不動産営業の転職理由｜面接官に響く志望動機の伝え方と例文集

「お客様の人生最大の買い物に、深く関われる仕事がしたい」

「自分の成果が正当に評価される環境で、高収入を目指したい」

不動産営業は、大きなやりがいと高い報酬が期待できる、非常に魅力的な仕事です。しかし、その一方で「きつい」というイメージもあり、転職活動の面接で「なぜ、あえて厳しい不動産業界を選ぶのですか？」と、その本気度を問われる場面は少なくありません。

そこで重要になるのが、面接官を納得させる、説得力のある「転職理由（志望動機）」です。

この記事では、不動産営業への転職を成功させるための、転職理由の考え方から、面接でそのまま応用できる具体的な回答例文までを、分かりやすく解説していきます。

なぜ転職理由は重要なのか？面接官が見ているポイント

不動産業界の採用担当者は、あなたの転職理由を聞くことで、単なる志望度だけでなく、この厳しい業界で長く活躍できる人材かどうかを見極めようとしています。

• ストレス耐性と覚悟：ノルマのプレッシャーや、時には理不尽なクレームにも耐えうる精神的なタフさがあるか。
• 目標達成への意欲：「稼ぎたい」「成長したい」という強い気持ちを持ち、自ら行動し続けられるか。
• 顧客志向のマインド：高額な商品を扱う上で、お客様と誠実に向き合い、信頼関係を築ける人物か。
• 自社とのマッチ度：なぜ数ある不動産会社の中から、自社を選んだのか。

これらのポイントを意識し、あなたの言葉で「不動産営業として活躍したい」という強い意志を示すことが、内定を勝ち取るための鍵となります。

転職理由を組み立てる「ポジティブ変換」の法則

面接で大切なのは、前職への不満ではなく、未来への意欲を語ることです。「給料が安かったから」という本音も、「成果が正当に評価される環境で、自分の力を試したい」と言い換えるだけで、ポジティブな向上心として伝わります。

変換の法則：「やらされ仕事」から「主体的な挑戦」へ

• よくある本音：「今の仕事は、やりがいが感じられない…」
• ポジティブ変換：「現職で培った〇〇の経験を活かし、よりお客様の人生に深く、大きな影響を与えられる仕事に挑戦したいと考えるようになりました。」

変換の法則：「安定」から「成果主義」へ

• よくある本音：「今の給料では、将来が不安だ…」
• ポジティブ変換：「年功序列ではなく、自分の努力と成果がダイレクトに評価・還元される環境に身を置くことで、より高いレベルの自己成長を実現したいです。」

変換の法則：「物足りなさ」から「専門性」へ

• よくある本音：「もっとスケールの大きな仕事がしたい…」
• ポジティブ変換：「お客様と接する中で、人生の基盤となる『住まい』という領域への関心が深まりました。不動産のプロフェッショナルとして専門性を高め、お客様の一生に寄り添う仕事がしたいです。」

【状況別】そのまま使える！転職理由の回答例文集

では、これらの法則を元にした具体的な回答例文を、未経験者と経験者の場合に分けて見ていきましょう。

未経験からの転職の場合

未経験者は、これまでの経験を不動産営業でどう活かせるかと、高い学習意欲をアピールすることが重要です。

【例文：販売・接客職からの転職】

「前職の〇〇の販売では、お客様一人ひとりに寄り添い、最適な商品を提案することにやりがいを感じておりました。その中で、お客様の人生における、より大きな決断に深く関わり、長期的にサポートできる仕事に挑戦したいという思いが強くなりました。

不動産は、お客様の人生そのものを豊かにする、非常に責任とやりがいのある仕事だと感じております。未経験ではありますが、前職で培ったヒアリング能力と、目標達成に向けて努力し続ける粘り強さを活かし、一日も早く貴社に貢献できる人材になりたいと考えております。将来的には、宅地建物取引士の資格も取得し、不動産のプロとしてお客様から最も信頼される存在を目指します。」

営業経験者の場合

経験者は、なぜ同業他社ではなく、その会社を選んだのかを明確にすることが鍵です。

【例文：異業界の営業職からの転職】

「現職ではITソリューションの法人営業として、企業の課題解決に携わってまいりました。その中で、無形商材だけでなく、お客様の『資産』となり、人生に長く寄り添うことができる有形商材を扱いたいという思いが強くなりました。

特に、〇〇という独自の強みを持つ貴社の住宅は、お客様の暮らしに新しい価値を提供できると確信しております。これまでの法人営業で培った課題解決能力と、顧客との信頼関係構築力を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。」

【例文：不動産業界内の転職】

「これまで賃貸仲介の営業として、多くのお客様のお部屋探しをお手伝いしてまいりました。その経験を通じて、お客様が次に迎えるステップである『住宅購入』という、より大きな決断をサポートしたいと考えるようになりました。

賃貸仲介で培った、地域情報に関する知識と、お客様の潜在的なニーズを引き出すヒアリング力は、貴社の強みである〇〇エリアでの売買仲介において、必ず活かせると確信しております。これまでの経験を土台に、今後は売買のプロフェッショナルとして、キャリアを築いていきたいです。」

これはNG！面接で避けたい転職理由

• 「稼ぎたい」だけを強調する：意欲として伝えるのは良いですが、それだけだと「自分本位」な印象を与えます。「お客様に貢献した結果として、高い報酬を得たい」というニュアンスで伝えましょう。
• ネガティブな退職理由をそのまま話す：「ノルマがきつかった」「上司と合わなかった」といった理由は、「うちでも同じ理由で辞めるのでは？」と懸念されます。
• 「楽そう」といった安易なイメージ：不動産営業の仕事の厳しさを理解していないと判断されると、評価は大きく下がります。

自信を持って、不動産業界への扉を開こう

不動産営業への転職は、あなたの人生を大きく変える可能性を秘めた、ダイナミックな挑戦です。この記事で紹介したポイントや例文を参考に、あなたの熱意と覚悟を、あなた自身の言葉で伝えてください。

「この人と一緒に働きたい」と面接官に思わせることができれば、理想のキャリアへの扉は、きっと開かれるはずです。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。