営業から秘書へ転職｜経験を武器に変える、新しいキャリアの築き方

「最前線で数字を追うよりも、誰かを支える仕事にやりがいを感じる」

「営業で培った調整力やコミュニケーション能力を、違う形で活かしたい」

営業としてキャリアを積む中で、このように感じ、経営者や役員の成功をすぐそばで支える「秘書」という仕事に興味を持つ方がいます。

一見すると、「攻め」の営業と「支え」の秘書は、全く異なる職種に思えるかもしれません。しかし、あなたが営業の最前線で培ってきたスキルは、秘書として活躍するための強力な武器となり得ます。

この記事では、営業から秘書へのキャリアチェンジを成功させるための、説得力のある転職理由の作り方や、面接でのアピール方法を具体的に解説していきます。

なぜ秘書へ？その動機をポジティブな「転職理由」に

営業から秘書への転職を考えるとき、その背景には「営業の仕事の、ここが合わなかった」という本音があるかもしれません。しかし、大切なのは、その本音を未来への意欲を示すポジティブな転職理由に変換することです。

変換の法則：「表舞台」から「最高のサポーター」へ

• よくある本音：「自分が主役となって成果を追い続けるのに、少し疲れてしまった…」
• ポジティブ変換：「営業として目標達成に貢献することにやりがいを感じていましたが、それ以上に、チームや上司が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、環境を整え、サポートすることに大きな喜びを見出すようになりました。これからは、誰かを支えるプロフェッショナルとして貢献したいと考えています。」

変換の法則：「多くの顧客」から「一人のパートナー」へ

• よくある本音：「広く浅い顧客との関係性に、物足りなさを感じていた…」
• ポジティブ変換：「多くのお客様と接する中で、より深く、特定の人や組織にコミットし、その成功に最後まで伴走したいという思いが強くなりました。経営者の最も身近なパートナーとして、事業の成長を支える秘書の仕事に強く惹かれています。」

営業経験は最大の武器。秘書として活かせるスキルとは

「秘書の経験がないから不安…」と思う必要はありません。あなたが営業で培った以下のスキルは、秘書業務で即戦力として高く評価されます。

• 高度なコミュニケーション能力企業の経営層から現場の担当者、そしてお客様まで、様々な立場の人と円滑な関係を築いてきた経験は、役員の代理として内外の連絡・調整を行う秘書にとって不可欠なスキルです。
• 先読み力と段取りのうまさ営業目標から逆算して、日々の行動計画を立て、効率的に業務を進めてきた経験は、役員の多忙なスケジュールを管理し、先回りして業務を円滑に進める「段取り力」として、そのまま活かすことができます。
• ビジネスマナーと調整力厳しいビジネスの現場で培った、洗練されたビジネスマナーや、複雑な利害関係を調整してきた経験は、上司の顔となる秘書の仕事において、大きな信頼に繋がります。
• 精神的なタフさ予期せぬトラブルや、お客様からの厳しい要求にも冷静に対応してきた経験は、急な予定変更や難しい依頼にも動じない、秘書としての精神的な強さになります。

未経験からの転職を成功させるためのポイント

未経験から秘書への転職を成功させるためには、意欲を行動で示すことが重要です。

1. 志望動機で「なぜ秘書か」を明確に語る

上記の「ポジティブ変換の法則」を参考に、「営業経験を通じて、なぜ秘書の仕事に魅力を感じたのか」という、あなただけのストーリーを語れるように準備しましょう。「営業が嫌だから」ではなく、「営業経験を活かして、秘書としてこう貢献したい」という前向きな姿勢が大切です。

【回答例文】

「前職の営業では、顧客の課題解決に貢献することにやりがいを感じておりました。特に、プロジェクトの成功のために、顧客と社内の技術部門との間に立ち、円滑なコミュニケーションを促す調整役を担った経験は、大きな学びとなりました。

その経験を通じて、自分が矢面に立って成果を出すこと以上に、キーパーソンを支え、組織全体が円滑に動くための環境作りに貢献することに、より強い喜びを感じるようになりました。

営業で培った高い調整力と、相手の意図を汲み取るヒアリング力を活かし、〇〇事業を牽引されている△△（役員名など）様の最高のパートナーとして、貴社の成長に貢献したいと考えております。」

2. 「秘書検定」で意欲と知識を示す

資格が必須ではありませんが、「秘書検定（2級以上が望ましい）」を取得していると、秘書業務への高い意欲と、ビジネスマナーなどの基礎知識が身についていることの客観的な証明になります。未経験のハンデを補う、強力なアピール材料となるでしょう。

3. PCスキルを磨く

スケジュール管理、資料作成、経費精算など、秘書の仕事はPCスキルが必須です。特に、**MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）**などの資格は、実践的なスキルを証明するのに役立ちます。

新しいステージで、あなたの「支える力」を輝かせよう

営業から秘書への転職は、あなたが持つ「人を動かす力」を、「人を支え、輝かせる力」へと進化させる、素晴らしいキャリアチェンジです。最前線でビジネスを動かしてきたあなただからこそ、経営者の思考を理解し、一歩先を読んだ最高のサポートができるはずです。

これまでの経験に自信を持ち、あなたらしい言葉でその想いを伝えれば、きっと理想のキャリアへの扉が開かれるでしょう。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。