20代「未経験」からの転職：可能性を拓き、新しいキャリアを掴む方法
岩下隼人
ロイヤル合同会社
【面接対策】営業から事務への転職理由、好印象を与える伝え方と例文集
岩下隼人
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顧客との最前線で目標達成に向けて力を尽くす営業職から、組織を内側から支える事務職へ――。キャリアを見つめ直し、新たな働き方を模索する中で、このようなキャリアチェンジを考える方は少なくありません。営業経験で培われたコミュニケーション能力や目標達成への意欲は、事務の仕事でも大きな強みとなり得ます。しかし、転職活動の山場である「面接」において、採用担当者に納得してもらい、かつ好印象を与える「転職理由」を伝えるのは、簡単なことではありません。
「なぜ営業から事務へ？」「営業の経験をどう活かせるの？」「本当にうちの会社で事務として頑張ってくれるの？」面接官は、あなたの言葉から様々なことを見極めようとしています。この記事では、営業職から事務職への転職を目指す方に向けて、面接官に響く効果的な転職理由の考え方、伝え方のポイント、そして具体的なケース別の例文を交えながら詳しく解説します。あなたの新しいキャリアへの扉を開くためのヒントが、きっと見つかるはずです。
Contents
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面接官は営業からの転職理由で何を見ている？
まず、採用担当者が営業職から事務職への転職を希望する応募者の「転職理由」から、どのような点を確認しようとしているのかを理解しておくことが大切です。
- 事務職への本気度と適性: 単に「営業が合わなかったから」という消極的な理由ではなく、事務職の仕事内容を正しく理解し、その上で事務職として働きたいという強い意志があるか、そして適性があるかを見ています。
- ストレス耐性、継続力、課題解決能力: 営業職は目標達成へのプレッシャーや困難な状況も多い仕事です。そうした経験の中で、どのようにストレスに対処し、粘り強く課題解決に取り組んできたのか、そしてその経験が新しい環境でも活かせるかを見極めようとします。
- 営業経験を事務職でどう活かせるかという具体的なビジョン: 営業で培ったスキルや知識を、具体的に事務のどのような業務に活かし、貢献できると考えているのか、そのビジョンが明確であるかを確認します。
- 企業文化への適合性、チームワークへの意識: 事務職は他部署との連携やサポートが重要な役割です。新しい組織文化に馴染み、チームの一員として円滑に業務を進められるかを見ています。
- 長期的なキャリアプランと定着性: 今回の転職が、応募者の長期的なキャリアプランの中でどのような意味を持つのか、そして入社後に「やはり営業の方が良かった」と早期に離職してしまうリスクがないかを確認しています。
これらの点を踏まえ、面接官に「この人なら安心して事務の仕事を任せられる」「自社に貢献してくれる」と感じてもらえるような、前向きで説得力のある転職理由を準備することが重要です。
面接で語るべき！営業経験を事務職で活かせる強み（転職理由の根拠）
「営業と事務では仕事内容が違うから、アピールできる強みがないのでは…」と考える必要はありません。営業活動を通じて培われた多くのスキルは、事務職においても非常に価値のあるものです。面接で転職理由を語る際には、これらの強みを具体的なエピソードとともに、事務職の業務にどう結びつくのかを意識して伝えましょう。
- 高いコミュニケーション能力と折衝力: 多様なお客様と日々接し、信頼関係を築き、時には難しい要望にも応えてきた経験は、社内外との円滑なコミュニケーションや調整業務に不可欠な能力として高く評価されます。
- 目標達成意欲と主体性: 営業目標達成に向けて、自ら考え行動し、粘り強く取り組んできた経験は、事務業務の効率化や改善提案、そして主体的に仕事に取り組む姿勢としてアピールできます。
- PCスキルと資料作成能力: 顧客への提案資料作成（PowerPoint）、顧客リストの管理や売上データの分析（Excel）、日報や報告書の作成（Word）など、営業活動で日常的にPCを駆使してきたスキルは、事務職の基本スキルとして即戦力となります。
- 顧客対応力とビジネスマナー: 顧客との最前線で培われた、高いレベルのビジネスマナーや丁寧な言葉遣い、そして時にはクレームにも冷静に対応する力は、企業の窓口としての役割も担う事務職にとって重要な資質です。
- スケジュール管理能力と段取り力: 多数の顧客訪問やアポイントメント、資料作成の締め切りなど、複数のタスクを効率的に管理し、計画的に業務を進めてきた経験は、多岐にわたる事務業務を円滑に処理する上で役立ちます。
これらの強みを、応募する事務職の具体的な業務内容と照らし合わせ、「私はこのように貢献できます」と具体的に語ることが、面接官に響く転職理由の根幹となります。
【面接でそのまま使える！】営業から事務への転職理由・伝え方と例文
