営業マネージャーへの転職｜プレイヤーから組織を動かすリーダーへ

「プレイヤーとして、個人の目標を追い続けるだけでは物足りない」

「自分の経験をチームに還元し、組織全体の成果を最大化したい」

営業として確かな実績を積み、次のステージを意識し始めたとき、多くの人が目指すのが「営業マネージャー」というポジションです。

営業マネージャーは、単なるトッププレイヤーではありません。それは、チームを率い、戦略を立て、メンバー一人ひとりの成長に責任を持つ、組織の成功に不可欠な「指揮官」です。

この記事では、営業マネージャーへの転職を検討しているあなたのために、その役割や求められるスキル、そして転職を成功させるためのポイントまで、網羅的に解説していきます。

営業マネージャーとは？プレイヤーとの決定的な違い

営業マネージャーの仕事は、自分が売ることではありません。そのミッションは、「チームに売らせる」こと、そして「チームを勝たせる」ことにあります。

個人のスキルで成果を出すプレイングマネージャーもいますが、本質的な役割は、メンバーが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整え、組織としての目標を達成することです。

主な仕事内容と役割

• 営業戦略の立案・実行会社の経営方針に基づき、市場や競合を分析し、自チームの具体的な営業戦略を立てます。「どの市場を、誰が、どのように攻めるのか」という戦術を策定し、実行を指揮します。
• 目標設定と予実管理チーム全体の目標や、メンバー個々の目標（KPI）を設定します。日々の進捗を管理し、目標と実績の間に生まれたギャップの原因を分析し、対策を講じます（予実管理）。
• メンバーの育成とモチベーション管理メンバー一人ひとりの強みや弱みを把握し、適切な指導やフィードバックを通じて成長をサポートします。個々の能力を最大限に引き出し、チーム全体の士気を高めることが、マネージャーの最も重要な役割の一つです。
• 組織としての課題解決営業プロセスの非効率な部分を改善したり、新しい営業ツールを導入したりと、チーム全体の生産性を向上させるための仕組み作りに取り組みます。

気になる年収とキャリアパス

責任が大きくなる分、営業マネージャーは高い報酬と、その後の豊かなキャリアパスが期待できます。

年収水準

営業マネージャーの平均年収は、業界や企業規模によって異なりますが、600万円〜800万円がひとつの目安となります。外資系企業や、IT・コンサルティングといった専門性の高い業界では、年収1000万円を超える求人も珍しくありません。

キャリアパス

営業マネージャーとしての経験を積んだ後は、さらに多様なキャリアが広がっています。

• 上位の管理職へ：複数のチームを統括する「営業部長」や、事業全体の責任者である「事業部長」を目指す。
• 経営幹部へ：営業部門での実績を基に、経営企画やマーケティング部門の責任者、さらには役員へとキャリアアップする。
• 専門性を活かして転職：マネジメント経験を武器に、より条件の良い企業や、成長著しいベンチャー企業の営業責任者（CSO）として転職する。

営業マネージャーに求められるスキルと人物像

優れたプレイヤーが、必ずしも優れたマネージャーになれるとは限りません。マネージャーには、個人としての営業スキルとは異なる、特有の能力が求められます。

• 戦略的思考力目先の数字だけでなく、市場の動向や3年後、5年後を見据え、中長期的な視点で戦略を組み立てる力。
• ピープルマネジメント能力メンバーの個性や価値観を尊重し、一人ひとりのモチベーションを高め、自律的な成長を促す力。ティーチング（教える）だけでなく、コーチング（引き出す）のスキルが重要になります。
• データ分析能力売上データや顧客データを分析し、そこから課題を発見し、感覚ではなく客観的な事実に基づいて意思決定を行う力。
• 課題解決能力チーム内で発生する様々な問題に対し、その根本原因を突き止め、解決策を実行する力。

転職を成功させるためのアピールポイント

営業マネージャーへの転職では、これまでの「個人の実績」を、マネージャーとしての「ポテンシャル」に変換してアピールすることが重要です。

【志望動機の例文】

「前職では、営業担当として個人の目標達成に注力してまいりました。3年連続で目標を120%以上達成する中で、後輩の指導や、チーム全体の営業プロセス改善にも積極的に取り組み、チームの目標達成に貢献することに、個人での達成以上の大きなやりがいを感じるようになりました。

これからは、プレイヤーとして培った課題解決能力と、後輩育成で得た経験を活かし、チーム全体の成果を最大化するマネージャーとして、貴社の事業成長に貢献したいと考えております。特に、貴社が注力されている〇〇の分野において、私の経験を活かしてチームを牽引できると確信しております。」

【アピールのポイント】

• 個人の実績だけでなく、チームへの貢献を語る：後輩を指導した経験、チームの目標達成に貢献した経験などを具体的に伝えましょう。
• 自分のマネジメントスタイルを語る：「メンバーの主体性を尊重したい」「データに基づいた戦略でチームを導きたい」など、自分が目指すマネージャー像を明確に示しましょう。
• 管理職経験がなくても、リーダー経験をアピール：小規模なプロジェクトのリーダー経験など、「人を動かして成果を出した経験」があれば、それは立派なアピール材料になります。

組織を動かす、やりがいと責任に満ちた仕事へ

営業マネージャーは、プレッシャーも大きく、背負う責任も重い仕事です。しかし、自分の戦略でチームを勝利に導く達成感や、メンバーの成長を間近で感じられる喜びは、何物にも代えがたいものです。

あなたがプレイヤーとして培ってきた経験と情熱を、今度はチームと組織のために。より大きなフィールドで、あなたのリーダーシップを発揮してみませんか。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。