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転職と「ベースアップ」:知っておきたい給与の仕組みとキャリアへの影響

岩下隼人
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転職を考える際、給与や待遇は非常に重要な判断材料の一つです。「新しい会社ではどのくらいの給与が見込めるのだろうか」「将来的に給与は上がっていくのだろうか」といった点は、多くの方が関心を持つでしょう。その中で、「ベースアップ(ベア)」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。

この記事では、転職活動中や、新しい職場を選ぶ際に知っておきたい「ベースアップ」とは何か、定期昇給との違い、そしてそれが個人のキャリアや転職にどのような影響を与える可能性があるのかについて、分かりやすく解説します。

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「ベースアップ」とは?その基本的な意味と仕組み

「ベースアップ」とは、勤続年数や個人の業績評価とは関係なく、企業が従業員全体の基本給の水準を一律で引き上げることを指します。「ベア」と略して呼ばれることもあります。

ベースアップは、主に以下のような要因を背景に行われることが多いです。

  • 企業の業績向上: 会社全体の業績が好調で、利益を従業員に還元する目的。
  • 物価上昇への対応: 物価が上昇し、実質的な賃金が目減りするのを防ぎ、従業員の生活水準を維持・向上させる目的。
  • 人材の確保・定着: 他社との賃金格差を是正し、優秀な人材を確保したり、従業員の離職を防いだりする目的。
  • 労働組合との交渉(春闘など): 労働組合がある企業では、春季労使交渉(春闘)などの結果、ベースアップが実施されることがあります。

ベースアップの引き上げ幅は、「一律〇円」といった定額の場合もあれば、「基本給の〇%」といった定率の場合もあります。重要なのは、個人の評価とは別に、賃金表そのものが改定されるという点です。

「ベースアップ」と「定期昇給」の違い

ベースアップとよく似た言葉に「定期昇給」があります。これらは昇給の一形態ですが、意味合いが異なります。

特徴ベースアップ(ベア)定期昇給
対象者原則として全従業員(または特定の従業員層全体)が一律で昇給個々の従業員
昇給の根拠企業の業績、物価動向、社会情勢、労使交渉など個人の勤続年数、年齢、職務遂行能力、業績評価など
実施時期不定期(春闘の結果など、特定の時期に実施されることが多い)通常、年に1回または2回など、あらかじめ決められた時期に定期的に実施
昇給の確実性必ず実施されるとは限らない制度として導入されていれば、個人の評価等に大きな問題がなければ実施されることが多い
影響範囲企業全体の給与水準の底上げ個人の給与額の増加

つまり、**ベースアップは「全体の給与水準の引き上げ」**であり、**定期昇給は「個人の成長や貢献に応じた個別の昇給」**と理解すると分かりやすいでしょう。

なお、「賃上げ」という言葉は、ベースアップや定期昇給、あるいは賞与(ボーナス)の増額などを含めた、賃金を引き上げる取り組み全般を指す、より広範な言葉です。

転職活動における「ベースアップ」の捉え方と企業選びのポイント

転職活動中に、企業のベースアップの状況をどのように捉え、企業選びにどう活かせば良いのでしょうか。

1. 企業の給与体系と昇給制度の確認

  • 求人情報や面接での確認:
    • 応募企業の求人情報に、昇給制度について「定期昇給あり」「ベースアップ実績あり」といった記載があるか確認しましょう。
    • 面接の機会があれば(特に最終面接に近い段階やオファー面談など)、企業の昇給制度(定期昇給の頻度や基準、ベースアップの近年の実績や今後の見込みなど)について、失礼のない範囲で質問してみるのも一つの方法です。「社員の皆様のモチベーション向上や生活安定のために、どのような昇給制度を設けていらっしゃいますか?」といった聞き方が考えられます。
  • 企業の業績と安定性: ベースアップは企業の業績に左右される側面が大きいため、企業の財務状況や将来性、業界全体の動向などをリサーチすることも重要です。安定して成長している企業であれば、将来的なベースアップも期待できるかもしれません。

2. ベースアップの有無だけで判断しない

  • ベースアップの有無はあくまで要素の一つ: ベースアップが毎年必ず行われるとは限りませんし、その上げ幅も経済状況や企業業績によって変動します。ベースアップの有無だけで企業の良し悪しを判断するのは早計です。
  • 基本給の水準やその他の手当、賞与も重要: 入社時の基本給の額、各種手当(住宅手当、家族手当など)の有無、賞与の支給実績や計算方法といった、トータルな年収や待遇を総合的に見ることが大切です。
  • 定期昇給の仕組みも確認: ベースアップがなくても、個人の成果や勤続年数に応じて着実に昇給していく定期昇給制度がしっかりと運用されている企業もあります。

3. 入社時の給与交渉との関連

  • ベースアップは入社後の話: 転職時の給与交渉は、あくまであなた自身のスキルや経験、市場価値に基づいて、入社時の給与額を決定するものです。将来的なベースアップの可能性を交渉材料にすることは一般的ではありません。
  • 入社後の昇給を見据えた質問: ただし、「入社後、どのような成果を上げれば、どの程度の昇給が見込めるのか」といった、入社後の評価制度や昇給の仕組みについて質問することは、キャリアプランを考える上で有効です。

4. 業界全体の賃金動向も参考に

  • 同じ業界の他社の賃金動向や、業界全体のベースアップの傾向などを把握しておくことも、応募企業の給与水準を相対的に判断する上で参考になります。

転職後の「ベースアップ」の可能性と注意点

転職先の企業でベースアップが実施された場合、原則としてあなたもその対象となります(ただし、管理職は対象外とする企業や、入社時期によって初年度の対象とならない場合など、企業ごとの規定によります)。

注意点:

  • ベースアップは確約されたものではない: 企業の業績や経済状況によっては、ベースアップが見送られる年もあります。
  • 昇給率の重要性: ベースアップが行われる場合、昇給額だけでなく「昇給率(何%アップしたか)」にも注目しましょう。昇給率は、企業の成長性や従業員への還元姿勢を測る一つの指標となり得ます。
  • インフレとの関係: 物価が上昇している局面では、ベースアップが行われても、実質的な賃金がそれほど上がらない、あるいは目減りしてしまう可能性も考慮に入れる必要があります。

まとめ:ベースアップは魅力的な要素だが、総合的な判断を

転職において、企業の「ベースアップ」の実績や可能性は、将来的な収入増や生活の安定を考える上で魅力的な要素の一つです。しかし、それはあくまで給与体系の一部であり、確約されたものではありません。

大切なのは、ベースアップの有無だけに注目するのではなく、入社時の基本給、定期昇給制度、賞与、各種手当、福利厚生といったトータルな待遇、そして何よりも仕事内容へのやりがいや企業文化との適合性、自身のキャリアプランとの整合性などを総合的に考慮し、納得のいく企業を選ぶことです。

転職活動においては、企業の昇給制度について可能な範囲で情報収集し、自身のキャリアプランと照らし合わせながら、長期的な視点で判断するようにしましょう。この記事が、あなたがより良い条件で、かつ安心して長く働ける職場を見つけるための一助となれば幸いです。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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