【転職】履歴書のフォーマット、どう選ぶ?自分に合った一枚で差をつける
転職活動を始めるにあたり、避けては通れないのが「履歴書」の準備です。最近では、様々な種類の履歴書フォーマット(テンプレート)が手軽に入手できるようになり、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も少なくないでしょう。「JIS規格が良いの?」「自己PR欄が大きい方が有利?」「手書きとパソコン、どちらがいい?」など、疑問は尽きません。
この記事では、転職活動における履歴書フォーマットの選び方の基本的な考え方から、自分の経歴やアピールしたいポイントに合わせたフォーマット選びのコツ、そして近年推奨されている厚生労働省の様式例などについて、分かりやすく解説します。あなたに最適なフォーマットを選び、採用担当者に効果的に自分を伝えるための一助となれば幸いです。
なぜ履歴書のフォーマット選びが重要なのか?
履歴書は、あなたの第一印象を企業に伝える大切な書類です。フォーマットの選び方一つで、情報の伝わりやすさや、あなたが何を重視してアピールしたいのかといった点が異なってきます。
- 情報の整理と伝達効率: 見やすく整理されたフォーマットは、採用担当者が短時間で必要な情報を把握するのに役立ちます。
- アピールポイントの強調: 自分の強みや経験に合わせて、自己PR欄や職歴欄のスペースが適切なフォーマットを選ぶことで、効果的にアピールできます。
- 企業への配慮: 企業によっては、管理のしやすさなどから特定のフォーマットやサイズを指定している場合もあります。
- 社会人としての基本姿勢: 適切なフォーマットを選び、丁寧に作成することは、ビジネスマナーや真摯な姿勢を示すことにも繋がります。
履歴書フォーマットの主な種類と特徴
市販されている履歴書や、インターネットでダウンロードできるテンプレートには、いくつかの一般的な種類があります。
1. JIS規格(日本産業規格)に準拠したフォーマット
- 特徴: 氏名、住所、学歴、職歴、免許・資格、志望動機、本人希望欄など、基本的な項目がバランス良く配置された、最もオーソドックスなフォーマットです。多くの採用担当者が見慣れているため、安心感があります。
- 向いている人: 幅広い業種・職種に対応でき、特に職務経歴をしっかりと書きたい方や、どのフォーマットを選べば良いか迷う方におすすめです。
- 注意点: 2020年7月にJIS規格の様式例からは履歴書の様式例が削除されましたが、依然としてJIS規格に基づいたフォーマットは広く利用されています。
2. 厚生労働省履歴書様式例(2021年4月~)
- 特徴: 厚生労働省が公正な採用選考を行う観点から作成・推奨している様式例です。JIS規格の様式例をベースにしつつ、性別欄が任意記載になったり、「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」といった項目が任意記載または削除されたりしている点が特徴です。
- 向いている人: 公正な採用選考を重視する企業や、個人のプライバシーに配慮したフォーマットを使用したい方。今後、この様式に準拠した履歴書が一般的になる可能性があります。
- 入手方法: 厚生労働省のウェブサイトなどからダウンロードできます。
3. 自己PR欄・志望動機欄が大きいフォーマット
- 特徴: 学歴・職歴欄のスペースは標準的、あるいはやや小さめで、代わりに自己PR欄や志望動機欄、趣味・特技欄などの自由記述スペースが大きく取られているフォーマットです。
- 向いている人: 第二新卒や社会人経験が浅い方、未経験の職種に挑戦する方など、職務経歴だけではアピールしきれない熱意やポテンシャル、個性を伝えたい場合に有効です。
- ポイント: 具体的なエピソードを交えながら、自分の強みや仕事への意欲をしっかりと書き込むことが求められます。
4. 職歴欄が大きいフォーマット
- 特徴: 免許・資格欄や趣味・特技欄などが小さく、その分、職歴を詳細に記述できるスペースが広く取られているフォーマットです。
- 向いている人: 社会人経験が豊富で、これまでの職務経歴や実績を具体的にアピールしたい方。転職回数が多い方や、複数のプロジェクト経験を持つ方にも適しています。
- ポイント: 職務経歴書と併用する場合は、履歴書の職歴欄は概要に留め、詳細は職務経歴書に譲るという使い分けも考えられます。
5. その他(転職用、パート・アルバイト用など)
- 転職者向けフォーマット: 退職理由を記入する欄が設けられていたり、職務経歴をアピールしやすいように工夫されていたりします。職務経歴書用紙がセットになっているものもあります。
