事務職への転職、資格は有利？役立つ資格と効果的なアピール方法を解説

「事務職への転職を考えているけれど、何か資格を持っていた方が有利なのかな？」「どんな資格が実際の業務や転職活動で役立つのだろう？」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。事務職は人気のある職種の一つであり、多くの企業で必要とされる存在です。

この記事では、事務職への転職において資格がどのように役立つのか、具体的なおすすめの資格、そして取得した資格を転職活動で効果的にアピールする方法について、分かりやすく解説します。

事務職の転職で資格は本当に必要？その効果とは

まず、事務職への転職において、資格が「必須」とされるケースはそれほど多くありません。企業によっては、資格よりも実務経験やコミュニケーション能力、人柄といった点を重視する場合も多々あります。

しかし、資格を持っていることには以下のような明確なメリットがあり、転職活動を有利に進める上で役立つ可能性があります。

• スキルの客観的な証明: 資格は、あなたが特定の知識やスキルを保有していることを客観的に示すことができます。特に未経験から事務職を目指す場合や、これまでの経験を裏付けるものが欲しい場合に有効です。
• 学習意欲のアピール: 資格取得に向けて努力した姿勢は、あなたの学習意欲や向上心の高さを採用担当者に伝える良い材料となります。
• 自信につながる: 資格を取得することで、自身のスキルに対する自信が深まり、面接などでも堂々と自己PRができるようになるでしょう。
• 専門性の高い事務職では有利に: 経理事務や貿易事務、医療事務など、専門的な知識が求められる分野では、関連する資格が採用の決め手の一つとなることもあります。

一方で、資格を持っているだけで必ず採用されるわけではありません。実務経験やPCスキル、コミュニケーション能力といった他の要素も総合的に評価されることを理解しておきましょう。資格取得を検討する際は、「なぜその資格が必要なのか」「その資格を仕事でどのように活かしたいのか」といった目的意識を持つことが非常に重要です。

事務職転職で強みになる！おすすめ資格を紹介

ここでは、事務職への転職で一般的に評価されやすく、また特定の業務で役立つ可能性のある資格を分野別に紹介します。

PCスキル関連

現代の事務業務において、PCスキルは不可欠です。客観的にスキルを証明できる資格は、採用担当者に安心感を与えます。

• MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）: Word、Excel、PowerPointといったマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する国際資格です。特にExcelのスキル（関数、グラフ作成、データ集計など）は多くの企業で重視されるため、取得しておくと実務能力をアピールしやすいでしょう。
• 日商PC検定: 日本商工会議所が実施する検定で、ビジネス文書作成能力やデータ活用能力など、企業実務におけるIT活用能力を測ります。レベルに応じて実践的なスキルが身につきます。
• ITパスポート試験: ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。情報セキュリティや情報倫理、経営戦略など、IT社会で働く上で必要な知識を幅広く学べます。

ビジネススキル・マナー関連

事務職は社内外の多くの人と接する機会が多いため、基本的なビジネスマナーやコミュニケーション能力が求められます。

• 秘書技能検定: 秘書業務に必要な知識や技能だけでなく、ビジネスマナー、敬語の使い方、電話応対、来客対応、文書作成といった社会人としての基本的な対人対応能力なども測る検定です。事務職全般で役立つ内容が多く含まれています。
• ビジネス実務マナー検定: ビジネスシーンにおける適切なマナーやコミュニケーション能力、判断力を評価する検定です。社会人としての基礎力を示すのに役立ちます。
• ビジネス文書検定: 正確で分かりやすいビジネス文書（社内文書、社外文書、メールなど）を作成する能力を測る検定です。日常業務での文書作成スキルをアピールできます。

経理・会計関連

経理事務や会計関連の事務職を目指す場合に特に有利となる資格です。

• 日商簿記検定（特に2級以上）: 企業の経理業務に不可欠な簿記の知識を証明する代表的な資格です。一般的に、ビジネスシーンでは2級以上の知識が評価されることが多いです。3級は基礎知識として、未経験者がまず目指すのに適しています。
• 全経簿記能力検定: 全国経理教育協会が主催する簿記検定で、日商簿記と同様に実務に即した内容が特徴です。

語学関連

外資系企業や海外との取引がある企業、グローバルに事業展開している企業では、語学力が求められることがあります。

• TOEIC® Listening & Reading Test: ビジネスシーンにおける英語のコミュニケーション能力を測るテストとして広く認知されています。一定以上のスコアは、英語力を客観的にアピールする上で有効です。
• 実用英語技能検定（英検）: 幅広いレベルに対応しており、総合的な英語力を測ることができます。準1級以上などが評価されることがあります。

