【営業の転職】面接官に響く「入社後にしたいこと」の答え方と例文集

営業職の転職面接において、終盤に聞かれることの多い「入社後にしたいことは何ですか？」という質問。これは、あなたの入社意欲や将来性をアピールするための、絶好のチャンスです。

しかし、「具体的なイメージが湧かない…」「どう答えれば熱意が伝わるだろう？」と、回答に悩んでしまう方も少なくないでしょう。

この記事では、面接官を惹きつける「入社後にしたいこと」の考え方から、状況別に使える具体的な例文、そして避けるべきNG例までを網羅的に解説します。この記事を読めば、自信を持ってあなたのビジョンを語れるようになり、採用をぐっと引き寄せることができるはずです。

なぜ面接官は「入社後にしたいこと」を質問するのか？

効果的な回答を準備するためには、まず質問の意図を理解することが重要です。面接官はこの質問を通して、主に以下の4点を確認しています。

1. 入社意欲の高さどれだけ本気で「この会社で働きたい」と思っているかを見ています。具体的で熱意のある回答は、高い入社意欲の証明となります。
2. 企業理解度の深さ自社の事業内容や営業スタイル、企業文化などを正しく理解しているかを確認しています。企業研究が不十分な、的外れな回答は評価を下げてしまいます。
3. 長期的な活躍イメージとの一致あなたのキャリアプランと、会社があなたに期待する役割がマッチしているかを見ています。入社後、どのように成長し、長く貢献してくれる人材かを見極めているのです。
4. あなたの価値観や人柄どのようなことにやりがいを感じ、仕事に対してどんな姿勢で取り組む人物なのか。その人柄が、自社の社風に合うかどうかも判断材料の一つです。

評価される「入社後にしたいこと」を構成する3つの要素

面接官を納得させる回答は、以下の3つの時間軸を意識して構成するのが効果的です。

• 【短期的な視点】まずは成果を出す（貢献意欲）入社後、まずは営業として一日も早く戦力となり、成果を出すという意欲を示します。これは、謙虚な姿勢と貢献意欲をアピールする上で基本となります。例：「まずは自身の〇〇という経験を活かし、一日も早く営業目標を達成することでチームに貢献したいです。」
• 【中期的な視点】事業やチームに貢献する（当事者意識）企業の事業展開や課題を理解した上で、自分ならどう貢献できるかを語ります。会社の成長を自分事として捉えている姿勢を示すことができます。例：「貴社の△△事業の拡大に向けて、新規顧客開拓の面で貢献したいです。」
• 【長期的な視点】自身の成長とキャリアビジョン（将来性）会社での成長を通じて、将来的になりたい姿を語ります。自分のキャリアプランと会社の方向性が一致していることを示し、長期的な活躍を期待させます。例：「将来的には、チームを牽引するマネージャーとして後進の育成にも携わりたいです。」

【状況別】営業の転職で使える「入社後にしたいこと」例文集

それでは、具体的な例文を「未経験者」と「営業経験者」に分けて見ていきましょう。

【未経験者の場合】

学ぶ姿勢とポテンシャルをアピールすることが重要です。

例文1

「まずは一日も早く製品知識と営業手法を学び、先輩方の指導を真摯に受けながら、担当するエリアでの目標達成に貢献したいと考えております。前職の販売職で培ったヒアリング力を活かし、お客様一人ひとりに寄り添った提案ができる営業を目指します。将来的には、お客様から最も信頼される存在となり、後輩の育成にも携われるような人材に成長していきたいです。」

【営業経験者の場合】

即戦力としての貢献と、プラスアルファの価値提供をアピールします。

例文2（即戦力アピール編）

「前職で培ったIT業界における新規開拓の経験を活かし、入社後3ヶ月以内に最初の受注を獲得することを目標としております。まずはプレイヤーとして確実に成果を出すことでチームに貢献いたします。中長期的には、私が得意とする〇〇という営業手法をチーム内で共有することで、チーム全体の営業効率の向上にも貢献できると考えております。」

例文3（マネジメント志向編）

「まずはプレイヤーとして、自身の営業目標を達成することで、周囲からの信頼を得たいと考えております。その上で、将来的には自身の営業プロセスや成功体験を形式知化し、チームメンバーに共有することで、後進の育成やチーム全体の目標達成を牽引するマネージャーとして貢献していきたいです。特に、貴社の成果を正当に評価し、若手に裁量を与えるという文化の中で、自身のマネジメントスキルを磨いていきたいと考えております。」

これは避けたい！NGな回答例とその理由

• NG例1：抽象的で具体性がない「とにかく頑張ります」「会社に貢献したいです」→熱意はあっても、何ができるのかが全く伝わらず、計画性がないと見なされます。
• NG例2：自分の成長・学習意欲しか語らない「御社の研修制度で学ばせていただきたいです」「成長できる環境に身を置きたいです」→会社を学校のように捉えている印象を与えます。貢献意欲が感じられません。
• NG例3：調べれば分かることを言う企業のホームページに書かれている経営理念をそのまま読み上げるなど。→企業研究が浅い、あるいは自分の考えがないと判断されてしまいます。
• NG例4：実現不可能な壮大なビジョン「1年で役員になります」「すぐに新規事業を立ち上げたいです」→現実的でなく、自己評価が高すぎると見なされる可能性があります。

未来のビジョンを語り、採用を掴み取ろう

「入社後にしたいこと」は、あなたのキャリアプランと、企業の未来を繋ぎ合わせるための重要な質問です。付け焼き刃の言葉ではなく、自己分析と企業研究に裏付けされた、あなた自身の言葉で未来のビジョンを語ること。

それができれば、面接官はきっと「この人と一緒に働きたい」と感じてくれるはずです。自信を持って、あなたの熱意を伝えてください。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。