では、具体的に面接でどのように転職理由を伝えれば良いのでしょうか。ここでは、PREP法（Point：結論 → Reason：理由 → Example：具体例 → Point：結論）を意識した、簡潔かつ具体的な伝え方と、いくつかのケース別の例文をご紹介します。
ポイント：PREP法で、簡潔かつ具体的に話す
面接での説明は、まず結論から述べ、次にその理由、そして具体的なエピソードを交え、最後に再度結論や貢献意欲を伝えるという構成（PREP法）を意識すると、分かりやすく説得力が増します。
ケース1：営業でのサポート経験を活かしたい
例文（面接口調で）：
「私が営業職から事務職へのキャリアチェンジを希望いたしますのは、営業活動をサポートする中で、チーム全体の成果に貢献することに大きなやりがいと適性を感じたためです。前職では、営業担当として顧客への提案活動に注力する傍ら、チーム内の見積書作成や契約書管理、そして顧客データの分析といった事務的なサポート業務も積極的に担っておりました。例えば、ある大型案件の際には、過去の類似案件のデータを分析し、営業担当者と連携して最適な提案資料の作成をサポートした結果、無事受注に繋がり、チーム目標の達成に貢献できたという経験がございます。この経験から、今後はより専門的に組織を内側から支える事務の立場で、これまでの営業経験で培った顧客視点やコミュニケーション能力、そしてPCスキルを最大限に活かし、貴社の円滑な事業運営と営業部門のさらなる発展に貢献したいと強く考えております。」
面接でのポイント：
- 営業活動の中で、具体的にどのような事務的サポート業務に関わり、どのような成果に繋がったのか、具体的なエピソードを交えて語りましょう。
- 単に「サポートが好き」というだけでなく、そのサポートがどのようにチームや会社の業績に貢献したのかを示すことで、あなたの価値をより明確に伝えられます。
- 営業経験があるからこそ理解できる「営業担当者が本当に求めるサポート」を提供できるという点をアピールするのも効果的です。
ケース2：コミュニケーション能力と調整力を活かしたい
例文（面接口調で）：
「営業として〇年間、多様な業種・規模のお客様と日々接する中で、相手の立場やニーズを的確に汲み取り、信頼関係を構築することの重要性を深く学んでまいりました。また、お客様のご要望と社内リソースとの間で、粘り強く調整を行い、双方にとって最善の解決策を見つけ出すことにも注力してまいりました。この経験で培った傾聴力、提案力、そして社内外の関係者との円滑な調整力を、今後は事務職として、より組織全体の調和と業務効率の向上に活かしたいと考えております。特に貴社の〇〇（企業の理念や大切にしている価値観など）という点に強く共感しており、チームの一員として、円滑なコミュニケーションを通じて貢献できることを楽しみにしております。」
面接でのポイント：
- 営業で培った高度なコミュニケーション能力や折衝・調整力が、事務職のどのような場面（例：電話応対、来客対応、部署間の連携、クレーム対応など）で具体的に活かせるのかを明確に示しましょう。
- 応募先の企業の理念や社風、顧客に対する姿勢などを事前に理解し、それと自身のコミュニケーションに対する考え方や経験を結びつけて語ると、より共感を得やすくなります。
ケース3：ワークライフバランスを整え、長期的に貢献したい（ポジティブな表現で）
例文（面接口調で）：
「営業職として、目標達成に向けて情熱を持って取り組んでまいりました。その中で、自身のキャリアを長期的な視点で見つめ直した際に、より腰を据えて専門性を高め、安定的に組織に貢献できる働き方に強い魅力を感じるようになりました。営業活動を通じて日常的に活用してきたExcelでのデータ集計やPowerPointでの資料作成といったPCスキル、そして何よりもお客様のニーズを的確に把握し、丁寧に対応する力は、事務業務においても必ず活かせると確信しております。貴社のような〇〇（企業の安定性や働きやすさに関する魅力、例えば、社員の定着率の高さや研修制度の充実など）という環境で、これまでの経験を土台としながら、組織運営を縁の下からしっかりと支える事務職として、長期的に貢献していきたいと強く考えております。」
面接でのポイント：
- 「残業が嫌だから」「ノルマから逃れたいから」といったネガティブな印象を与えないよう、細心の注意が必要です。「ワークライフバランス」という言葉を直接的に使う場合は、それが自己成長や長期的な貢献意欲に繋がるという前向きな文脈で語ることが重要です。
- これまでの営業経験で得たスキルを具体的に挙げ、それが事務職でどのように活かせるのか、そして「長期的に貢献したい」という強い意志を明確に伝えましょう。
- 応募先の企業が、働きやすさや社員の長期的なキャリア形成を重視している場合に、より効果的な伝え方となります。
ケース4：事務スキルを専門的に高めたい
例文（面接口調で）：
