未経験から事務職へ転職！仕事内容から成功の秘訣、キャリアパスまで解説

「安定した環境で、腰を据えて働きたい」

「誰かをサポートする仕事に、大きなやりがいを感じる」

「これまでの経験を活かして、オフィスワークに挑戦してみたい」

そんな思いから、多くの人がキャリアの選択肢として考える「事務職」。未経験からでも挑戦しやすいというイメージがある一方で、「PCスキルに自信がないけど、大丈夫だろうか」「自分にもできるだろうか」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えします。事務職は、未経験者に広く門戸が開かれている職種です。専門的な知識やスキル以上に、あなたの「気配り」や「正確性」、そしてこれまでの社会人経験で培われたコミュニケーション能力が、何よりも評価される世界なのです。

この記事では、未経験から事務職への転職を成功させるための、リアルな仕事内容から、具体的なアピール術、そしてその後のキャリアパスまで、その全てを徹底的に解説します。

なぜ事務職は、未経験からでも挑戦しやすいのか？

数ある職種の中でも、事務職が未経験者を歓迎する求人が多いのには、明確な理由があります。

• 1. ポテンシャルが重視されるから事務職の採用では、特定の専門知識よりも、基本的なPCスキル、円滑なコミュニケーション能力、そして何よりも仕事に対する真面目さや誠実さといった、その人の持つ「人柄」やポテンシャルが重視される傾向にあります。
• 2. どの会社にも存在する普遍的な職種だから会社の規模や業界を問わず、事務職は、組織を円滑に運営するために必ず必要とされる部署です。そのため、求人数が景気に左右されにくく、常に安定しています。
• 3. 異業種の経験が、思わぬ形で活きるからあなたが前職で培ってきたスキルは、必ず事務職の仕事で活かせます。例えば、営業職で培った調整能力や、接客業で培ったホスピタリティ精神は、社内外の多くの人と関わる事務職において、大きな強みとなります。
• 4. OJT（実務を通じた教育）が基本だから多くの企業では、業務がマニュアル化・標準化されており、入社後に先輩社員の指導を受けながら、実務を通じて仕事を覚える（OJT）体制が整っています。そのため、未経験からでも安心してスタートできるのです。

事務職の仕事とは？知っておきたい主な種類と役割

「事務職」と一言で言っても、その役割は様々です。あなたに合った仕事を見つけることが、長く活躍するための第一歩です。

• 一般事務
  • 仕事内容: 電話・来客対応、郵便物の管理、データ入力、ファイリング、備品管理など、特定の部署に属さず、会社全体の庶務を幅広く担当します。まさに、会社の「縁の下の力持ち」です。
  • 特徴: 事務職の基本となる業務を幅広く経験できるため、未経験者が最初に目指すのに最適な職種です。
• 営業事務
  • 仕事内容: 営業担当者のサポート役が中心です。お客様に提出する見積書や請求書の作成、商品の受発注管理、納期調整、顧客からの電話対応など、営業活動がスムーズに進むための、あらゆる後方支援を行います。
  • 特徴: 営業担当者や顧客と密に連携するため、高いコミュニケーション能力が求められます。
• 経理事務
  • 仕事内容: 会社のお金の管理を専門に担当します。日々の伝票の起票・整理、経費精算、入出金管理などが主な業務です。
  • 特徴: 数字への正確性と、責任感が何よりも求められます。後述する日商簿記の資格があると、転職で非常に有利になります。
• 人事事務
  • 仕事内容: 会社の「人」に関わる事務全般を担います。新入社員の入社手続き、従業員の社会保険の手続き、勤怠管理、給与計算の補助など、その業務は多岐にわたります。

事務職に向いている人の特徴【適性チェック】

1. 誰かをサポートすることに喜びを感じる: 自分の仕事によって、同僚から「ありがとう」「助かったよ」と言われることに、何よりもやりがいを感じる人。
2. コツコツとした地道な作業が得意: 華やかさはありませんが、正確さが求められる作業を、集中力を切らさずに、粘り強く続けることができる人。
3. 高いコミュニケーション能力と調整力: 社内の様々な部署の社員や、時には社外の人と、円滑にやり取りができる人。
4. 基本的なPCスキルを持っている: Wordでの文書作成、Excelでの簡単な表計算やグラフ作成といったスキルは、必須となります。

未経験からの転職を有利にするスキルと資格

必須ではありませんが、以下のスキルや資格があれば、あなたの市場価値は大きく上がり、転職活動を有利に進めることができます。

• PCスキル:
  • Excel: SUMやAVERAGEといった基本的な関数に加え、VLOOKUP関数、IF関数、ピボットテーブルといった機能が使えると、他の未経験者と大きな差をつけることができます。
  • MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）: 上記のPCスキルを客観的に証明できる、最も分かりやすい国際資格です。
• 専門知識を証明する資格:
  • 日商簿記検定（3級以上）: 経理事務を目指すなら、ほぼ必須とも言える資格です。2級を持っていれば、さらに高く評価されます。
  • 秘書検定: 正しい敬語の使い方やビジネスマナー、上司をサポートするための気配りのスキルを証明でき、あらゆる事務職でアピールできます。
  • TOEIC（600点以上）: 英文事務や貿易事務、外資系企業などを目指す場合には、英語力が大きな武器になります。

未経験者が事務職の選考を突破するためのアピール術

志望動機の作り方

「なぜ、数ある仕事の中でも事務職なのか」を、あなた自身の経験や適性と結びつけて語りましょう。

例: 「前職の販売職では、お客様に喜んでいただくことにやりがいを感じていました。その経験から、今度は最前線で活躍する社員の方々を、正確な事務処理能力と、先回りした気配りで支える仕事に、より大きな魅力を感じるようになりました。」

自己PRのポイント

前職の経験を、事務職で求められるスキルに「変換」してアピールすることが重要です。

• 営業職の経験: 「PCでの高いレベルの資料作成能力」「目標達成のためのスケジュール管理能力」
• 接客業の経験: 「多様なお客様の要望に、臨機応変に対応する力」「クレーム対応で培ったストレス耐性」
• 資格取得など、具体的な努力: 「事務職に就くという目標のため、〇〇の資格を取得しました」という行動は、あなたの本気度を伝える何よりの証拠です。

事務職のキャリアパスとやりがい

事務職の最大のやりがいは、自分の仕事が、会社の円滑な運営と、同僚の働きやすさに直接繋がっていると実感できることです。多くの社員から「ありがとう」と感謝される機会も多くあります。

キャリアパスとしては、一般事務から、経理・人事・法務といった専門事務のスペシャリストを目指す道や、経験を積んで、事務部門全体をまとめるリーダーやマネージャーを目指す道など、多様な可能性が拓けています。

まとめ：あなたの「サポート力」が、会社の力になる

事務職は、決して「誰でもできる簡単な仕事」ではありません。それは、会社の活動を、縁の下から、そして根底から支える、誇り高い専門職です。

未経験であっても、あなたが持つ「気配り」や「正確性」、そして「誰かの役に立ちたい」という温かい想いを武器にすれば、多くの人から頼られ、感謝される、やりがいに満ちたキャリアを築くことは、必ずできます。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。