楽天の営業職へ転職|事業内容から年収、求められるスキルまで徹底解説
日本のIT業界を牽引し、Eコマースから金融、モバイルまで、70以上の多様なサービスで独自の「楽天経済圏」を築き上げる楽天グループ。その圧倒的な成長を最前線で支える「営業職」は、自身の市場価値を高め、ダイナミックなキャリアを築きたいと考える多くのビジネスパーソンにとって、非常に魅力的な選択肢です。
しかし、「楽天の営業って、具体的にどんな仕事をするの?」「どの事業部で募集がある?」「英語力は必須?」といった、具体的な疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、楽天の営業職への転職を真剣に考えるあなたのために、仕事のリアルな姿から、事業部ごとの特徴、求められるスキル、そして選考を突破するためのポイントまで、徹底的に解説します。
一口に「楽天の営業」と言っても様々。多岐にわたる事業と営業の役割
楽天の営業職は、単一の仕事ではありません。多岐にわたる事業部ごとに、その役割や顧客、提案内容は大きく異なります。ここでは代表的な営業職をご紹介します。
- 楽天市場(ECコンサルタント)楽天の営業職として最も象徴的な存在です。楽天市場に出店する全国の店舗様に対し、売上(流通総額)を最大化するための経営コンサルティングを行います。豊富なデータを基に、広告戦略や販促企画、品揃えの改善などを提案し、店舗様のパートナーとして事業成長を二人三脚で目指します。新規出店を獲得する営業と、既存店舗をサポートするコンサルタントの役割があります。
- 楽天トラベル(トラベルコンサルタント)全国のホテルや旅館といった宿泊施設が顧客です。各施設の魅力や課題を分析し、Web上での集客力を高めるためのコンサルティングを行います。宿泊プランの企画提案や、広告プロモーションの活用などを通じて、施設の予約数増加に貢献します。
- 楽天ペイ・楽天カード(フィンテック事業)楽天経済圏の根幹をなす決済サービスを担当します。街のお店や企業に対して、楽天ペイや楽天カードの加盟店になってもらうための新規開拓営業や、既存加盟店の利用を促進するためのキャンペーン提案などを行います。
- 楽天モバイル近年、楽天が最も注力する事業の一つです。法人顧客に対して、モバイル回線や関連するITソリューションの導入を提案します。コスト削減や業務効率化といった、企業の経営課題に直接アプローチする営業スタイルです。
この他にも、広告事業や金融関連事業など、様々なフィールドで営業職が活躍しています。
楽天の営業職として働く魅力と、求められる覚悟
楽天というフィールドで働くことには、他では得難い魅力と、同時に向き合うべき厳しさがあります。
魅力・やりがい
- 事業のスケールとインパクト: 1億以上の楽天IDを基盤とする日本最大級の経済圏を、自らの手で動かしているというダイナミックな実感を得られます。
- 圧倒的な成長環境: 「スピード!!スピード!!スピード!!」という行動規範に象徴されるように、変化の速い環境で、若いうちから大きな裁量権を持って仕事に取り組むことができます。
- データドリブンな営業: 楽天が保有する膨大なデータを武器に、勘や経験だけでなく、論理的な根拠に基づいた営業・コンサルティング活動ができます。
- 豊富なキャリアパス: 70以上の多様な事業があるため、社内公募制度などを活用して、異なる事業部へキャリアチェンジできる可能性も広がっています。
厳しさ・求められる覚悟
- 目標への強いコミットメント: 高い目標(KPI)が設定され、その達成に向けて考え抜き、徹底的にやり抜く力が求められます。「Get Things Done(やり抜く)」という精神が重視されます。
- 圧倒的なスピード感: 市場の変化に対応するため、朝令暮改も珍しくありません。変化を楽しみ、柔軟かつスピーディーに行動することが求められます。
- 英語公用語化への対応: 2012年から続く社内公用語化により、社内会議や資料作成、日常的なコミュニケーションは基本的に英語で行われます。英語に対するアレルギーがなく、継続的に学習する意欲が不可欠です。
