転職を成功に導く英文履歴書(レジュメ)の書き方【テンプレート&例文付き】
外資系企業への転職や、海外と関わるポジションへの応募に不可欠となる「英文履歴書(レジュメ)」。いざ作成しようとしても、日本の履歴書との違いに戸惑い、「何から手をつければいいか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
英文レジュメは、単なる経歴の記録ではなく、あなたという人材の価値を売り込むための重要な「マーケティング資料」です。
この記事では、英文レジュメの基本ルールから、すぐに使えるテンプレート、採用担当者の心をつかむための具体的な書き方まで、転職を成功に導くためのノウハウを網羅的に解説します。
まずは知っておきたい!日本の履歴書と英文履歴書(レジュメ)の5つの大きな違い
テンプレートを使い始める前に、まずは日本の履歴書との根本的な違いを理解しておくことが重要です。この違いを知ることで、英文レジュメに求められることが明確になります。
- 目的とボリュームが違う
- 日本の履歴書:間違いのない経歴を伝える「公的書類」に近い。
- 英文レジュメ:自分のスキルや実績をアピールする「広告・パンフレット」。A4用紙1枚、多くても2枚にまとめるのが基本です。
- 顔写真は不要
- 年齢や人種、性別などによる差別(バイアス)を避けるため、英文レジュメに顔写真を貼ることは原則としてありません。
- 不要な個人情報は書かない
- 生年月日、年齢、性別、家族構成などを記載する必要はありません。連絡先と氏名が中心です。
- 職歴は新しい順に書く
- 職歴や学歴は、現在のもの(または直近のもの)から過去に遡って書く「逆編年体」が一般的です。
- PC作成が絶対
- 日本の履歴書のように手書きで作成することはなく、PCで作成するのが常識です。
【コピペで使える】英文履歴書の基本テンプレートと構成要素
それでは、実際の英文レジュメの構成を見ていきましょう。一般的には、以下の要素で構成されます。各項目の具体的な書き方は、この後で詳しく解説します。
英文レジュメ 基本テンプレート
1. Your Name
Your Phone Number | Your Email Address | Your LinkedIn Profile URL (Optional) | Your City, State/Prefecture
2. Professional Summary / Objective
(ここに3~5行であなたの強みやキャリアの要約、または希望職種を記述します)
3. Work Experience
Most Recent Job Title | Company Name | City, State
Month, Year – Month, Year (or Present)
- (Action Verbで始める) 職務内容と実績を箇条書きで記述します。具体的な数字を入れると効果的です。
- (Action Verbで始める) チームやプロジェクトへの貢献内容を記述します。
- (Action Verbで始める) 達成した成果や改善した点を記述します。
Previous Job Title | Company Name | City, State
Month, Year – Month, Year
- (Action Verbで始める) 職務内容と実績を箇条書きで記述します。
- (Action Verbで始める) 職務内容と実績を箇条書きで記述します。
4. Education
University Name | City, State
Degree Name (e.g., Bachelor of Arts in Economics), Graduated Month, Year
5. Skills
- Languages: (e.g., Japanese – Native; English – Business Level)
- Technical Skills: (e.g., Microsoft Office Suite (Word, Excel, PowerPoint), Salesforce, Python, Adobe Photoshop)
① Contact Information(連絡先)の書き方
レジュメの一番上に、氏名を大きく記載します。その下に、電話番号、メールアドレス、住所(市区町村までで十分です)、そして持っていればLinkedInのプロフィールURLを記載します。
【例文】
Taro Yamada
+81-90-1234-5678 | taro.yamada@email.com | linkedin.com/in/taroyamada | Tokyo, Japan
② ObjectiveとSummary、どちらを書くべき?
連絡先の下には、あなたの「キャッチコピー」となる部分を設けます。キャリアの段階に応じて使い分けましょう。
- Objective (希望職種): 社会人経験が浅い方や、キャリアチェンジを目指す方向け。どのような職に就きたいかを簡潔に述べます。
- 【例文】 Seeking a position in digital marketing to apply my skills in SEO and content strategy to drive brand growth.
- Summary (職務要約): 3年以上のキャリアがある方向け。これまでの経験やスキル、実績を3~5行で要約し、即戦力であることをアピールします。
- 【例文】 Highly organized and detail-oriented 1administrative professional with over 5 years of experience supporting executive-level staff. Proven ability to manage complex schedules, coordinate international travel, and streamline office operations to improve efficiency.
③ Work Experience(職務経歴)で実績をアピールする方法
レジュメの中で最も重要な項目です。会社名、役職、在籍期間を明記し、その下で具体的な職務内容を箇条書きにします。ここでのポイントは2つです。
- Action Verb (行動動詞) で始める: 「~を担当」ではなく、「~を達成した」「~を管理した」のように、Managed, Developed, Achieved, Increased, Launched といった能動的な動詞で書き始めましょう。
- 実績を数字で示す: 「売上向上に貢献」ではなく、「Increased quarterly sales by 15%」のように、具体的な数字を入れることで、実績の説得力が格段に増します。
【例文】
Sales Manager | ABC Corporation | Tokyo, Japan
April, 2020 – Present
- Managed a team of 5 sales representatives and provided coaching and training to enhance performance.
- Developed and implemented a new sales strategy, resulting in a 20% increase in annual revenue for fiscal year 2023.
- Achieved 120% of the sales target for three consecutive quarters.
④ Education(学歴)と⑤ Skills(スキル)の書き方
- Education (学歴): 最終学歴から順に、大学名、所在地、学位、卒業年月を記載します。
- Skills (スキル): 語学力(Languages)、PCスキル(Technical Skills)、その他専門スキルなどに分けて記載すると見やすいです。語学力は「Native」「Business Level」「Conversational」のようにレベル感を添えましょう。
採用担当者の目に留まる!英文レジュメの3つの鉄則
テンプレートを埋めるだけでは不十分です。ライバルに差をつけるための3つの鉄則を心掛けましょう。
鉄則1:応募するポジションに合わせてカスタマイズする
求人票(Job Description)を注意深く読み込み、企業が求めているスキルや経験を示すキーワードを抜き出しましょう。そして、そのキーワードをあなたのレジュメ、特にSummaryやWork Experienceの項目に戦略的に盛り込むことで、「このポジションにぴったりの人材だ」と採用担当者に感じさせることができます。
鉄則2:シンプルで見やすいフォーマットを心がける
奇抜なデザインは不要です。フォントは「Times New Roman」や「Arial」など、ビジネスで一般的に使われる読みやすいものを選び、サイズは10~12ポイントに設定しましょう。余白を十分に取り、箇条書きを活用することで、採用担当者が短時間で内容を把握できるように配慮します。
鉄則3:ミスは絶対に避ける
スペルミスや文法の間違いは、「注意力が低い」「プロ意識に欠ける」という印象を与えかねません。完成したら必ず声に出して読み返し、可能であればネイティブスピーカーや英語が得意な友人・同僚にチェックしてもらいましょう。文法チェッカーなどのツールを活用するのも有効です。
まとめ
英文レジュメは、あなたのキャリアの可能性を広げるためのパスポートです。最初は難しく感じるかもしれませんが、基本のルールと構成さえ押さえれば、誰でも効果的なレジュメを作成することができます。
今回ご紹介したテンプレートとポイントを参考に、あなたの強みと実績が最大限に伝わる一枚を完成させ、希望のキャリアをその手につかんでください。