その他専門事務関連

特定の分野の事務職を目指す場合に役立つ専門的な資格です。

• 医療事務関連資格: 病院やクリニックでの受付、会計、レセプト作成（診療報酬請求事務）といった医療事務業務に必要な知識とスキルを証明します。様々な団体が認定資格を設けています。
• 貿易実務検定®: 貿易取引に関する実務知識や英語力を測る検定です。貿易事務を目指す場合に有利に働きます。
• 社会保険労務士: 人事・労務管理の専門家としての国家資格です。人事部門や労務関連の事務職でキャリアアップを目指す場合に役立ちますが、難易度は高い資格です。

目指す事務職に合わせた資格の選び方

数ある資格の中から、どれを選べば良いか迷うかもしれません。ここでは、目指す事務職のタイプ別に、おすすめの資格の方向性を示します。

• 一般事務・営業事務の場合: MOSや日商PC検定といったPCスキル系の資格、秘書検定やビジネス実務マナー検定などのビジネススキル系資格が幅広く役立ちます。
• 経理事務の場合: 日商簿記検定（特に2級以上）は、専門知識をアピールする上で非常に有効です。Excelスキルも重要視されます。
• 人事・総務事務の場合: 秘書検定やビジネス実務マナー検定に加え、労務管理に関心があれば社会保険労務士の勉強を始めるのも良いでしょう（ただし、取得は容易ではありません）。基本的なPCスキルも不可欠です。
• 専門事務（医療、貿易など）の場合: それぞれの分野に特化した医療事務関連資格や貿易実務検定®などが直接的に役立ちます。
• 未経験から事務職を目指す場合: まずはMOSや日商PC検定（文書作成、データ活用）、日商簿記3級、秘書検定3級など、基本的なスキルを証明でき、比較的取得しやすい資格から挑戦するのがおすすめです。学習意欲を示すことにも繋がります。

取得した資格を転職活動で最大限に活かすアピール術

せっかく取得した資格も、アピール方法を間違えるとその効果が半減してしまいます。以下のポイントを押さえて、効果的に伝えましょう。

履歴書・職務経歴書への効果的な記載方法

• 取得年月日、正式名称、級・点数を正確に記載: 資格名は略さず、正式な名称で記載します。取得した年月日や、級・スコアなども正確に明記しましょう。
• 応募職種との関連性を考慮して記載順を工夫: 複数の資格を持っている場合は、応募する事務職の仕事内容に最も関連性の高いものから順に記載すると、採用担当者の目に留まりやすくなります。
• 取得に向けて勉強中の資格もアピール可能: まだ取得には至っていなくても、現在取得に向けて勉強中であることを記載すれば、学習意欲の高さを示すことができます。（例：「〇〇資格取得に向けて勉強中（〇月受験予定）」など）

面接での伝え方のコツ

• 資格取得の動機を明確に伝える: なぜその資格を取得しようと思ったのか、その背景にある目的意識を具体的に説明しましょう。
• 資格取得を通じて何を学んだのかを語る: 単に資格を持っているだけでなく、その学習過程でどのような知識やスキルが身についたのかを具体的に話すことが重要です。
• 実務へどう活かせるかを具体的に示す: 取得した資格の知識やスキルが、応募先の企業の事務業務において、どのように役立つのか、貢献できるのかを具体的に説明しましょう。
• 資格で得た知識・スキルとこれまでの実務経験を結びつける: 経験者の場合は、資格の知識がこれまでの業務でどのように活かされたか、あるいは資格取得によって業務の質がどう向上したかといったエピソードを交えると、より説得力が増します。

事務職の資格取得における注意点

資格取得を目指す際には、いくつか注意しておきたい点があります。

• 資格取得自体が目的にならないようにする: あくまで資格は、スキルを証明したり、知識を深めたりするための手段の一つです。資格を取ること自体がゴールにならないよう、その先のキャリアプランを見据えて取り組みましょう。
• 資格の有効期限や更新制度の確認（該当資格の場合）: 資格によっては有効期限が設定されていたり、更新のために研修を受ける必要があったりする場合があります。事前に確認しておきましょう。
• 実務経験とのバランスを考慮する: 特に経験者の場合は、資格の数よりも、これまでの実務でどのような実績を上げてきたかが重視されることが多いです。資格取得と実務経験のバランスを考慮しましょう。
• 資格の難易度と学習時間の現実的な計画: 自分の現在のスキルレベルや、転職活動のスケジュールを考慮し、無理のない範囲で取得できる資格を選び、現実的な学習計画を立てることが大切です。

まとめ：資格を自信に変えて、事務職への転職を成功させよう

事務職への転職において、資格は必ずしも必須ではありませんが、あなたのスキルや学習意欲を客観的に示し、自信を与えてくれる有効なツールとなり得ます。

大切なのは、やみくもに資格を取得するのではなく、自分のキャリアプランや目指す事務職の種類に合わせて、本当に役立つ資格を見極めることです。そして、取得した資格を効果的にアピールし、希望する企業への転職を実現させましょう。あなたの新しいキャリアへの挑戦を心から応援しています。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。