営業職から事務職へ！キャリアチェンジを成功させる完全ガイド

「これまでの営業経験を活かして、新しい分野で活躍したい」「ワークライフバランスを見直し、内勤の仕事に興味がある」そんな思いから、営業職から事務職へのキャリアチェンジを考えている方もいらっしゃるでしょう。畑違いの職種への転職は、不安や疑問も多いかもしれませんが、営業で培った経験やスキルは、事務職においても大きな強みとなり得ます。

この記事では、営業職から事務職への転職を成功させるための秘訣、活かせるスキル、効果的な求人の探し方、そして応募書類の作成や面接対策のポイントまで、幅広く解説します。

なぜ営業から事務へ？転職を考える理由と事務職の魅力再発見

まず、なぜ営業職から事務職へキャリアチェンジしたいのか、その理由を明確にすることが大切です。これは、志望動機を考える上で非常に重要なポイントとなります。

• 営業職経験者が事務職を目指す一般的な動機:
  • 働き方の変化: 外回り中心の生活から、オフィス内での落ち着いた業務へ。
  • 内勤への適性: コミュニケーション能力は活かしたいが、顧客と直接対峙するよりもサポート業務に魅力を感じる。
  • ワークライフバランスの改善: 比較的勤務時間や休日が安定している事務職で、プライベートの時間を確保したい。
  • キャリアパスの転換: 新しいスキルを身につけ、異なる分野で専門性を高めたい。
  • サポート業務への興味: 誰かを支え、組織全体の円滑な運営に貢献することにやりがいを感じる。
• 事務職の魅力:
  • オフィスワーク中心: 基本的に室内でのデスクワークが中心となります。
  • 専門スキル習得の可能性: PCスキルはもちろん、経理、人事、法務など、専門性の高い事務スキルを身につけ、キャリアアップを目指せます。
  • 幅広い業界で活躍できる: 事務職はどの業界にも必要なため、様々な企業で働くチャンスがあります。
  • 組織運営への貢献実感: 「縁の下の力持ち」として、企業活動を支えているという実感を得やすいです。

自身の転職理由を整理する際は、ネガティブな表現を避け、「〇〇という経験を活かして、△△という働き方を実現したい」といったポジティブな言葉に置き換えることが重要です。

営業経験は事務職でも大きな武器！活かせるスキルと強み

「営業の経験は、事務職では役に立たないのでは…」と考える必要はありません。むしろ、営業の最前線で培われた多くのスキルや意識は、事務職でも高く評価され、大きな強みとなります。

• コミュニケーション能力: 顧客との商談やプレゼンテーション、社内外の関係者との折衝を通じて培われた、傾聴力（相手のニーズを正確に聞き出す力）、説明力（分かりやすく情報を伝える力）、提案力、そして時には交渉力は、事務職における電話応対、メール作成、来客対応、他部署との連携など、あらゆる場面で不可欠なスキルです。
• PCスキル: 提案資料の作成（PowerPoint）、見積書や報告書の作成（Word）、顧客データの管理や売上分析（Excel）、日報作成やメール対応（Outlookなど）、営業支援システム（SFA/CRM）の利用経験など、営業活動で日常的にPCを使用してきた経験は、事務職でも必須のスキルであり、即戦力として期待されます。
• 目標達成意欲・責任感: 営業目標の達成に向けて計画的に行動し、結果にコミットしてきた経験は、事務職においても与えられた業務を最後まで責任を持ってやり遂げる力として活かせます。
• ストレス耐性・問題解決能力: 時には厳しい顧客からの要求や、予期せぬトラブル、クレーム対応などを経験する中で培われた精神的なタフさや、課題に対して冷静に解決策を見つけ出す能力は、事務職における様々な状況への対応力に繋がります。
• スケジュール管理能力・段取り力: 多くのお客様とのアポイントメント調整や、効率的な訪問計画、複数の案件を同時進行で管理してきた経験は、事務職におけるタスク管理や業務の優先順位付け、そして計画的な業務遂行に役立ちます。
• ビジネスマナー: 様々な立場のお客様や取引先と接する中で習得した、高いレベルのビジネスマナー（言葉遣い、身だしなみ、訪問時の作法など）は、事務職においても当然求められる資質です。

これらのスキルを、応募する事務職の仕事内容と具体的に結びつけて、「営業で培った〇〇という能力は、貴社の事務業務における△△という点で活かせると考えております」というようにアピールすることが重要です。

