しるべとなることを心から願っています。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。