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転職時の引っ越し費用、会社は負担してくれる?相場や交渉のポイントを解説

岩下隼人
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転職を機に、新しい土地での生活をスタートさせる方も少なくありません。希望に胸を膨らませる一方で、現実的な問題として気になるのが「引っ越し費用」です。新しい職場が遠方にある場合、その費用は決して小さなものではありません。「会社はどこまで負担してくれるのだろう?」「自己負担の場合はどうすれば少しでも抑えられる?」といった疑問や不安を抱えるのは当然のことでしょう。

この記事では、転職に伴う引っ越し費用について、会社が負担してくれるケースやその内容、自己負担になる場合の費用を抑えるコツ、そして費用負担を交渉する際のポイントなどを詳しく解説していきます。

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転職時の引っ越し費用、会社負担は一般的なのか?

まず、大前提として理解しておきたいのは、自己都合による転職の場合、会社が引っ越し費用を負担する法的な義務はないということです。会社都合による転勤(異動)の場合は、業務命令であるため、多くの企業が費用を負担するのが一般的ですが、転職は個人の意思によるものが基本となるため、状況が異なります。

しかし、だからといって諦める必要はありません。近年では、優秀な人材を確保するため、あるいは遠方からの応募者にも門戸を広げるために、企業が引っ越し費用の一部または全額を負担するケースも増えてきています。

費用負担の有無やその範囲は、以下のような要因によって大きく左右されます。

  • 企業の規模や体力: 一般的に、体力のある大手企業ほど手厚いサポートが期待できる傾向にあります。
  • 業種や職種: 特に専門性の高い職種や、人材獲得競争が激しい業界では、費用負担の条件が良い場合があります。
  • 募集ポジションの重要度や緊急度: 企業が「どうしてもこの人材が欲しい」と強く考えている場合や、急募のポジションである場合は、費用負担の交渉が有利に進む可能性があります。
  • 就業規則や社内規定: 引っ越し費用の補助に関する規定が元々設けられている企業もあります。

まずは、応募企業の募集要項や、内定が出た際の労働条件通知書などをしっかりと確認することが重要です。

会社が引っ越し費用を負担してくれる場合の主なパターンと内容

もし会社が引っ越し費用を負担してくれる場合、その形態や内容は様々です。主なパターンとしては以下のようなものが考えられます。

  1. 全額負担: 最も手厚いケースで、引っ越し業者の利用料金、新居の契約にかかる初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)、赴任のための交通費など、引っ越しに関わる費用の大部分を会社が負担してくれます。
  2. 一部負担:
    • 上限金額の設定: 「〇〇万円まで」といった形で、会社が負担する金額に上限が設けられているケースです。上限を超えた分は自己負担となります。
    • 特定の費用のみ負担: 「引っ越し業者の実費のみ」「赴任時の片道交通費のみ」というように、負担する費用の項目が限定されている場合です。
    • 支度金(一時金)として支給: 引っ越し準備金、移転費用、赴任手当といった名目で、一定額の一時金が支給されるケースです。この場合、実際の引っ越し費用が支給額を下回っても差額を返金する必要はありませんが、逆に上回った場合は自己負担となります。
  3. 現物支給: 費用を金銭で支給するのではなく、会社が借り上げている社宅や独身寮を提供してくれるケースです。この場合、家賃の一部または全額が会社負担となることもあります。

会社負担の対象となる費用の一般的な例

会社が費用を負担する場合、一般的に以下のような項目が対象となることが多いです。

  • 引っ越し業者に支払う費用: トラックのチャーター料、作業員の人件費、梱包資材費など、基本的な引っ越し作業にかかる費用。
  • 自身の移動交通費: 現住所から新しい勤務地(または新居)までの、本人(場合によっては家族も含む)の片道または往復の交通費(新幹線代、飛行機代など)。
  • 賃貸契約の初期費用: 新しい住居を借りる際の敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、火災保険料など。
  • (まれに)その他の費用:
    • 新しい住居の下見のための交通費や宿泊費
    • 入社準備のための支度金
    • 家具・家電の購入費用の一部補助
    • 不要品の処分費用の一部補助

ただし、これらはあくまで一般的な例であり、実際にどの費用がどこまで負担されるかは企業によって大きく異なります。

会社が引っ越し費用を負担する条件や注意点

会社から引っ越し費用の補助を受けられる場合でも、いくつかの条件が付いていたり、注意すべき点があったりします。

  • 就業規則や内定時の条件確認が必須: 最も重要なのは、就業規則や労働条件通知書(採用条件通知書)、あるいは内定面談などで、費用負担の有無、具体的な範囲、上限金額、精算方法などを必ず確認することです。曖昧な点はそのままにせず、書面で確認できるのが理想です。
  • 領収書の保管: 実費精算の場合、引っ越し業者への支払い、交通費、宿泊費、賃貸契約の初期費用など、全ての費用に関する領収書や明細書の原本が必要になります。必ず受け取り、紛失しないように大切に保管しましょう。
  • 会社指定の引っ越し業者を利用する必要がある場合も: 企業によっては、提携している特定の引っ越し業者を利用することが条件となっている場合があります。その場合、個人で勝手に業者を選んでしまうと、費用が補助されない可能性があるので注意が必要です。
  • 一定期間内の退職で返金を求められる可能性(返還規定): 特に会社が引っ越し費用を全額負担したり、高額な支度金を支給したりした場合、入社後一定期間(例:1年以内、2年以内など)に自己都合で退職すると、支給された費用の一部または全額の返金を求められる「返還規定」が設けられていることがあります。このような規定の有無も事前に確認しておきましょう。
  • 課税対象となる場合: 会社から支給される引っ越し費用が、給与所得として扱われ、所得税の課税対象となることがあります。特に、「支度金」や「赴任手当」といった名目で一律の金額が支給される場合は、給与の一部と見なされることが多いです。実費精算であっても、通常必要と認められる範囲を超える部分は課税対象となる可能性があります。この点についても、事前に人事担当者に確認しておくと良いでしょう。