営業から事務への転職で求められるスキルと準備すべきこと

営業経験は大きな強みですが、事務職として新たに求められるスキルや、より強化しておくと良いスキルもあります。

事務職で必須となるスキル

• 正確かつ迅速な事務処理能力: 書類作成、データ入力、ファイリングなど、ミスなく丁寧に、かつ効率的に業務を処理する能力。
• 高度なPC操作スキル: 特にExcelでは、基本的な関数だけでなく、VLOOKUP関数やIF関数、ピボットテーブルといったデータ集計・分析に役立つ機能の習得が望ましいです。
• 丁寧な電話応対・来客対応: 企業の窓口としての自覚を持ち、相手に失礼のない、かつ的確な対応ができること。
• 書類作成・管理能力: ビジネス文書の基本ルールを理解し、分かりやすく整理された書類を作成・管理する能力。

スキルアップのためにできること

• PCスクールやオンライン講座の受講: MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）などの資格取得を目指したり、ExcelやWordの応用スキルを体系的に学んだりするのも有効です。
• 簿記などの専門知識の学習: 経理事務や総務事務など、特定の専門分野の事務職を目指す場合は、日商簿記3級・2級などの資格取得や関連知識の学習が役立ちます。
• ビジネス文書作成能力の向上: ビジネス文書検定の学習などを通じて、より質の高い書類作成スキルを磨くことができます。

未経験でも大丈夫？営業から事務職へ転職する際の求人の探し方

営業から事務への転職は、職種未経験と見なされることが一般的です。そのため、求人の探し方にも工夫が必要です。

• 「未経験者歓迎」「営業経験者歓迎 事務」などのキーワードで求人を探す: これらのキーワードで絞り込むことで、ポテンシャルを重視してくれる企業や、営業経験を理解し評価してくれる企業に出会いやすくなります。
• 求人サイトの活用法（総合型、事務職特化型）: 大手総合型転職サイトで幅広く探すのはもちろん、事務職に特化した求人サイトもチェックしてみましょう。より専門的な情報や、自分のスキルに合った求人が見つかる可能性があります。
• 転職エージェントの利用（キャリア相談、非公開求人）: キャリアアドバイザーに相談することで、営業から事務へのキャリアチェンジに関する具体的なアドバイスを受けられたり、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえたりするメリットがあります。
• ハローワークの活用: 地元の求人情報が豊富で、窓口で相談しながら仕事を探すことができます。職業訓練の案内も受けられます。
• 企業の研修制度やOJTの有無を確認する: 未経験者を受け入れる体制が整っている企業であれば、入社後も安心して業務を覚えることができます。
• 派遣社員や契約社員から経験を積むという選択肢も: まずは派遣社員や契約社員として事務の実務経験を積み、スキルアップしてから正社員を目指すという方法も有効です。

応募書類（履歴書・職務経歴書）で営業経験を効果的にアピールする方法

書類選考を突破するためには、あなたの熱意とポテンシャル、そして営業経験が事務職でどう活かせるのかを具体的に伝えることが重要です。

• 志望動機：なぜ営業から事務へキャリアチェンジしたいのか、その企業で事務として何をしたいのかを明確に。 「営業としてお客様と直接関わる中で、最前線の活動を支える事務業務の重要性を強く認識し、今後はその立場から貢献したいと考えました」「貴社の〇〇という事業に魅力を感じ、これまでの営業で培った△△のスキルを活かして、事務としてサポートしたい」など、前向きな理由と具体的な貢献イメージを記述しましょう。
• 自己PR：営業で培った強み（コミュニケーション能力、PCスキル、目標達成意欲など）と、それが事務職でどう活かせるかを具体的なエピソードを交えて記述。 「前職の営業では、多様なお客様との折衝を通じて、相手のニーズを的確に把握し、分かりやすく説明するコミュニケーション能力を磨いてまいりました。この経験は、貴社の事務職における社内外との円滑な連携や、丁寧な顧客対応に活かせると確信しております」というように、具体的なスキルと業務を結びつけて説明します。
• 職務経歴：営業としての実績（数値化できるものは具体的に）だけでなく、事務業務に関連するスキル（資料作成、顧客管理など）もアピール。 売上目標達成率や新規顧客獲得数といった営業実績に加え、日常的に行っていた提案資料の作成、Excelでのデータ分析、顧客管理システムの利用経験なども、事務職で活かせるスキルとして具体的に記載しましょう。
• PCスキルや保有資格は漏れなく記載。 使用できるOfficeソフト（Word、Excel、PowerPointなど）の具体的なスキルレベルや、MOSなどの関連資格は必ず明記します。
• 熱意と学習意欲、事務職への適性を伝える。 「事務職は未経験ではございますが、これまでの営業経験で培った〇〇を活かし、一日も早く貴社に貢献できるよう、積極的に新しい知識やスキルを吸収してまいります」といった前向きな姿勢を示しましょう。