気になる年収・待遇と「楽天主義」という独自の社風
年収・待遇
楽天の年収は、日本の大手IT企業の中でも高い水準にあります。経験や役職(グレード)によって異なりますが、中途採用の場合、年収500万円~800万円程度でのオファーが一般的です。個人の成果や会社の業績に応じた賞与もあり、トップクラスの成果を上げれば、30代で年収1,000万円を超えることも十分に可能です。
また、福利厚生が非常に充実していることでも知られており、特に**3食無料のカフェテリア(社員食堂)**は有名です。その他にも、社内フィットネスジムや託児所、各種イベントなど、社員が働きやすい環境が整っています。
社風:「楽天主義」
楽天のカルチャーを理解する上で欠かせないのが、企業理念である**「楽天主義」**です。これは、「ブランドコンセプト」と「成功のコンセプト」から構成される行動指針であり、全従業員にその理解と実践が求められます。特に「成功の5つのコンセプト」(常に改善、常に前進/Professionalismの徹底/仮説→実行→検証→仕組化/顧客満足の最大化/スピード!!スピード!!スピード!!)は、楽天で働く上での基本的なマインドセットとなります。
楽天の営業職に求められるスキルと経験
楽天の営業職へ転職するためには、どのようなスキルや経験が必要なのでしょうか。
- 法人営業の経験: 事業部にもよりますが、最低でも2~3年以上の法人営業経験が求められるケースがほとんどです。
- 英語力: 多くのポジションでTOEICスコア800点以上が応募の目安となります。スコアが満たない場合でも、入社後の取得を前提とした選考もありますが、英語でのコミュニケーション能力は必須と考えた方が良いでしょう。
- 論理的思考力とデータ分析能力: 数値を基に課題を分析し、仮説を立て、打ち手を考え、実行するという、データドリブンな思考ができることが極めて重要です。
- 目標達成意欲と粘り強さ: 高い目標に対して、達成するまで諦めずに粘り強く取り組む姿勢、いわゆる「やり抜く力」が強く求められます。
- ITリテラシー: ECサイトやWebサービス、キャッシュレス決済など、楽天が展開する事業領域への基本的な理解と興味関心。
転職の難易度と選考を突破するためのポイント
企業の知名度、待遇、成長環境のいずれも魅力的であるため、転職難易度は非常に高いと言えます。しかし、事業拡大に伴い中途採用は通年で活発に行われており、門戸は常に開かれています。
選考プロセス
一般的には、「書類選考 → Webテスト(SPIなど) → 複数回(2~3回)の面接」という流れで進みます。
選考のポイント
- 「楽天主義」への共感: 面接では、「なぜ数ある企業の中で楽天なのか」という問いに対し、この楽天主義のどの部分に共感したのかを、自身の経験と結びつけて具体的に語ることが重要です。
- 成功体験の論理的な説明: これまでの営業経験において、「どのような課題に対し」「どう仮説を立て」「どう行動し」「どのような成果(数字)を出したのか」を、論理的に説明できる必要があります。
- 「三木谷曲線」への理解: 楽天の創業者である三木谷浩史氏の著書などを読み込み、企業が大きく成長するためには、一時的に困難な時期があることを理解し、それを乗り越える覚悟があることを示すことも有効です。
- 質の高い逆質問: 企業の成長戦略や、担当する事業の課題について踏み込んだ質問をすることで、あなたの高い意欲と企業理解度をアピールできます。
日本最大級の経済圏を動かす、ダイナミックな営業キャリアへ
楽天の営業職は、単なるセールスパーソンではありません。それは、豊富なデータを武器にクライアントの事業成長を支援するコンサルタントであり、高い目標と圧倒的なスピード感が求められる、非常に挑戦的な仕事です。
厳しい環境であることは間違いありませんが、その分、他では得られない圧倒的な成長と、市場価値の高いキャリアが待っています。この記事を参考に、楽天というフィールドで挑戦したいという強い意志を持って、選考に臨んでみてください。