【例文付き】転職で使う英語の推薦状|依頼の仕方から書き方まで完全ガイド
外資系企業への転職や、海外での就職、あるいは大学・研究機関のポジションに応募する際、提出を求められることがある「推薦状(Letter of Recommendation)」。
日本ではまだ一般的ではないため、「誰に、どうやってお願いすればいいの?」「そもそも、英語でなんて書けばいいんだろう?」と、戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
推薦状は、あなたの能力や人柄を、第三者の客観的な視点から証明してくれる、非常に強力なアピール材料です。適切に準備し、活用することで、あなたの転職活動を、より有利に進めることができます。
この記事では、英語の推薦状が必要になったあなたのための完全ガイドとして、依頼の仕方から、具体的な書き方のテンプレート、そして知っておきたいマナーまで、分かりやすく解説していきます。
推薦状の基本:どんな時に、誰に、どう頼むのか?
まず、推薦状に関する基本的な知識を整理しておきましょう。
そもそも、転職で推薦状は必要?
日本の一般的な転職活動において、推薦状が必須となるケースは稀です。しかし、以下のような場面では、提出を求められることが多くあります。
- 外資系企業の特定ポジション(特に管理職以上)
- 海外での就職活動
- 大学や研究機関のポジションへの応募
- MBAなど、海外の大学院への出願
基本的には、応募先企業から**「提出してください」と求められた場合**に準備するものであり、自分から積極的に提出する必要はあまりありません。
推薦者(Recommender)は誰に頼むべきか
推薦状の信頼性は、「誰が書いたか」に大きく左右されます。最も適しているのは、あなたの仕事ぶりを、具体的かつ客観的に評価できる人物です。
- 理想的な推薦者:
- 直属の上司(現職または前職): あなたの業務遂行能力や実績、人柄を最もよく知る人物です。
- その他の選択肢:
- 元上司や、他部署の先輩
- 特に親しかったクライアント(取引先)の担当者
- 大学時代の指導教官(研究職などの場合)
現職の上司に頼む場合は、あなたが転職活動中であることが伝わってしまうため、退職の意向を伝えた後にお願いするのが一般的です。
依頼する際のマナーと準備すべきもの
推薦状の作成は、相手にとって、時間と労力がかかる、骨の折れる作業です。依頼する際は、最大限の敬意と配慮を払いましょう。
- まずは直接、打診する: メールでいきなりお願いするのではなく、まずは電話や、可能であれば直接会って、転職活動の状況を説明し、推薦者になっていただけないか、丁寧に打診します。
- 必要な資料をすべて用意する: 相手が推薦状を書きやすいように、以下の資料をまとめてお渡ししましょう。
- あなたの英文レジュメ(職務経歴書)
- 応募先の企業情報や、求人内容が分かるもの
- あなたが作成したカバーレター
- 推薦状の提出期限、提出先、提出方法(郵送か、データかなど)
- 「下書きをこちらで用意しましょうか?」と提案する: 忙しい相手への配慮として、**「もしご多忙でしたら、こちらで下書き(ドラフト)を用意いたしましょうか?」**と申し出るのは、非常にスマートな気遣いです。実際に、候補者自身が作成したドラフトを、推薦者が確認・修正して署名する、というケースは少なくありません。
【依頼メール例文】英語と日本語で使える、推薦状のお願い
口頭で内諾を得た後、改めてメールで、必要な資料と共に正式にお願いをしましょう。
【件名】 Recommendation Letter Request - [あなたの名前]
/ 推薦状作成のお願い([あなたの名前])
Dear [推薦者の名前],
Thank you again for agreeing to write a letter of recommendation for me. I truly appreciate your support.
As we discussed, I am applying for the [役職名] position at [応募先企業名]. The deadline for submission is [提出期限].
I have attached my resume and the job description for your reference. Please let me know if you need any other information.
Thank you once again for your time and assistance.
Sincerely,
[あなたの名前]
(日本語訳)
〇〇様
先日は、推薦状の作成をご快諾いただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
お話しさせていただきました通り、[応募先企業名]の[役職名]に応募いたします。提出期限は[提出期限]となっております。
ご参考までに、私の職務経歴書と、応募先の求人情報を添付いたしました。その他、必要な情報がございましたら、お気軽にお申し付けください。
お忙しいところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
[あなたの名前]
英語の推薦状の書き方と構成要素【テンプレート付き】
もし、あなたが下書きを作成することになった場合、以下の構成とテンプレートを参考にしてください。
① 書き出し・導入
推薦者である自分が、あなたとどのような関係で、どのくらいの期間、あなたのことを見てきたかを述べます。
It is my great pleasure to recommend [あなたの名前] for the [役職名] position at your company.
I have had the pleasure of working with him/her for [年数] years at [会社名], where I was his/her direct supervisor.
② 具体的な強み・実績
あなたのスキルや実績を、具体的なエピソードを交えて記述します。数字を用いて、客観的に示すのが効果的です。
During his/her time in our team, [あなたの名前] demonstrated excellent project management skills. For example, he/she successfully led the ABC project, resulting in a 20% increase in team productivity.
③ 人柄・ポテンシャル
あなたの人間性や、チームで働く上での姿勢について触れます。
In addition to his/her technical skills, [あなたの名前] is a true team player with a great positive attitude. He/She was always willing to help other team members.
④ 結び・推薦の言葉
あなたの成功を確信している、という力強い言葉で締めくくります。
Based on my experience working with him/her, I can confidently say that [あなたの名前] will be a valuable asset to your team. I highly recommend him/her without reservation.
⑤ 署名
Sincerely,
[推薦者の名前]
[推薦者の役職]
[推薦者の会社名]
[推薦者の連絡先(メール・電話番号)]
推薦状を受け取った後のお礼と提出
推薦状を受け取ったら、まずはすぐに、改めて感謝の気持ちを伝えることが大切です。電話や、丁寧なお礼のメールを送りましょう。
その後、応募先企業からの指示に従い、推薦状を提出します。選考が終わったら、結果がどうであったかにかかわらず、その報告とお礼を、推薦者の方に必ず伝えるのが、社会人としての美しいマナーです。
信頼できる推薦者からの言葉が、あなたの転職を後押しする
推薦状は、あなたのこれまでのキャリアと、そこで築き上げてきた人間関係の、何よりの証です。
それは、あなたという人材の価値を、客観的かつ力強く証明し、あなたの転職活動を、成功へと後押ししてくれる、かけがえのないお守りとなるでしょう。