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メタプラネットが「赤字」の理由は?決算書の数字に隠された会計の仕組み

岩下隼人
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メタプラネットの株価やニュースを追っていると、決算発表の時期に「最終赤字」や「赤字転落」といった言葉を目にすることがあります。

「あれだけ注目されているのに、会社は儲かっていないの?」

「赤字の会社の株なんて、持っていても大丈夫なんだろうか?」

株式投資の初心者にとって、「赤字」という言葉は非常にネガティブで、不安を煽るものです。しかし、メタプラネットの「赤字」については、その言葉の意味を正しく理解する必要があります。なぜなら、メタプラネットの赤字は、一般的な会社の赤字とは、その性質が全く異なるからです。

この記事では、その決算書の数字に隠された「会計のカラクリ」を、初心者にも分かりやすく解説します。

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結論:メタプラネットの「赤字」は、普通の会社の赤字とは意味が違う

まず、結論からお伝えします。

一般的な会社(例えばメーカーや小売業)が赤字になるのは、多くの場合「売上よりも、人件費や材料費などの経費の方が大きくなってしまった」状態を指します。これは、ビジネスそのものが上手くいっていない危険なサインです。

一方で、メタプラネットの決算が赤字になる主な原因は、**保有しているビットコインの「評価損」**です。これは、実際に現金が減ったことを意味するのではなく、**会計ルール上の「帳簿上の損失」**に過ぎない場合がほとんどです。

なぜ?カギを握る「暗号資産の会計ルール」

この現象を理解するカギは、企業が暗号資産を保有する場合の、日本の会計ルールにあります。

【会計ルール(簡略版)】

企業は、決算期の最終日(四半期ごとなので3ヶ月に一度)の時点で、保有しているビットコインの価値を時価で評価し直さなければなりません。

そして、その決算日のビットコイン価格が、以前に購入した時の価格(簿価)よりも低かった場合、その差額を「評価損」として、決算書に損失(赤字)として計上する義務があるのです。

たとえ話で考えてみよう

あなたが1枚1000万円でビットコインを買ったとします。これがあなたの「取得価格(簿価)」です。

3ヶ月後の決算日、ビットコインの価格が900万円に値下がりしていました。この場合、あなたは会計上、「100万円の評価損(赤字)が出た」と記録しなければなりません。

重要なのは、あなたはまだビットコインを売っていないということです。実際に100万円を損したわけではありません。これはあくまで、決算日という「特定の瞬間を切り取った」時点での、帳簿上の数字に過ぎないのです。

もし、その翌日にビットコイン価格が1100万円に回復したとしても、決算書に記録された「赤字」の事実は変わりません。これが、メタプラネットの「赤字」の正体です。

「評価損益」と「事業の損益」は分けて考えよう

決算書を見るときは、「赤字」という最終的な結果だけを見るのではなく、その内訳を見ることが重要です。

  • 営業利益: 会社が本来の事業活動で得た利益。メタプラネットの場合、この部分は比較的小さいです。
  • 営業外損益・特別損益: ここに、ビットコインの「評価損」や「評価益」が計上されます。

メタプラネットの決算書で大きな赤字が出ている場合、その原因が「営業利益」の赤字なのか、それとも「評価損」によるものなのかを確認しましょう。後者であれば、それはビジネスの失敗ではなく、あくまで決算日時点でのビットコイン価格の下落を反映したものである可能性が高いです。

では、この「赤字」を投資家はどう見ればいいのか?

この会計の仕組みを理解すると、メタプラネットの決算に対する見方が変わってきます。

  1. 「赤字」という見出しだけで慌てないニュースの見出しで「メタプラネット、赤字転落」と見ても、「ああ、これは決算日のビットコイン価格が下がったことによる、会計上の評価損だな」と冷静に受け止めることができます。
  2. 損益計算書より、貸借対照表(保有BTC量)を見る四半期ごとの損益(PL)よりも、同社がどれだけのビットコインを保有しているか(BS/バランスシートの資産の部)の方が、企業価値を測る上でより重要かもしれません。会社がビットコインを買い増しているかどうかに注目するのも一つの手です。
  3. 重要なのはビットコイン価格の長期トレンド結局のところ、メタプラネットの企業価値は、決算日という一時点の価格ではなく、ビットコイン価格の長期的なトレンドによって決まります。短期的な会計上の赤字に惑わされず、ビットコインの将来性をどう考えるかが、投資判断の根幹となります。

まとめ

メタプラネットの「赤字」は、多くの場合、ビジネスの不振を示すものではなく、**会計ルールによって計上される、保有ビットコインの「帳簿上の損失(評価損)」**です。

これは、同社がいかに特殊なビジネスモデルを持つ企業であるかを示す好例です。決算書を読む際は、「赤字」という言葉の表面的な意味に惑わされず、その裏側にある会計の仕組みを理解することで、より本質的な企業価値の分析が可能になるでしょう。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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