電験三種があれば未経験でも転職可能！仕事内容・年収・成功への道筋

何ヶ月、あるいは何年もの間、地道な努力を重ねて、難関国家資格である「電験三種（第三種電気主任技術者）」の合格を勝ち取ったあなた。あるいは、今まさにその合格を目指して、日々学習に励んでいるあなた。その手の中にある（あるいは、これから手にする）資格は、あなたのキャリアを大きく切り拓く、非常に強力な武器です。

しかし、その一方で、こんな不安を抱えてはいませんか？

「せっかく資格を取った（取る）けれど、実務経験が全くない自分を、本当に採用してくれる会社なんてあるんだろうか？」

「この資格で、本当に安定したキャリアを築けるのだろうか？」

結論からお伝えします。

安心してください。電験三種は、電気業界における『金のパスポート』です。深刻な人材不足を背景に、実務未経験であっても、その資格を持つあなたを求める企業は数多く存在します。 年齢に関わらず、ここから電気の専門家としての新しいキャリアをスタートさせることが、十分に可能なのです。

この記事では、電験三種の資格を武器に、未経験から転職を成功させるための、具体的な仕事内容から成功への道筋までを詳しく解説します。

なぜ「電験三種」は、未経験でも転職市場で“最強”なのか？

数ある国家資格の中でも、なぜ電験三種は特に「転職に強い」と言われるのでしょうか。そこには、法律と社会が背景にある、明確な理由があります。

1. 法律で定められた「必置資格」だから電気事業法では、ビル、工場、商業施設、病院といった、一定規模以上の電気設備（自家用電気工作物）には、その保安・監督を行う「電気主任技術者」を選任することが義務付けられています。つまり、資格者がいなければ、施設の電気を使うことさえできないのです。そのため、常に安定した需要があり、求人がなくなることはありません。
2. 深刻な技術者不足と、担い手の高齢化日本の産業を支えてきた電気主任技術者の多くが高齢化し、次世代への技術継承が大きな課題となっています。そのため、業界全体が、若手はもちろん、異業種から挑戦する意欲ある人材にも、大きな期待を寄せているのです。
3. 高い専門性と、努力の証明合格率が10%前後という難関資格である電験三種。その資格を持っているというだけで、あなたは、高い学習意欲、目標達成への忍耐力、そして電気に関する確かな基礎知識を持っていることの、何よりの証明になります。企業がその価値を高く評価するのは、当然のことなのです。

電験三種の仕事とは？未経験からのキャリアスタート

未経験からこの世界に飛び込む場合、その多くは、電気設備の「保安・管理」業務からキャリアをスタートします。

主な仕事内容

• 月次・年次点検: 電気設備が正常に、そして安全に作動しているか、月に一度、年に一度といったサイクルで、専用の測定器などを使って点検し、その結果を記録・報告します。
• 日常巡視・監視: 担当する施設を定期的に巡回し、設備に異音や異臭、異常な発熱などがないかを、五感を使って確認します。
• 緊急時対応: 停電などのトラブルが発生した際に、現場に駆けつけ、原因を究明し、復旧作業の指揮をとります。まさに、電気主任技術者の腕の見せ所です。
• 改修・更新計画の立案: 古くなった設備の更新や、省エネのための改修計画などを、専門家の視点から施設のオーナーや上司に提案します。

未経験者が活躍しやすいフィールド

• ビルメンテナンス会社: オフィスビルや商業施設など、様々な種類の建物の設備管理を請け負います。多様な設備に触れることができ、経験を積むのに最適な環境です。
• 工場の設備管理部門: 自社の工場の電気設備を専門に担当します。比較的、勤務時間などが安定しやすい傾向にあります。
• 再生可能エネルギー関連施設: 太陽光発電所や風力発電所など、今後ますます需要が高まる成長分野です。

年齢別の転職戦略｜20代・30代・40代以降のアピール方法

電験三種の転職は、年齢を問わずチャンスがあります。大切なのは、あなたの年代ならではの強みをアピールすることです。

• 20代～30代前半の方:「若さ」と「これからの伸びしろ（ポテンシャル）」が最大の武器です。「多くのことを素直に吸収し、一日も早く一人前になって、長期的に会社に貢献したい」という、フレッシュな意欲を伝えましょう。
• 30代後半～40代の方:これまでの社会人経験で培った**「ポータブルスキル」**をアピールしましょう。「前職で培ったコミュニケーション能力を活かし、協力会社やテナント様と円滑に連携できます」「リーダーとしてチームをまとめた経験を活かし、将来的には現場のマネジメントにも貢献したい」など、経験に裏打ちされた説得力が強みになります。
• 50代以降の方:豊富な人生経験からくる**「責任感」と「誠実さ」、そして「高い安全意識」**をアピールしましょう。「これまでの経験を活かし、何よりも安全を第一に、真摯に業務に取り組みます」という姿勢が、企業に大きな安心感を与えます。

転職前に知っておきたい「やりがい」と「現実」

やりがい

• 電気という社会に不可欠なインフラを、自分の手で支えているという大きな使命感
• 「電気のプロ」として、様々な人から頼られ、感謝される
• 一度身につけた知識と資格は、年齢に関係なく、一生涯あなたのキャリアを支える財産になる

現実（覚悟すべきこと）

• 責任の重さ: あなたの判断一つが、施設の安全、ひいては人命に関わることも。常に大きな責任が伴います。
• 緊急対応と不規則な勤務: 24時間365日、いつ発生するかわからないトラブルに対応するため、深夜や休日の緊急呼び出しが発生することがあります。
• 地道な点検作業: 日々の業務は、同じ設備の数値を定期的にチェックするといった、地道で根気のいる作業が多くを占めます。

転職成功へのロードマップ！未経験からの一歩

Step1：資格取得（または学習中）を前提に行動する

何よりもまず、資格がなければ始まりません。学習中であれば、その進捗状況（例：「現在、理論と電力の2科目に合格しており、来年は機械の合格を目指しています」など）を面接で具体的に伝えることが、強いアピールになります。

Step2：志望動機で「なぜ電気主任技術者なのか」を語る

「資格を取ったから」というだけでなく、「前職の〇〇で、社会インフラを支える仕事の重要性を痛感しました。今度は自分が、全ての産業の基盤である『電気』を支える専門家になりたい」など、具体的な原体験と結びつけて語りましょう。

Step3：設備管理・インフラ業界に強い転職エージェントに相談する

この専門性の高い分野への転職は、プロのサポートが成功の鍵を握ります。

• 未経験者歓迎の「優良企業」を紹介してくれます: 教育体制が整っており、未経験者を大切に育てる文化のある企業の非公開求人を紹介してくれます。
• あなたの経歴を「強み」に翻訳してくれます: 異業種での経験の中から、「責任感」「調整力」「真面目さ」といった、この仕事で高く評価される強みを発掘し、効果的なアピール方法を指導してくれます。
• リアルな働き方を教えてくれます: 求人票だけではわからない、実際の残業時間や、緊急対応の頻度、職場の雰囲気といった内部情報を提供し、入社後のミスマッチを防ぎます。

まとめ：その資格は、あなたのキャリアを照らす一生の光

電験三種は、年齢やこれまでの経歴に関係なく、安定した専門職への扉を開いてくれる、極めて価値の高い資格です。

大切なのは、資格取得という素晴らしい努力に加え、社会のインフラを支えるという強い責任感を持ち、誠実に仕事に向き合う覚悟があること。その価値ある資格を、後悔のない、最高のキャリアに繋げるためのパートナーとして。まずは設備管理やインフラ業界に精通した転職エージェントに、あなたの想いや希望を話してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。