転職で「英語力」をアピールする、職務経歴書の書き方【レベル別・例文付き】
グローバル化が進む現代の転職市場において、「英語力」は、あなたのキャリアの可能性を大きく広げる、非常に強力な武器です。
しかし、その武器も、ただ「持っている」だけでは意味がありません。採用担当者の心に響くように、その価値を正しく、そして戦略的に「書く」ことができて、初めて真価を発揮します。
「自分の英語力は、どう書けば一番伝わるのだろう?」
「TOEICのスコアだけ書けば、十分なのだろうか?」
「自信はないけれど、意欲は伝えたい…」
この記事では、そんなあなたのための、「英語力」を最大限にアピールする職務経歴書の書き方を、あなたの現在のレベルに合わせて、具体的な例文と共に徹底的に解説していきます。
書き方の前に。採用担当者が「英語力」の記述で見るポイント
効果的なアピールをするためには、まず採用担当者が、あなたの職務経歴書から、何を読み取ろうとしているのかを理解することが重要です。
- ① 客観的な指標(スコア・資格)まず目に留まるのが、TOEIC®や英検®といった、客観的な指標です。これは、あなたの英語力のレベルを、大まかに把握するための「最初のフィルター」として機能します。
- ② 具体的な実務経験そして、採用担当者が本当に知りたいのは、その英語力を使って**「ビジネスの現場で、何ができるのか」**という点です。スコアだけでは分からない、あなたの「実践力」を見ています。
- ③ 専門性との掛け算あなたの持つ専門スキル(営業、マーケティング、ITなど)と、英語力が掛け合わさることで、会社にどのようなユニークな価値を提供してくれるのか、そのポテンシャルを評価しています。
【項目別】英語力を最大限にアピールする、職務経歴書の書き方
それでは、職務経歴書の各項目で、どのように英語力をアピールすれば良いか、具体的な書き方を見ていきましょう。
「資格・語学」欄の書き方
ここは、あなたの英語力を客観的に示す、最も基本的な項目です。あなたのレベルに合わせて、書き方を工夫しましょう。
<ビジネスレベル(TOEIC 860点~)の場合>
英語: ビジネスレベル(TOEIC 900点)
[具体的なスキル] 海外顧客との商談・交渉、及び英文契約書の作成・レビューが可能。
<日常会話・実務レベル(TOEIC 730点~)の場合>
英語: ビジネスでの使用経験あり(TOEIC 750点)
[具体的なスキル] 海外拠点との定型的なメール対応、及び英語でのWeb会議への参加が可能。
<初級・学習中(TOEIC 600点~)の場合>
英語: 基礎的な読解・作成が可能(TOEIC 620点)
[補足] ビジネスレベルの英語力習得を目指し、現在オンライン英会話を週3回受講中。
ポイント: スコアだけでなく、「その英語力で、何ができるのか」を具体的に補足すること。そして、学習中の場合は、その前向きな姿勢を書き添えることが、大きなアピールに繋がります。
「職務経歴」欄での書き方
職務経歴の本文中に、英語を使った具体的な業務エピソードを盛り込むことで、あなたの「実践力」を証明しましょう。その際は、「FCR」メソッドを意識すると、あなたの貢献度がより明確に伝わります。
- F (Fact): 客観的な事実(何をしたか)
- C (Context): どんな状況・背景で
- R (Result): どんな成果に繋がったか
<記述例>
(F) 海外の最新技術トレンドに関する英文レポートを作成し、(C) 国内では未導入であった新機能の企画を社内で提案。(R) 結果、その機能が次期モデルに採用され、製品の競争力向上に貢献(売上前年比115%を達成)。
このように、英語を使った行動が、具体的なビジネス上の成果にどう結びついたのかを示すことが、何よりも雄弁にあなたの価値を物語ります。
「自己PR」欄での書き方
ここでは、あなたのキャリア全体を通して、**「専門性 × 英語力」**という、あなただけのユニークな価値を、改めて強調しましょう。
<自己PR例>
私の強みは、5年間のマーケティング経験に加え、ビジネスレベルの英語力を駆使して、グローバルな視点での戦略立案が可能な点です。海外市場のインサイトをいち早く捉え、日本市場に最適化させた施策を実行することで、貴社の事業成長に貢献できると考えております。
これは避けたい!英語力アピールのNGな書き方
- スコアだけを記載する 「TOEIC 800点」とだけ書かれていても、採用担当者は、あなたが実際にどのくらい使えるのかを判断できません。
- 実態とかけ離れた、曖昧な表現 「英語は得意です」「コミュニケーション可能」といった、根拠のない表現は、かえって信頼性を損ないます。
- 古いスコアを記載する 一般的に、TOEICのスコアの有効期限は2年とされています。あまりに古いスコアは、現在の英語力を示さないものとして、評価されない可能性があります。
「書く」ことで、あなたの英語力は「伝わるスキル」になる
職務経歴書は、あなたのキャリアの「プレゼンテーション資料」です。そして、その中で「英語力」をどう書くかは、あなたの自己分析力と、ビジネスコミュニケーション能力を示す、絶好の機会となります。
ただ「英語ができる」という事実を並べるのではなく、それが、いかにしてビジネス上の価値を生み出すのか。そのストーリーを、戦略的に、そして具体的に記述すること。
それができれば、あなたの職務経歴書は、数多くの応募書類の中で、採用担当者の目に留まる、力強い輝きを放つはずです。