- パート・アルバイト用フォーマット: 希望勤務日時や曜日を記入する欄があるなど、パート・アルバイトの応募に特化した項目が含まれています。
自分に合った履歴書フォーマットを選ぶためのポイント
どのフォーマットを選ぶべきか迷った場合は、以下の点を考慮して判断しましょう。
- 企業からの指定の有無を最優先に: 応募企業から履歴書のフォーマットやサイズ(A4、B5など)について指定がある場合は、必ずそれに従いましょう。指定外のフォーマットを使用すると、管理上の手間をかけさせたり、指示を理解していないと見なされたりする可能性があります。
- 自分のアピールしたいポイントは何か?:
- 豊富な職務経歴や実績を伝えたいのか? → 職歴欄が大きいフォーマット、JIS規格、厚生労働省様式例など。
- 仕事への熱意やポテンシャル、人柄を伝えたいのか? → 自己PR欄や志望動機欄が大きいフォーマット。
- 特定のスキルや資格を強調したいのか? → 免許・資格欄がしっかり確保されているフォーマット。
- 職務経歴書とのバランスを考える: 履歴書と職務経歴書をセットで提出する場合、それぞれの役割分担を意識しましょう。職務経歴書で詳細な実績を伝えるのであれば、履歴書の職歴欄は簡潔にまとめ、自己PRや志望動機にスペースを割くフォーマットを選ぶという考え方もあります。
- 見やすさと書きやすさ: 項目が多く複雑すぎるフォーマットや、逆にシンプルすぎてアピールしにくいフォーマットは避け、自分が情報を整理しやすく、かつ採用担当者にとっても見やすいと感じるものを選びましょう。
- サイズはA4が一般的、B5も可: 企業からの指定がなければ、A4サイズ(A3二つ折り)またはB5サイズ(B4二つ折り)のどちらを選んでも選考に直接影響はありません。一般的には、A4サイズの方が職務経歴書などの他の応募書類とサイズを合わせやすく、ファイリングもしやすいため、ビジネスシーンでは好まれる傾向にあります。記入する情報量が多い場合もA4の方がスペースに余裕があります。
履歴書フォーマットの入手方法と作成形式
入手方法
- 市販の履歴書用紙: コンビニエンスストア、文具店、書店などで購入できます。手書きで作成する場合に適しています。
- インターネットからのダウンロード:
- 厚生労働省のウェブサイト(厚生労働省履歴書様式例)
- 大手転職サイト(マイナビ、リクナビNEXT、dodaなど)
- 履歴書作成ツールを提供しているウェブサイト
- Word、Excel、PDFなど、様々なファイル形式で提供されており、パソコンで作成する場合や、手書き用に印刷する場合に便利です。多くの場合、無料でダウンロードできます。
作成形式:手書き vs パソコン作成
前述の通り、近年はパソコンで作成した履歴書も一般的です。
- 手書きの場合: 丁寧な字で書くことで、誠実さや真剣さが伝わりやすいと感じる採用担当者もいます。PDF形式のフォーマットを印刷して使用します。
- パソコン作成の場合: WordやExcel形式のテンプレートを使用すれば、修正が容易で、効率的に作成できます。フォントや文字サイズを統一し、読みやすいレイアウトを心がけましょう。
どちらで作成するにしても、誤字脱字がないか、内容は正確か、そして何よりも「相手に伝えたい」という気持ちが込められているかが重要です。
履歴書フォーマットを使用する際の注意点
- フォントや文字サイズの統一(パソコン作成の場合): 履歴書全体でフォントの種類や文字の大きさを統一すると、読みやすく整った印象になります。見出しのみ太字にするなどの工夫は効果的です。
- 空欄を作らない: 原則として全ての項目を記入し、該当しない場合は「特になし」と記載します。
- 写真の準備は抜かりなく: 指定されたサイズの証明写真を丁寧に貼り付けます。
- 提出前に必ず最終確認: 誤字脱字、記入漏れ、日付の間違いなどがないか、何度も確認しましょう。
まとめ:最適なフォーマット選びで、あなたの魅力を最大限に
転職活動における履歴書のフォーマット選びは、あなたの第一印象を左右し、効果的な自己アピールに繋がる重要なステップです。絶対的な正解はありませんが、「自分が何を伝えたいのか」「応募企業はどのような情報を求めているのか」をしっかりと見極め、それに合ったフォーマットを選択することが大切です。
JIS規格や厚生労働省様式例といったベーシックなものを基本としつつ、必要に応じて自己PR欄や職歴欄のスペースが工夫されたフォーマットを選ぶなど、戦略的な視点も持ちましょう。そして何よりも、選択したフォーマットに、あなたの経験、スキル、そして熱意を込めて、丁寧かつ正確に情報を記述することが、採用担当者の心に響く履歴書を作成するための鍵となります。