不動産営業への転職｜仕事のリアルと後悔しないための完全ガイド

「成果が収入に直結する仕事で、自分の力を試したい」

「お客様の人生における、最も大きな買い物に深く関わりたい」

そんな思いから、不動産営業への転職に興味を持つ方は少なくありません。高収入と大きなやりがいが期待できる、非常に魅力的な仕事です。

しかし、その一方で「ノルマがきつい」「休みが不規則」といった厳しい側面も耳にします。

この記事では、不動産営業への転職を検討しているあなたのために、仕事の具体的な内容から、気になる年収のリアル、そして未経験からでも成功するためのポイントまで、網羅的に解説していきます。

不動産営業の仕事とは？多様な専門分野

一口に「不動産営業」と言っても、扱う物件や顧客によって、その仕事内容は大きく異なります。まずは、どのような専門分野があるのかを理解しましょう。

• 売買仲介「家を買いたい人」と「家を売りたい人」を繋ぐ、不動産営業の花形です。個人のお客様を対象に、中古マンションや戸建て、土地の売買を仲介します。お客様の人生設計に深く関わるため、高いコンサルティング能力が求められます。
• 賃貸仲介アパートやマンションなど、賃貸物件を借りたいお客様に、最適な部屋を紹介する仕事です。来店されたお客様の希望をヒアリングし、物件の案内から契約までを担当します。最も身近で、未経験からでも挑戦しやすい分野です。
• 投資用不動産販売投資家を対象に、収益が見込めるマンションやアパートなどを販売します。金融や税務に関する専門知識も必要となり、高額な契約を扱うダイナミックさがあります。
• 住宅販売（デベロッパー・ハウスメーカー）自社で開発した新築マンションや戸建て住宅を販売します。モデルルームでの接客が中心となり、自社製品の魅力を深く伝え、お客様の夢を形にする仕事です。

気になる年収のリアル。インセンティブの仕組みとは

不動産営業の年収は、成果が収入に大きく反映される**「基本給＋インセンティブ（歩合給）」**という給与体系が一般的です。

平均年収は、企業規模や扱う物件によって異なりますが、450万円〜650万円が一つの目安です。しかし、これはあくまで平均値。実力主義の世界であり、成果次第で年収は青天井に変わります。

• インセンティブの仕組み インセンティブは、契約が成立した際に、お客様からいただく仲介手数料の5%～15%程度が相場とされています。 例えば、3,000万円の物件の売買を仲介した場合、仲介手数料は約100万円。そのうちの10%（10万円）が、あなたのインセンティブとなるイメージです。

高額な商材を扱うため、1件の契約で得られるインセンティブも高額になります。トップセールスの中には、20代や30代で年収1,000万円や2,000万円を超えるプレイヤーも珍しくありません。自分の努力がダイレクトに収入に反映される点は、この仕事の大きな魅力です。

「きつい」と言われる理由は？知っておきたい仕事の厳しさ

高い収入とやりがいが期待できる一方で、「不動産営業はきつい」と言われることも事実です。転職後に後悔しないためにも、厳しい側面を正しく理解しておきましょう。

• ノルマ（目標）のプレッシャー多くの企業で、毎月の契約件数や売上金額の目標が設定されます。高額な商材のため、簡単に契約できるわけではなく、常に目標達成へのプレッシャーを感じることになります。
• 土日・祝日は基本的に出勤お客様が物件を探したり、内見したりするのは、主に土日や祝日です。そのため、カレンダー通りの休みは取りにくく、平日に休みを取るのが一般的です。
• 継続的な自己学習が必要不動産に関する法令（宅地建物取引業法など）や、税金、住宅ローンの金利といった専門知識は、常に変化します。お客様に最適な提案をするために、常に新しい情報を学び、アップデートし続ける必要があります。
• クレーム対応不動産は、お客様の人生を左右する大きな買い物です。そのため、契約内容や物件の状態に関する、シビアなご意見やクレームに対応しなければならない場面もあります。

未経験からでも成功できる？転職を成功させるためのポイント

不動産営業は、未経験者を歓迎する求人が非常に多い職種です。学歴や前職は問われず、「稼ぎたい」「成長したい」という意欲が何よりも重視されます。

1. 「なぜ、不動産営業なのか」を明確にする

面接では、「人と話すのが好きだから」という理由だけでは不十分です。「なぜ数ある営業職の中から、お客様の人生に深く関わる不動産を選んだのか」「この仕事を通じて、何を成し遂げたいのか」といった、あなた自身の言葉で語れる具体的な志望動機を準備しましょう。

2. コミュニケーション能力、特に「聞く力」をアピールする

この仕事で最も重要なのは、「うまく話す力」よりも**「お客様の想いを深く聞く力」**です。前職での経験（販売、接客など）を例に挙げ、「お客様の言葉の裏にある、本当のニーズや不安を丁寧に引き出し、信頼関係を築くことができる」という点をアピールしましょう。

3. 資格取得で意欲を示す

必須ではありませんが、「宅地建物取引士（宅建士）」の資格は、不動産の専門知識があることの強力な証明になります。資格取得に向けて勉強中であると伝えるだけでも、仕事への高い意欲を示すことができます。

お客様の人生に寄り添う、やりがいと達成感に満ちた仕事へ

不動産営業は、確かに厳しい側面もあります。しかし、お客様の人生における一大イベントに深く関わり、理想の住まいを見つけるお手伝いをすることで得られる「ありがとう」という感謝の言葉は、何物にも代えがたい喜びです。

そして、自分の力で高額な契約をまとめ上げた時の達成感と、それに見合った報酬は、この仕事でしか味わえない大きな醍醐味と言えるでしょう。あなたの情熱と人間力を、不動産というフィールドで活かしてみませんか。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。