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転職・退職の「のし」、表書きはどう書く?【状況別】感謝が伝わるマナー

岩下隼人
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転職や退職は、人生における大きな節目です。お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えたり、新しい門出を祝ったりする際に、心を込めた贈り物をすることは日本の美しい習慣の一つと言えるでしょう。その際、品物に添える「のし(熨斗紙)」、特にその中央上部に書かれる「表書き」は、贈る目的や気持ちを相手に伝えるための重要な役割を担います。

しかし、「御礼」「おはなむけ」「内祝」など、どのような言葉を選べば良いのか、状況によって使い分けに迷うことも少なくありません。この記事では、転職や退職といった様々なシチュエーションに応じた適切な「のし」の表書きの選び方と書き方、そして知っておきたい基本的なマナーについて詳しく解説していきます。

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「のし」と「表書き」の基本をおさらい

まず、「のし」と「表書き」に関する基本的な知識を確認しておきましょう。

  • のし紙(熨斗紙): 贈答品にかける紙のことで、一般的に「熨斗(のし)」と「水引(みずひき)」が印刷されています。
    • 熨斗(のし): のし紙の右肩についている飾り。元々は縁起物であるアワビを模したものです。
    • 水引(みずひき): のし紙の中央にかける飾り紐。結び方や色で意味合いが変わります。転職関連のお祝い事やお礼では、何度あっても良いという意味の**「紅白の蝶結び(花結び)」**を用いるのが一般的です。
  • 表書き(おもてがき): 水引の上段中央に書く、贈り物の目的を示す言葉です。「御祝」「御礼」「内祝」などがこれにあたります。
  • 名入れ(ないれ): 水引の下段中央に、表書きよりも少し小さめに書く贈り主の名前です。

表書きは、いわば贈り物の「顔」となる部分。相手に失礼なく、かつ自分の気持ちを正しく伝えるために、適切な言葉を選ぶことが大切です。

【シチュエーション別】転職・退職時の適切な「表書き」一覧と解説

ここでは、転職や退職に関連する様々なシーンで用いられる代表的な表書きと、その意味合いや使い方について解説します。

1. 退職時:お世話になった職場へのお礼

これまでの感謝の気持ちを込めて、最終出社日などに職場の方々へお菓子などを贈る際の表書きです。

  • 「御礼(おんれい)」: 最も一般的で、どのような相手にも使える万能な表書きです。感謝の気持ちを丁寧に伝えたい場合に適しています。「御禮」と旧字で書くと、よりかしこまった印象になります。
  • 「感謝(かんしゃ)」: 「御礼」よりもストレートに感謝の気持ちを表現したい場合に用います。親しい間柄の同僚や、特に感謝を伝えたい部署などに適しています。
  • 「御挨拶(ごあいさつ)」: 最終出社日に、挨拶回りとともに品物を渡す場合などに用います。「これまでお世話になりました。ありがとうございました」という気持ちが込められています。
  • 「お世話になりました」: よりくだけた表現で、親しみを込めて感謝を伝えたい場合に使うこともあります。ただし、目上の方が多い職場や、かしこまった場では「御礼」が無難です。

(補足)「粗品(そしな)」について:

「粗品」は、「粗末な品ですが」と自分を謙遜する際に用いる言葉です。お礼の品物に対して使うこともありますが、目上の方に対してはかえって失礼にあたると捉えられることもあります。感謝の気持ちを伝える退職時のお礼としては、「御礼」や「感謝」の方がより適切でしょう。

2. 餞別:退職する同僚や上司へ贈る場合(自分が贈る側)

退職して新しい道へ進む方へ、これまでの感謝と今後の活躍を願って贈る品物やお金の表書きです。

  • 「御餞別(おせんべつ)」: 一般的に使われる表書きですが、「別れを惜しむ」という意味合いも含むため、目上の方に対して用いるのは失礼にあたるとされることがあります。主に同僚や部下に対して使うのが適切です。
  • 「おはなむけ」: 「餞」の字を使わず、「旅立つ人の前途を祝して贈る」という意味を持つ、より丁寧で温かい表現です。目上の方にも安心して使えます。 漢字で書く場合は「御贐」となりますが、ひらがなで「おはなむけ」と書く方が柔らかい印象になります。
  • 「御礼(おんれい)」: 退職する方へのこれまでの感謝の気持ちを込めて贈る場合に用います。相手を選ばず使える無難な表書きです。
  • 「感謝(かんしゃ)」: ストレートに感謝の気持ちを伝えたい場合に適しています。
  • 「祝 御栄転(しゅく ごえいてん)」: 相手がより良い役職や職場へ移る「栄転」の場合に用いるお祝いの表書きです。
  • 「祝 御昇進(しゅく ごしょうしん)」: 転職に伴い役職が上がる「昇進」を伴う場合に用います。
  • 「祈 御活躍(き ごかつやく)」 / 「祈 御健闘(き ごけんとう)」: 新しいステージでの活躍や健闘を祈る気持ちを表す言葉です。

