営業の転職｜面接官に響く志望動機の書き方とケース別例文集

営業職の転職活動において、あなたの経歴やスキルと同じくらい、いや、それ以上に合否を左右するのが「志望動機」です。「なぜ、うちの会社で営業がしたいのですか？」という問いに、どれだけ説得力と熱意をもって答えられるかが、成功の鍵を握っています。

「どう書けばいいかわからない…」

「いつもありきたりな内容になってしまい、熱意が伝わらない…」

多くの転職者が抱えるこの悩みを解決するため、この記事では、あなたの経験と想いが伝わる、面接官の心を動かす志望動機をゼロから作成するための、具体的な考え方と豊富な例文を徹底的に解説します。

なぜ志望動機はこれほど重要なのか？面接官が見ている3つのポイント

効果的な志望動機を作成するために、まずは面接官が何を知りたがっているのか、その視点を理解しておきましょう。

1. 志望度の高さ（熱意）「本当にうちの会社で働きたいのだろうか？」面接官は、あなたが数ある企業の中から、本気で自社を選んでくれているのかを見ています。「内定が出たらどこでもいい」という姿勢は、簡単に見抜かれてしまいます。
2. 企業とのマッチ度（貢献可能性）あなたのスキルや経験が、当社の事業内容や営業スタイルにどれだけ合っているか。そして、入社後に具体的にどのように活躍し、会社に貢献してくれるのかをイメージしようとしています。
3. キャリアプランとの一貫性（定着性）あなたの将来のキャリアビジョンと、当社で実現できるキャリアに一貫性があるかを見ています。「やりたいこと」が会社の方針と合っていなければ、「入社してもすぐに辞めてしまうのではないか」と懸念されてしまいます。

そのままではNG！評価を下げてしまう志望動機の典型例

良かれと思って伝えた内容が、かえってマイナスの印象を与えてしまうこともあります。以下のような志望動機には注意しましょう。

• 「成長したい」という受け身な姿勢「貴社の研修制度で成長したいです」というだけでは、「会社に何かをしてもらいたい」という受け身な姿勢と見なされます。「成長した結果、どう会社に貢献したいのか」まで語ることが不可欠です。
• 「製品・サービスが好き」というファン目線製品への好意は素晴らしいことですが、それだけでは「ファン」の域を出ません。「好き」という気持ちに加え、「ビジネスとして、その魅力をどう広めていきたいか」という視点が求められます。
• どの企業にも当てはまる定型文「社会貢献性の高さに惹かれました」「将来性に魅力を感じました」といった具体性に欠ける言葉は、企業研究が不十分で、志望度が低いと判断されがちです。
• 条件面だけを理由にする「給与が高いから」「福利厚生が充実しているから」といった理由を前面に出すと、仕事内容そのものへの興味が薄いと判断されてしまいます。

説得力を生む！志望動機を構成する「最強の3ステップ」

誰でも面接官を納得させられる、説得力のある志望動機は、以下の3つのステップで構成されています。

• ステップ1：結論 (Why this company?) – なぜ、この会社なのかまず、「私が貴社を志望する理由は、〇〇という事業や理念に強く惹かれたからです」と、結論から簡潔に述べます。なぜ他の会社ではなく、この会社なのか。その企業ならではの具体的な魅力点を挙げましょう。
• ステップ2：根拠 (Why I can contribute?) – なぜ、貢献できるのか次に、ステップ1で述べた企業の魅力に対し、あなたのこれまでの経験やスキルがどう結びつき、どう貢献できるのかを、具体的なエピソードを交えて説明します。ここが、あなたの価値を証明する最も重要なパートです。
• ステップ3：未来 (What I want to achieve) – 何を成し遂げたいか最後に、入社後、あなたの能力を活かして、将来的にはどのように活躍し、どのようなことを成し遂げたいのかという未来へのビジョンを語ることで、高い意欲と長期的な貢献の意思を示します。

【ケース別】そのまま使える！営業の転職志望動機・例文集

あなたの状況に合わせて、上記の3ステップをどのように組み立てるか、具体的な例文を見ていきましょう。

《例文1：営業未経験者の場合（販売職からIT営業へ）》

（結論） 私が貴社を志望する理由は、中小企業のDX化を支援するという事業内容に、社会的な意義と大きな将来性を感じたからです。

（根拠） 前職の販売職では、お客様との対話の中から、ご本人も気づいていないニーズを汲み取り、最適な商品を提案することにやりがいを感じておりました。この「課題発見力」は、お客様の業務課題をヒアリングし、解決策として貴社のSaaSサービスを提案する上で、必ず活かせると考えております。

（未来） 未経験の分野ではございますが、一日も早くIT知識を習得し、営業として培った顧客視点を掛け合わせることで、お客様のビジネスを成功に導くパートナーとして活躍したいです。

《例文2：営業経験者（同業界へ）の場合》

（結論） 私が貴社を志望いたしますのは、業界トップの技術力を持つ〇〇という製品を通じて、より質の高いソリューションを提供したいと考えたからです。

（根拠） 現職では、同じ業界で5年間、法人営業として△△という実績を上げてまいりました。その中で培った業界知識と顧客とのネットワークには自信があります。

（未来） これまでの経験を活かし、即戦力として貴社の事業拡大に貢献するとともに、将来的にはチームを牽引するリーダーとして、貴社のさらなるシェア拡大の一翼を担いたいと考えております。

《例文3：営業経験者（異業界へ）の場合》

（結論） 私が貴社を志望する理由は、「健康寿命を延ばす」という理念のもと、革新的なヘルスケア製品を世に送り出している点に強く共感したからです。

（根拠） 現職のIT業界では、論理的思考力と、複雑な課題を解決に導くソリューション提案力を培ってまいりました。この「課題解決能力」は、お客様の健康に関する多様な悩みをヒアリングし、最適な製品を提案する貴社の営業活動においても、必ず活かせると確信しております。

（未来） 業界は未経験ですが、これまでの経験を応用し、新しい知識を貪欲に吸収することで、人々の健康という普遍的な価値に貢献できるプロフェッショナルを目指したいです。

志望動機は、あなたから企業への「最初の提案書」

志望動機は、単なる作文ではありません。それは、あなたという素晴らしい人材が、いかにその企業にとって魅力的で、採用すべき価値があるかを伝える、**あなたから企業への「最初の営業提案書」**です。

テンプレートの丸暗記では、人の心は動きません。この記事を参考に、あなた自身の言葉で、これまでの経験と未来への熱意を込めた、最高の「提案書」を作成してください。希望のキャリアへの扉は、きっとその先にあるはずです。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。