「営業としてお客様と接する中で、見積書作成の正確性や契約書管理の重要性、そして売上データの適切な分析が、営業活動全体の成果に大きく影響することを日々実感しておりました。その経験から、これまで営業サポートの一環として培ってきたPCスキルや書類作成能力を、より専門的な事務職として深め、企業の基盤を支える業務に貢献したいという思いが一段と強くなりました。特に貴社の〇〇（応募企業の事業内容や、興味を持った事務部門の具体的な役割など）という分野に強い関心を持っており、営業で培った顧客視点や市場への理解も活かしながら、精度の高い事務業務を通じて貴社のさらなる発展に貢献したいと考えております。」
面接でのポイント：
- 営業経験の中で、事務作業の重要性や効率化の必要性をどのように認識したのか、具体的なエピソードを交えて説明すると説得力が増します。
- どのような事務スキルを専門的に高めたいのか（例：経理、人事、貿易など）、そしてそれが応募先の企業でどのように活かせると考えているのかを明確に伝えることが大切です。
- 自己学習や資格取得など、スキルアップへの具体的な取り組みがあれば、積極的にアピールしましょう。
面接で「営業から事務への転職理由」を伝える際のNG例と注意点
面接官にマイナスの印象を与えてしまう可能性のある、避けるべき転職理由の伝え方にも注意が必要です。
- 営業職への不満や愚痴を前面に出す: 「ノルマがきつくて」「外回りが体力的に限界で」「上司とそりが合わなくて」など、前職の悪口や不満が中心になると、他責的で環境適応能力が低い、あるいはストレス耐性がないと見なされてしまいます。
- 「楽そうだから」「残業がなさそうだから」といった安易な動機を口にする: 事務職の仕事を軽視している、あるいは仕事への意欲が低いという印象を与えてしまいます。事務職にも責任と専門性が求められることを理解していないと判断されます。
- 事務職の仕事を理解していないような発言: 「誰でもできそうだから」「座ってできる簡単な仕事だと思ったから」といった発言は、事務職の役割や重要性を全く理解していないことの表れであり、論外です。
- 志望動機や自己PRと転職理由に一貫性がない: なぜ事務職なのか、なぜその企業なのか、そして自分の強みがどう活かせるのか、これらの話に一貫性がないと、説得力に欠け、場当たり的な転職ではないかと疑われてしまいます。
- 具体的なエピソードがなく、話に説得力がない: 抽象的な言葉ばかりで、自身の経験やスキルがどのように活かせるのかが具体的に語られていないと、準備不足と見なされ、熱意も伝わりません。
- 受け身の姿勢や他責的な言葉遣い: 「〇〇させてもらえなかったから」「もっと良い環境で教えてもらいたかったから」といった他責的な表現は避け、自身の行動や考え方を主体的に語るようにしましょう。
面接官をさらに惹きつける！転職理由＋αのアピール
作成した転職理由を、さらに採用担当者の心に響かせ、他の応募者と差をつけるための工夫も大切です。
- 企業理念や事業内容への共感を具体的に示す: 企業研究を徹底し、その企業の理念やビジョン、あるいは具体的な事業内容や社会貢献活動などに共感する点を具体的に述べ、その上で自分がどのように貢献したいかを伝えましょう。
- 事務職としてどのように貢献できるか、入社後の具体的なイメージを伝える: 入社後、どのような場面で、どのように自分のスキルや経験を活かして力を発揮していきたいのか、具体的な業務をイメージしながら語ることで、入社意欲の高さと貢献への期待感を高めることができます。
- 前向きな言葉を選び、ハキハキとした態度で熱意を伝える: ポジティブな言葉遣いを心がけ、自信のある態度と明るい表情で、仕事に対する真摯な姿勢と熱意を伝えましょう。
- 逆質問を効果的に活用し、入社意欲を示す: 面接の最後には、必ずと言っていいほど逆質問の機会があります。企業の事業戦略や、配属予定部署の具体的な業務内容、入社までに勉強しておくべきことなど、前向きで具体的な質問をすることで、あなたの企業への関心の高さと入社意欲を強くアピールできます。
まとめ
営業職から事務職への転職面接において、「転職理由」は、あなたのこれまでの経験という「武器」を、新しいフィールドでどのように活かせるのか、そして新しいキャリアへの熱意と適性を伝えるための、まさに絶好の機会です。
大切なのは、ネガティブな理由から逃避するのではなく、「なぜ事務職なのか」「事務職として何をしたいのか」という前向きな動機を明確にし、営業で培ったコミュニケーション能力や目標達成意欲、PCスキルといった強みが、応募先の事務職でどのように貢献できるのかを、あなた自身の言葉で、誠実かつ具体的に伝えることです。
この記事でご紹介した例文やポイントを参考に、自信を持って面接に臨み、理想のキャリアを実現してください。あなたの新しい一歩を心から応援しています。
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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。