相手との関係性や退職の理由(定年、自己都合、栄転など)を考慮して、最もふさわしい表書きを選びましょう。

3. 転職祝いのお返し(内祝い):転職祝いをいただいた場合

転職に際してお祝いの品物やお金をいただいた場合、そのお返し(内祝い)をするのが一般的なマナーです。

  • 「内祝(うちいわい)」: 最も一般的な表書きです。「内々のお祝い」という意味合いで、いただいたお祝いへのお返しとして用います。
  • 「御礼(おんれい)」: お祝いをいただいたことに対する感謝の気持ちをシンプルに伝える表書きです。

新しい職場に慣れ、生活が落ち着いた頃(入社後1ヶ月以内が目安)に贈るのが良いでしょう。

4. 新しい職場への挨拶(手土産を持参する場合 ※必須ではない)

新しい職場へ初めて出社する際に、挨拶として手土産を持参するかどうかは任意であり、企業の文化にもよります。もし持参する場合の表書きです。

  • 「御挨拶(ごあいさつ)」: これからお世話になる方々への最初の挨拶として、最も一般的な表書きです。
  • 「どうぞ宜しくお願い致します(どうぞよろしくおねがいいたします)」: 表書きに直接書くというよりは、メッセージカードに添えるか、口頭で伝える方が自然かもしれません。もし表書きとして用いる場合は、簡潔に「御挨拶」が良いでしょう。

新しい職場への手土産は、大げさにならないよう、個包装で分けやすいお菓子などが好まれます。のしを付けずに、きれいな包装紙だけで渡すケースも少なくありません。

「表書き」を書く際の注意点とマナー

表書きを実際に書く際には、以下の点に注意しましょう。

  • 毛筆または筆ペンを使用する: 正式な贈答品の場合、表書きや名入れは毛筆か筆ペンで書くのがマナーです。濃い黒色の墨で、楷書ではっきりと丁寧に書きましょう。ボールペンや万年筆、サインペンなどは避けましょう。
  • 文字の大きさのバランス: 表書きは、水引の上段中央に、水引や熨斗にかからないように書きます。後述する名入れ(自分の名前)よりも少し大きめに書くとバランスが良いでしょう。
  • 文字数: 一般的に、表書きは2文字から4文字程度がバランス良く見えます。「御礼」「感謝」「内祝」など。
  • 旧字・略字: 「礼」を旧字の「禮」と書くなど、より丁寧な印象にしたい場合は旧字を用いることもありますが、現代では常用漢字で問題ありません。略字は避けましょう。
  • 書き損じたら: 万が一書き損じてしまった場合は、修正液や修正テープは使用せず、新しいのし紙に書き直すのが正式なマナーです。

名入れ(名前の書き方)の基本

表書きと合わせて重要なのが、水引の下段中央に書く「名入れ(贈り主の名前)」です。

  • 表書きよりも少し小さめの文字で書きます。
  • フルネームで書くのが基本です。退職時のお礼などで職場へ贈る場合は、苗字だけでも許容されることもありますが、フルネームの方がより丁寧な印象になります。
  • 連名の場合:
    • 2~3名程度であれば、水引の下中央から右へ、役職や年齢の高い順に名前を連ねます。特に順位がない場合は五十音順でも構いません。
    • 4名以上の場合は、代表者の名前を中央に書き、その左下に「外一同(ほか いちどう)」と小さく書くか、「〇〇部一同」「有志一同」などとグループ名を記載し、別紙に全員の名前を書いて品物に添えます。
  • 部署名などを添える場合: 会社名や部署名を名前の右肩に小さく添えることもあります。

「表書き」選びに迷ったときは?

様々な表書きを紹介しましたが、いざという時に「どれを選べば良いか分からない…」と迷ってしまうこともあるかもしれません。そんな時は、以下の点を参考にしてみてください。

  • 最も無難なのは「御礼」: 感謝の気持ちを伝えたい多くの場面で使える、汎用性の高い表書きです。
  • 相手との関係性や状況を考慮する: 親しい同僚なのか、お世話になった上司なのか、職場の雰囲気はどうかなどを考えて選びましょう。
  • 贈る品物の内容も考慮に入れる: 例えば、明らかに新しい門出を祝う品物であれば「おはなむけ」、感謝の気持ちを込めたお菓子であれば「御礼」というように、品物の意味合いと表書きを合わせるのも良いでしょう。

どうしても迷う場合は、年長者やマナーに詳しい人に相談してみるのも一つの方法です。

まとめ:「のし」の表書きは、贈る側の気持ちを伝える大切なメッセージ。正しいマナーと心を込めた言葉で、円満な人間関係と新たなスタートを。

転職や退職といった人生の節目において、「のし」の表書きは、あなたの感謝やお祝いの気持ちを形にし、相手に伝えるための大切なコミュニケーションツールです。適切な言葉を選び、心を込めて丁寧に書くことで、その気持ちはより深く相手に届くことでしょう。

この記事で紹介した内容が、あなたのスムーズな人間関係の構築と、素晴らしい新たなスタートの一助となれば幸いです。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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