営業事務への転職理由｜面接で好印象を与える伝え方とケース別例文

企業の売上を最前線で支える営業担当者にとって、なくてはならない存在、それが「営業事務」です。そのサポート力と専門性から、安定したキャリアを築きたいと考える多くの転職希望者にとって、非常に魅力的な職種として映ります。

しかし、いざ転職の面接で「なぜ、営業事務を志望されるのですか？」と聞かれた際に、「営業のノルマが辛かったから、とは言えないし…」「未経験だけど、何をアピールすればいいのだろう…」と、その答え方に頭を悩ませてしまう方は少なくありません。

安心してください。この質問は、あなたの強みや人柄をアピールし、面接官に「この人なら安心してバックオフィスを任せられる」と思わせる絶好のチャンスです。

この記事では、面接官を納得させる転職理由の考え方から、そのまま使える具体的な例文まで、あなたの状況に合わせて分かりやすく解説していきます。

なぜ聞かれる？面接官が「営業事務への転職理由」で知りたいこと

効果的な転職理由を語るためには、まず面接官が何を知りたがっているのか、その視点を理解しておくことが重要です。

1. サポート役への適性自分が主役となってスポットライトを浴びるのではなく、他人を支え、チームの成功を後押しすることに喜びを感じられるか。その「縁の下の力持ち」としての適性を見ています。
2. 事務処理能力と正確性営業事務の仕事は、見積書や契約書の作成、データ入力など、正確性が命です。コツコツとした地道な作業を、責任感を持って丁寧に進められるかどうかを判断しています。
3. 定着性とストレス耐性「デスクワークは楽そうだから」といった安易な理由で志望していないか。営業とは異なる種類のストレス（例：急な依頼への対応、複数業務の同時進行など）があっても、モチベーションを維持して長く働いてくれる人材かを見ています。
4. コミュニケーション能力営業担当者はもちろん、時にはお客様や、社内の他部署（経理、製造など）とも連携する必要があります。円滑なコミュニケーションが取れるかどうかも重要なポイントです。

そのままではNG！評価を下げてしまう残念な転職理由

たとえ本音であったとしても、以下のような理由は、そのまま伝えるとマイナスの印象を与えかねません。

• 「営業のノルマが辛かったので」 （営業からの転職で特に注意）ストレス耐性が低い、目標達成意欲がない、とネガティブに捉えられてしまいます。
• 「デスクワークが楽そうだと思ったので」 営業事務の仕事への理解不足であり、受け身な姿勢と判断されます。
• 「残業がなさそうだから」 仕事内容ではなく、労働条件しか見ていない印象を与え、仕事への意欲を疑われてしまいます。
• 「PCスキルを活かしたい」だけ 具体的に「そのスキルをどう活かして」「会社にどう貢献したいか」がなければ、ただのスキル自慢に聞こえてしまいます。

【ケース別】面接で使える！営業事務への転職理由 例文集

あなたのこれまでの経歴に合わせて、説得力のある転職理由を組み立てていきましょう。ここでは代表的な3つのケースの例文をご紹介します。

《例文1：営業職からの転職の場合》

**ポイント：**営業経験を最大の「強み」としてアピール。「営業の気持ちがわかる最高のサポーター」を目指す姿勢を示しましょう。

「前職では法人営業として、お客様への提案活動に注力してまいりました。その中で、正確な資料やスムーズな事務手続きが、お客様からの信頼獲得や、受注に繋がる重要な要素であることを日々痛感しておりました。次第に、自分が最前線で活躍する以上に、営業担当者が安心して活動に専念できる環境を整え、チーム全体の成果を最大化させるバックオフィスの仕事に、強いやりがいと自身の適性を感じるようになりました。営業の現場を知る私だからこそできる、先回りしたきめ細やかなサポートで、貴社の営業部門に貢献したいと考えております。」

《例文2：販売・接客職からの転職の場合》

**ポイント：**顧客対応力やコミュニケーション能力をアピールしつつ、バックオフィス業務への興味と適性へと自然に繋げましょう。

「アパレル販売員としてお客様と接する中で、在庫管理や発注、売上データの入力といったバックヤード業務も担当しておりました。お客様に喜んでいただくためには、こうした裏方の仕事が店舗運営の土台であることを実感し、組織を内側から支える事務の仕事に強い魅力を感じるようになりました。販売で培ったコミュニケーション能力を、電話応対や他部署との連携で活かすとともに、私の強みである丁寧さと正確性を発揮し、営業部門をしっかりと支えていきたいです。」

《例文3：一般事務からの転職の場合》

**ポイント：**これまでの事務スキルをベースに、「なぜ、ただの事務ではなく営業事務なのか」を明確にすることが重要です。

「現職の一般事務として、PCスキルや文書作成能力、電話応対といった基本的な事務スキルを3年間で培ってまいりました。経験を積む中で、より事業の最前線に近い場所で、会社の売上に直接的に貢献する営業部門を専門的にサポートしたいという思いが強くなりました。成長著しい〇〇業界で、業界をリードする貴社の営業活動の一翼を担えることに大きな魅力を感じており、これまで培った事務スキルを活かして、営業担当の皆様がより高いパフォーマンスを発揮できるよう貢献したいと考えております。」

説得力をさらに高める！転職理由に添えるべき3つの要素

例文を参考にしつつ、あなただけのオリジナルな転職理由にするために、以下の3つの要素を付け加えてみましょう。

1. 「なぜ、この会社なのか」を付け加える 応募企業の事業内容や社風、扱っている商材などに触れ、「多くの会社の中でも、ここで働きたい」という熱意を具体的に示しましょう。
2. 具体的なエピソードで裏付ける なぜサポート役にやりがいを感じるようになったのか、きっかけとなったあなた自身の具体的な経験を語ることで、話にリアリティと深みが生まれます。
3. 入社後のビジョンを語る 「貢献したい」という言葉だけでなく、「将来的には〇〇のようなスキルも身につけ、営業チームにとってなくてはならない存在になりたい」といった、前向きなキャリアプランを示すことで、成長意欲をアピールできます。

最高の「サポーター」を目指す、前向きな決意を伝えよう

営業事務への転職理由は、あなたが「縁の下の力持ち」として、チームや会社にどう貢献していきたいかを示す、前向きな「決意表明」の場です。

「営業からの逃げ」ではなく、「営業を支えるプロフェッショナルになる」という、ポジティブなキャリアチェンジであることを、自信を持って伝えてください。この記事が、あなただけの誠実で説得力のある転職理由を準備し、希望のキャリアを掴むための一助となれば幸いです。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。