引っ越し費用を会社に交渉する際のポイント

もし、求人情報や内定時の条件提示で引っ越し費用の負担について明記されていなかった場合でも、交渉の余地があるかもしれません。交渉する際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 交渉のタイミング: 一般的には、内定が出た後、労働条件の確認・交渉を行う段階で切り出すのが適切です。入社を承諾する前に、条件面をクリアにしておくことが重要です。
  • 交渉の切り出し方: まずは内定への感謝の意を伝え、入社への前向きな姿勢を示した上で、「つきましては、大変恐縮なのですが、転居に伴う費用についてご相談させて頂きたい点がございます」といったように、謙虚に、そして相談という形で切り出しましょう。
  • 交渉材料となり得ること:
    • 企業側がその人材を強く求めている場合: あなたのスキルや経験が企業にとって非常に魅力的で、「ぜひ入社してほしい」という状況であれば、交渉が有利に進む可能性があります。
    • 遠方からの転職であること: 採用のためには転居が必須であることを明確に伝えます。
    • 専門性の高いスキルや希少な経験を持っていること: 他の候補者では代替が難しいと判断されれば、企業側も条件面で譲歩しやすくなります。
    • 他社からも好条件のオファーを得ている場合(伝え方には細心の注意が必要): 他社の条件を引き合いに出すのは交渉術の一つですが、言い方によっては傲慢な印象を与えかねません。「他社様からはこのような条件をご提示いただいており、大変恐縮ながら、貴社でもご検討いただけると幸いです」といった丁寧な伝え方を心がけましょう。
  • 希望する負担範囲や金額を具体的に伝える: 「引っ越し費用を負担していただけると助かります」といった曖昧な伝え方ではなく、「引っ越し業者の見積もりが〇〇万円なのですが、この実費分をご負担いただくことは可能でしょうか」といったように、具体的な金額や範囲を示し、可能であればその根拠(見積書など)も提示すると説得力が増します。
  • 妥協点も考えておく: 全額負担が難しい場合でも、例えば「初期費用の一部だけでも」「赴任時の交通費だけでも」といったように、一部負担や支度金での対応など、双方にとって受け入れ可能な妥協点を探る姿勢も大切です。

自己負担の場合の引っ越し費用を抑えるコツ

残念ながら会社からの費用補助が得られない場合や、補助額では足りない場合は、自己負担で引っ越し費用を賄う必要があります。その際は、以下の方法で少しでも費用を抑える工夫をしましょう。

  • 引っ越し業者の相見積もりを取る: 複数の引っ越し業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較検討することが最も効果的です。一括見積もりサイトなどを活用すると便利です。
  • 引っ越しの時期を工夫する: 引っ越しの繁忙期(一般的に2月~4月の新生活シーズンや、9月~10月の異動シーズン)は料金が高くなる傾向があります。可能であれば、これらの時期を避けるだけで費用を抑えられます。また、平日や仏滅の日なども比較的安くなることがあります。
  • 荷物を徹底的に減らす: 引っ越し料金は荷物の量に大きく左右されます。これを機に不要品を思い切って処分し、荷物をできるだけ少なくしましょう。
  • 自分でできることは自分で行う: 荷造りや荷ほどきを自分で行うプランを選んだり、小さな荷物は自家用車で運んだりすることで、費用を節約できます。
  • 単身パックや混載便などを利用する: 単身者の場合や荷物が少ない場合は、単身者向けの割安なプランや、他の人の荷物と同じトラックで運ぶ混載便などを利用すると安くなることがあります。
  • 自治体の移住支援制度などを調べてみる(Uターン・Iターンなどの場合): 地域によっては、Uターン・Iターン就職者向けの引っ越し費用補助や移住支援金制度を設けている場合があります。該当する可能性があれば、移住先の自治体の情報を調べてみましょう。

引っ越し費用と確定申告(特定支出控除について)

自己負担した引っ越し費用の一部は、確定申告の際に「特定支出控除」の対象となる場合があります。これは、給与所得者が職務の遂行に直接必要な特定の支出をした場合に、その支出額が一定の基準を超えると所得控除を受けられる制度です。

ただし、この特定支出控除の適用を受けるためには、その支出が「職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者(会社)の証明があること」や、その年の特定支出の合計額が「給与所得控除額の2分の1(最高125万円)」を超えることなど、いくつかの厳しい条件があります。実際に控除を受けられるケースは限定的ですが、念のため知っておくと良いでしょう。詳しくは税理士や税務署にご相談ください。

まとめ:転職時の引っ越し費用は、企業によって対応が異なるため、事前の確認と、必要であれば誠実な交渉が重要。自己負担の場合も、工夫次第で費用を抑えることは可能。しっかりと準備して、新生活をスムーズにスタートさせよう。

転職に伴う引っ越し費用は、決して無視できない大きな出費です。会社がどこまで負担してくれるのかは、企業の規定や採用方針によって大きく異なるため、内定を得た段階で必ず詳細を確認しましょう。そして、もし交渉の余地があると感じたら、感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れずに、具体的な根拠を示しながら相談してみることが大切です。

もし自己負担となる場合でも、複数の業者を比較したり、荷物を減らしたりといった工夫をすることで、費用を賢く抑えることが可能です。しっかりと情報を集め、計画的に準備を進めて、気持ちよく新生活のスタートを切ってください。

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岩下隼人
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ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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