転職で武器になる英語資格とは？自分に合った資格の選び方と活用法

グローバル化が加速する現代のビジネスシーンにおいて、英語力は多くの企業で求められる重要なスキルの一つとなっています。特に転職市場においては、自身の英語力を客観的に証明できる「英語資格」が、キャリアアップの大きな武器となることがあります。

この記事では、転職活動で有利に働く代表的な英語資格の種類や特徴、そして自分のキャリアプランに合った資格の選び方から、履歴書や面接で効果的にアピールする方法まで、詳しく解説していきます。

なぜ転職に英語資格が有利なのか？

そもそも、なぜ多くの企業は英語力のある人材を求めているのでしょうか。その背景には、海外企業との取引の増加、外国人従業員の採用、海外拠点の設立など、企業活動のボーダーレス化があります。

英語資格は、こうした状況下で「どの程度の英語力を持っているか」を具体的かつ客観的に示すための指標となります。履歴書に記載することで、採用担当者は応募者の英語レベルを初期段階で把握でき、選考がスムーズに進みます。また、面接においても、資格取得という実績は、目標達成能力や学習意欲の高さを示すアピールポイントにもなり得ます。

単に「英語が得意です」と伝えるよりも、具体的なスコアや級を提示することで、その言葉に説得力を持たせることができるのです。

【目的別】転職で評価される代表的な英語資格

英語資格と一言で言っても、その種類は様々です。ここでは、特に日本の転職市場で広く認知され、評価されやすい代表的な資格を、それぞれの特徴とともにご紹介します。

TOEIC® Listening & Reading Test：国内での圧倒的な知名度

日本で最も広く知られている英語資格と言えば、TOEIC® L&Rでしょう。主にビジネスや日常生活における英語でのコミュニケーション能力を測るテストで、リスニングとリーディングの2技能を評価します。

• 特徴: 日本国内での知名度が非常に高く、多くの企業が採用や昇進の際の指標として利用しています。スコアで英語力が示されるため、自分のレベルを客観的に把握しやすいのが特徴です。
• 評価されるスコアの目安:
  • 600点以上: 履歴書に書けるレベル。英語を使う業務への意欲を示せます。
  • 730点以上: 英語での実務をある程度こなせるレベル。海外部門や外資系企業への応募で評価されやすくなります。
  • 860点以上: 高い英語運用能力を持つ人材として、大きなアピールポイントになります。
• 向いている人・職種: 幅広い業界・職種。特に日系企業の海外営業、貿易事務、外資系企業へのエントリーレベルなどで強みを発揮します。

TOEFL iBT®：世界標準のアカデミックな英語力を証明

主に英語圏の大学や大学院への留学の際に利用されるテストですが、その世界的な通用度から、外資系企業や研究開発職などの転職においても高く評価されます。

• 特徴: 読む・聞く・話す・書くの4技能を総合的に測定します。大学の講義やディスカッションなど、アカデミックな場面を想定した問題が多く、論理的思考力や表現力が問われます。
• 評価されるスコアの目安: 一般的に80点以上、専門職や高いレベルを求められる場合は100点以上が目安とされています。
• 向いている人・職種: 外資系企業、IT企業、研究開発職など、専門分野で英語を駆使する必要がある職種。海外でのキャリアも視野に入れている方におすすめです。

IELTS™：イギリス・オーストラリア方面に強い4技能試験

IELTS™もTOEFL®と同様に4技能を測るテストですが、特にイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど、イギリス英語圏への留学や移住の際に広く用いられています。

• 特徴: スピーキングテストが面接官との対面式で行われるのが大きな特徴です。アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があり、目的に応じて選択できます。転職活動では、より高度な英語力を証明できるアカデミック・モジュールが一般的です。
• 評価されるスコアの目安: バンドスコア6.5以上が、ビジネスで通用する一つの目安となります。
• 向いている人・職種: 欧州系や英連邦系の外資系企業。将来的に海外移住も検討している方にも適しています。

ケンブリッジ英語検定：生涯有効な「使える英語力」の証明

世界130カ国以上で実施されている国際的な英語検定です。日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、ヨーロッパを中心に非常に高い評価を得ています。

• 特徴: 一度合格すれば認定は生涯有効です。レベル別に試験が分かれており、自分のレベルに合わせて挑戦できます。コミュニケーション能力を重視した実践的な内容が特徴です。
• 評価されるレベル: ビジネスシーンでは、中上級レベルのFCE（First Certificate in English）や、さらに上のCAE（Certificate in Advanced English）が評価の対象となります。
• 向いている人・職種: 欧州系企業や、より実践的でハイレベルな英語力を証明したい方。

自分のキャリアに合った英語資格の選び方

どの資格を取得すべきか迷った際は、以下の3つのステップで考えてみましょう。

1. 目指す業界・企業を明確にする: まずは、自分がどのような業界や企業で働きたいのかを考えます。日系企業であればTOEIC®が広く通用しますが、外資系企業やより専門的な職種を目指すのであればTOEFL®やIELTS™が有利になる場合があります。企業の募集要項などを確認し、どの資格が求められているかをリサーチしましょう。
2. 求められる英語力のレベルを知る: 応募したい求人で求められている英語力のレベルを確認します。「ビジネスレベルの英語力」「TOEIC 700点以上」など、具体的な要件を把握し、目標設定の参考にします。
3. テスト形式の得意・不得意を考慮する: TOEIC® L&Rはマークシート形式ですが、TOEFL®やIELTS™にはスピーキングやライティングの試験があります。自分の得意・不得意なスキルを考慮して、対策しやすい資格を選ぶのも一つの方法です。

英語資格を転職で最大限に活かすためのポイント

資格を取得しただけで満足してはいけません。その価値を最大限に引き出し、採用担当者に効果的にアピールするためのポイントをご紹介します。

• 履歴書には正式名称で正確に: 資格名は略さず、正式名称で記載します。スコアや級、そして取得年月日も忘れずに正確に書きましょう。有効期限がある資格（TOEIC®やTOEFL®など）は、2年以内のスコアを記載するのが一般的です。
• 面接では具体性をプラス: 面接で英語力について質問された際は、単にスコアを伝えるだけでなく、「資格取得のために毎日2時間学習を続けました」「この英語力を活かして、海外のクライアントと円滑なコミュニケーションを取りたいです」など、資格取得の背景にある努力や、入社後の貢献意欲を具体的に語ることで、より強い印象を与えることができます。
• 資格はあくまでスタートライン: 企業が本当に見ているのは、スコアそのものよりも「その英語力を使って何ができるか」です。資格はあくまでポテンシャルを示すものと捉え、常にスキルを磨き続ける姿勢が大切です。

まとめ

転職市場において、英語資格はあなたの可能性を広げるための強力なツールです。しかし、やみくもに挑戦するのではなく、自身のキャリアプランをしっかりと見据え、目標とする業界や職種で本当に「使える」資格は何かを見極めることが重要です。

自分に合った資格を選び、明確な目標を持って学習に励むことが、理想のキャリアを実現するための第一歩となるでしょう。この記事が、あなたの転職活動の一助となれば幸いです。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。