面接対策：営業経験を強みに、事務職への適性をアピールする

面接では、あなたの言葉で直接、熱意や適性を伝えるチャンスです。営業経験をネガティブに捉えず、自信を持って強みとしてアピールしましょう。

• よく聞かれる質問への準備: 自己PR、志望動機、転職理由、営業職で大変だったこと・やりがいを感じたこと、事務職の仕事内容についての理解・イメージ、PCスキルはどの程度か、長所・短所など。
• 営業経験をポジティブに語り、事務職で活かせる点を強調: 「営業でお客様と信頼関係を築く中で培った傾聴力と提案力は、事務職として社内外の方々と円滑なコミュニケーションを取る上で役立つと考えています」「目標達成に向けて粘り強く取り組んできた経験は、責任感を持って事務業務を遂行する上で活かせると確信しています」など。
• 事務職への適応力や学習意欲を具体的に示す: 「新しいことを学ぶ意欲は誰にも負けません。PCスキルについても、現在〇〇を勉強中です」「これまでの経験とは異なる環境ですが、貴社の研修制度などを活用し、一日も早く戦力となれるよう努力いたします」など、前向きな姿勢をアピールします。
• なぜその企業で事務として働きたいのかを明確に: 企業の理念や事業内容への共感、そこで働くことへの魅力を自分の言葉で伝えましょう。
• 明るくハキハキとした受け答え、清潔感のある身だしなみ: 営業職で培った、相手に好印象を与えるコミュニケーションスキルは、面接でも大いに役立ちます。
• 逆質問で入社意欲と企業への関心を伝える: 面接の最後に質問の機会があれば、企業の事業内容や事務部門の具体的な役割、入社後の研修制度、職場の雰囲気などについて積極的に質問し、入社意欲の高さを示しましょう。

営業から事務へ転職する際の注意点と心構え

新しいキャリアへの期待とともに、認識しておくべき注意点もあります。

• 業務内容や評価基準の大きな変化への理解と覚悟: 顧客と直接対峙し成果を追求する営業職から、社内サポートやデスクワーク中心の事務職へと、仕事の進め方や評価されるポイントが大きく変わることを理解しておきましょう。
• 給与水準の変化の可能性: 営業職のインセンティブ制度などがなくなるため、一時的に給与水準が下がる可能性も考慮しておきましょう。長期的なキャリアプランと照らし合わせて検討が必要です。
• ルーティンワークへの適応: 事務職には、日々繰り返される定型的な業務も多くあります。そのような業務にも真摯に取り組めるかどうかが問われます。
• 継続的な学習の必要性: PCスキルや業務システムは常に進化しています。また、担当する事務業務によっては専門知識の習得も求められます。常に学び続ける姿勢が大切です。
• サポート役としての役割意識: 事務職は、組織全体の円滑な運営を支え、他の社員が働きやすい環境を作るという、重要なサポート役です。その役割に誇りを持ち、貢献意欲を持って取り組むことが求められます。

まとめ：営業で培った力を武器に、事務職への新たなキャリアを切り開こう

営業職から事務職への転職は、大きなキャリアチェンジですが、決して不可能なことではありません。むしろ、営業で培ったコミュニケーション能力、PCスキル、目標達成意欲、ストレス耐性といった貴重な経験やスキルは、事務職においても必ず活かせる強力な武器となります。

大切なのは、その経験を事務職の仕事内容と具体的に結びつけ、なぜキャリアチェンジしたいのか、そして新しい職場でどのように貢献したいのかという熱意を、自分の言葉で誠実に伝えることです。この記事で紹介した情報を参考に、計画的に準備を進め、自信を持って事務職としての新たな一歩を踏み出してください。あなたの挑戦を心から応援しています。

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岩下隼人

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。