転職活動への影響は？欠勤が多い場合のデメリットと対処法

病気や家庭の事情など、やむを得ない理由で現職（または前職）での欠勤が多くなってしまった場合、「この経験が転職活動に不利に働くのではないか」と不安を感じる方は少なくないでしょう。企業は応募者の勤怠状況をどのように見ているのか、そして、もし欠勤が多い場合、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。

この記事では、欠勤が多い場合に転職活動で直面する可能性のあるデメリットと、その影響を少しでも軽減するための対処法について詳しく解説します。

欠勤が多い場合に転職活動で考えられるデメリット

企業が採用選考を行う際、応募者の勤怠状況は重要なチェックポイントの一つです。欠勤が多い場合、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

選考への直接的な影響（企業側の懸念）

多くの企業は、従業員の安定した勤務を期待しており、勤怠状況を自己管理能力や責任感の指標の一つとして捉える傾向があります。

• 「入社後も欠勤が多いのでは」という懸念: 採用担当者は、「採用しても、同じように欠勤が続いてしまうのではないか」「安定して業務に貢献してくれるだろうか」といった不安を抱きやすくなります。
• 健康状態への不安視: 特に欠勤理由が体調不良である場合や、理由が不明確な場合には、「健康面に問題を抱えているのではないか」「業務に支障が出る可能性があるのではないか」と懸念されることがあります。
• 書類選考や面接での不利: 職務経歴書に賞罰として記載する義務はありませんが、面接で前職の退職理由や健康状態について質問された際に、欠勤の多さが話題に上る可能性があります。そこで納得のいく説明ができないと、選考で不利に働くことも考えられます。

面接での深掘りと説明の難しさ

欠勤の事実がある場合、面接でその理由や期間、頻度について詳しく質問されることが予想されます。

• 納得のいく説明の必要性: なぜ欠勤が多かったのか、その背景や現在の状況について、採用担当者が納得できるように説明する必要があります。ここで曖昧な回答をしたり、言い訳に終始したりすると、マイナスの印象を与えかねません。
• プライベートな理由の開示: 欠勤理由が非常にプライベートな内容である場合、どこまで正直に話すべきか、どのように伝えれば誤解を招かないか悩むこともあるでしょう。

自己評価や自信の低下

欠勤が多かったという事実に対して、ご自身が負い目を感じてしまうこともあります。

• 転職活動への消極性: 「自分は勤怠に問題があったから、良い企業には採用されないのではないか」といったネガティブな思考に陥り、転職活動に対する積極性が削がれてしまう可能性があります。
• 面接での萎縮: 欠勤について質問されることを恐れるあまり、面接で本来の自分らしさを出せずに萎縮してしまうことも考えられます。

リファレンスチェックでの影響（一部企業の場合）

近年、外資系企業や一部の国内企業では、採用選考の過程でリファレンスチェック（前職の同僚や上司に応募者の勤務状況や人物像について問い合わせること）を行うケースがあります。その際に、前職での勤怠状況が採用担当者に伝わる可能性も否定できません。

年収・待遇面での影響の可能性（稀なケース）

基本的には稀なケースですが、企業側が採用リスクを非常に高く見積もった場合、当初の募集条件よりも低い年収や待遇を提示してくる可能性も全くないとは言い切れません。

欠勤理由によって企業側の受け止め方は変わるか？

一言で「欠勤が多い」と言っても、その理由によって企業側の受け止め方は大きく変わってきます。

やむを得ない理由の場合

本人や家族の病気・怪我の療養、親族の不幸による忌引、自然災害など、社会通念上やむを得ないと判断される理由による欠勤については、多くの企業が一定の理解を示してくれます。

ただし、その場合でも「現在は健康状態に問題ないか」「同様の理由で再び長期欠勤する可能性はないか」「再発防止のためにどのような対策を講じているか」といった点は確認されるでしょう。

自己都合や軽視されがちな理由の場合

一方で、寝坊や仮病、あるいは説明が曖昧な私用などを理由とした欠勤が多い場合は、自己管理能力や仕事に対する責任感を疑われやすく、企業からの評価は厳しくなる傾向があります。

欠勤が多い場合の転職活動：デメリットを軽減するためのポイント

もし欠勤が多いという事実に不安を感じているなら、以下のポイントを意識して転職活動に臨むことで、そのデメリットを少しでも軽減できる可能性があります。

欠勤理由と現在の状況を正直かつ具体的に説明する

最も大切なのは、欠勤の事実を隠したり嘘をついたりせず、誠実に伝えることです。

• やむを得ない理由の場合: その経緯を正直に説明し、現在は問題なく就業できる状態であることを明確に伝えましょう。例えば、病気療養が理由であれば、完治していることや、医師からの就業許可が出ていることを示すと安心感を与えられます。
• 反省すべき点がある場合: もし自己管理不足など反省すべき点があった場合は、それを素直に認め、今後は同様のことがないようにどのような改善策を講じているのかを具体的に説明することが重要です。

現在の健康状態や自己管理能力をアピールする

企業側の「入社後も大丈夫だろうか」という不安を払拭するために、現在の健康状態が良好であることや、自己管理を徹底していることを具体的にアピールしましょう。

• 体調管理のために日常的に気をつけていること（例：規則正しい生活、適度な運動、食生活の改善など）
• 今後は安定して勤務できるという強い意志

などを伝えることで、信頼回復につながります。

応募書類（職務経歴書）での工夫

職務経歴書に自ら欠勤について詳細に記載する必要は必ずしもありません。しかし、面接で質問される可能性は高いため、その準備はしておくべきです。書類上は、これまでの実績やスキル、仕事への熱意など、ポジティブな側面をしっかりとアピールすることに注力しましょう。

面接での伝え方を練習する

面接で欠勤について質問された際に、慌てずに落ち着いて、簡潔かつ分かりやすく説明できるように事前に練習しておきましょう。ネガティブな情報を伝える際も、前向きな言葉を選び、今後の貢献意欲を伝えることが大切です。

転職エージェントへの相談

転職エージェントを利用している場合は、担当のキャリアアドバイザーに自身の勤怠状況について正直に相談してみましょう。企業側の視点を踏まえた上で、どのように伝えれば懸念を払拭できるか、具体的なアドバイスをもらえることがあります。また、企業によっては勤怠状況に比較的寛容な場合もあるため、そうした情報を提供してくれる可能性もあります。

応募する企業を選ぶ際の注意点

自身の状況を理解し、受け入れてくれる可能性のある企業を選ぶことも一つの戦略です。例えば、従業員の健康サポートに力を入れている企業や、比較的柔軟な働き方が認められている社風の企業などを検討してみるのも良いかもしれません。

まとめ

現職（または前職）での欠勤が多いことは、転職活動において確かに不利に働く可能性はあります。しかし、その理由や現在の状況、そして何よりも今後の仕事に対する姿勢を誠実に伝えることで、企業側の懸念を払拭し、理解を得ることは十分に可能です。

大切なのは、過去の事実から目をそらさず、反省すべき点は反省し、今後は安定して企業に貢献できるという強い意志を示すことです。自信を持って、前向きな転職活動を進めてください。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。