転職「勤続1年」の壁：理由の伝え方と、次へ繋げるキャリア戦略
岩下隼人
ロイヤル合同会社
【例文あり】「転職が多い」を英語でポジティブに伝える方法｜面接・履歴書対策
岩下隼人
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「転職回数が多いことは、選考で不利になるのではないか…」
「面接で、この経歴を英語でどう説明すれば、ネガティブな印象を与えずに済むだろう…」
キャリアアップやスキルアップを目指して、積極的に挑戦を重ねてきた結果、転職回数が多くなった。そんなあなたの経歴は、決して弱みではありません。むしろ、その多様な経験は、変化の激しい現代において、非常に価値のある「強み」になり得ます。
大切なのは、そのキャリアの一貫性を、あなた自身の言葉で、自信を持って語ることです。
この記事では、「転職が多い」という経歴を、英語で効果的に、そしてポジティブに伝えるための具体的な考え方と、面接や職務経歴書でそのまま使えるフレーズ・例文を分かりやすく解説していきます。
Contents
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まず知っておきたい。「転職が多い」を意味する英語表現と海外の価値観
効果的な伝え方を学ぶ前に、基本的な言葉のニュアンスと、背景にある文化的な価値観を理解しておきましょう。
「転職が多い」の英語表現
日本語の「転職が多い」に直接対応する言葉として、英語には job hopper という表現があります。しかし、これは「仕事が長続きしない人」「すぐに辞めてしまう人」といった、非常にネガティブなニュアンスを持つ言葉です。面接などで、自らこの言葉を使うのは絶対に避けましょう。
自分の経歴を客観的に説明する場合は、以下のようなニュートラルな表現を使います。
I've changed jobs several times.（私は数回、転職を経験しました。）I have experience working for various companies.（様々な企業で働いた経験があります。）
「転職回数」に対する海外の価値観
日本では、終身雇用を前提とした「長く一つの会社に勤めること」が美徳とされる文化が根強く残っています。しかし、欧米を中心とする多くの国では、スキルアップやキャリアアップ、より良い待遇を求めて数年単位で転職を繰り返すことは、一般的で、むしろプロフェッショナルとして当然の行為と捉えられています。
特にIT業界など、変化の速い業界では、多様な環境で経験を積んだ人材の方が、価値が高いと評価されることさえあります。大切なのは「回数」ではなく、その「理由」と「一貫性」なのです。
「転職が多い」は弱みじゃない！強みに変える3つのストーリー
あなたのキャリアを、ポジティブな「物語」として語るための、3つのストーリー戦略をご紹介します。
① 多様な経験とスキルを積むための「戦略的なキャリアアップ」
これは、一見バラバラに見える職歴を、「幅広いスキルを習得するための、意図的な選択だった」と語るストーリーです。
アピールできる強み:
- 多様な業界・企業文化への適応能力
- 幅広い製品・サービス知識
- 多角的な視点から物事を捉える能力
② 専門性を追求するための「一貫したキャリアパス」
これは、会社は変わっても、「職種」や「業界」は一貫しており、専門性を深めるために最適な環境を選んできた、と語るストーリーです。
アピールできる強み:
- 特定の分野における、深い専門知識と経験
- 業界内の広い人脈
- 自身の専門分野に対する、高いプロ意識と情熱
③ 自分に最適な環境を見つけるための「積極的な挑戦」
これは、特に若手の候補者に有効なストーリーです。様々な環境に身を置くことで、自分が本当に情熱を注げること、そして最も貢献できる環境を探してきた、という成長意欲をアピールします。
アピールできる強み:
- 高い学習意欲と、新しい環境へのチャレンジ精神
- 自分自身を客観的に分析し、キャリアを模索する主体性
- 逆境にも負けないバイタリティ
【実践編】面接と職務経歴書でのアピール方法
それでは、具体的な選考の場面で、どうアピールすれば良いかを見ていきましょう。
面接で「なぜ転職回数が多いのですか？」と聞かれたら【例文付き】
この質問をされたら、チャンスです。自信を持って、準備してきたあなたのストーリーを語りましょう。
【回答のポイント】
- 事実を認める: まずは「はい、複数の企業で経験を積んでまいりました」と、事実を認めます。
- ポジティブな理由を語る: 上記で紹介したストーリーのいずれかに沿って、一貫した目的があったことを説明します。
- 応募企業への貢献に繋げる: そして最後に、「その多様な経験こそが、御社で〇〇という形で貢献できると確信しております」と、未来への貢献意欲に繋げます。
＜回答例（戦略的なキャリアアップの場合）＞
“Yes, I have had the opportunity to work for several companies. Each move was a strategic decision to gain diverse skills and experiences. At Company A, I mastered B2B sales skills for tangible goods. At Company B, I challenged myself with intangible SaaS products to learn solution selling. I believe this broad experience allows me to understand customer issues from multiple perspectives, and I am confident I can contribute to your company’s diverse client base.”
（日本語訳）
「はい、複数の企業で経験を積む機会がございました。それぞれの転職は、多様なスキルと経験を得るための戦略的な決断でした。A社では有形商材のBtoB営業スキルを、B社では無形商材であるSaaS製品に挑戦し、ソリューション営業を学びました。この幅広い経験によって、顧客の課題を多角的に理解できるようになったと自負しており、御社の多様な顧客基盤に必ず貢献できると確信しております。」
職務経歴書（Resume）で懸念を払拭する書き方
書類選考の段階で、人事担当者に「Job Hopperかもしれない」という懸念を抱かせないための工夫です。
- 職務要約（Professional Summary）を活用する職務経歴書の冒頭に、2〜3行のサマリーを設け、そこであなたのキャリアの一貫性を先に提示してしまいましょう。（例）「5年間、IT業界の法人営業として、3社で経験を積んでまいりました。一貫して、中小企業のDX化支援に従事し、特に〇〇の分野では高い実績を上げております。」
- 各職歴で「実績」を明確に記述する在籍期間が短くても、それぞれの会社で具体的にどのような成果を上げたのか（数字で示すのがベスト）を明確に記述することで、「短期間でも、きちんと成果を出せる人材である」ことを証明できます。
一貫した「軸」があれば、転職回数はあなたの物語になる
転職回数の多さ自体は、問題ではありません。問題なのは、そのキャリアに「一貫した軸」や「目的」が見えないことです。
なぜ、あなたはその会社を選び、そこで何を学び、そしてなぜ次のステージへ進んだのか。
その一つひとつの点と点を、あなただけの「キャリアプラン」という線で繋ぎ、説得力のある物語として語ること。
それができれば、あなたの多様な経験は、他の誰にも真似できない、かけがえのない強みとなります。自信を持って、あなたの素晴らしいキャリアストーリーを語ってください。
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ABOUT ME
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。