法人営業への転職｜仕事のリアルと成功のための完全ガイド

「よりスケールの大きな仕事に挑戦したい」

「企業の課題解決に、深く貢献したい」

営業としてのキャリアを考える中で、個人のお客様を対象とするBtoC営業から、企業を相手にする「法人営業（BtoB営業）」への転職に興味を持つ方は少なくありません。

法人営業は、扱う金額や関わる人の数が大きく、より高度なスキルが求められる一方で、企業の経営に直接インパクトを与えることができる、非常にダイナミックでやりがいのある仕事です。

この記事では、法人営業への転職を検討しているあなたのために、仕事の具体的な内容から、個人営業との違い、そして未経験からでも成功するためのポイントまで、網羅的に解説していきます。

法人営業とは？個人営業との決定的な違い

法人営業の仕事は、企業（法人）に対して、自社の製品やサービスを提案し、契約を結ぶことです。その最大の特徴は、組織対組織の取引であるという点にあります。この点が、個人のお客様を相手にする個人営業（BtoC営業）との間に、いくつかの決定的な違いを生み出します。

法人営業では、担当者個人の感情だけでなく、企業の利益や合理性に基づいて、組織として購入が決定されます。そのため、よりロジカルで、説得力のある提案が求められるのです。

法人営業の仕事内容と種類

法人営業の具体的な仕事は、新規顧客を開拓するのか、既存の顧客をフォローするのかによって、大きく2つのスタイルに分かれます。

1. 新規開拓営業

まだ取引のない企業に対し、電話やメール、問い合わせフォームなどを通じてアプローチし、新たな顧客を獲得する営業スタイルです。企業のリストアップから、キーパーソンへのアプローチ、商談の創出まで、自ら行動を起こしていく力が求められます。

2. ルート営業（既存顧客向け）

すでに取引のある顧客を定期的に訪問し、追加の提案やアフターフォローを行います。顧客との信頼関係を深化させ、アップセル（より高額な商品への乗り換え）やクロスセル（関連商品の合わせ買い）を提案し、取引額を拡大していくのが主なミッションです。

また、扱う商材によっても、「有形商材（IT機器、機械、部品など）」と「無形商材（ITシステム、広告、コンサルティング、人材サービスなど）」に分かれ、それぞれで求められる知識や提案スタイルが異なります。

法人営業のやりがいと、知っておきたい厳しさ

法人営業は、大きなやりがいがある一方で、特有の厳しさも存在します。

やりがい

• スケールの大きな仕事：扱う金額やプロジェクトの規模が大きく、社会や経済に与えるインパクトを実感できます。
• 企業の課題解決に貢献：顧客の経営層と対話し、ビジネスの根幹に関わる課題解決に貢献できる満足感があります。
• 高度なビジネススキルの習得：論理的思考力、交渉力、プレゼンテーション能力など、市場価値の高いスキルが身につきます。

厳しさ

• 意思決定までの期間が長い：多くの部署や役職者が関わるため、提案から受注まで数ヶ月、時には1年以上かかることもあり、粘り強さが求められます。
• 高度な知識が必要：自社の製品知識はもちろん、顧客の業界動向やビジネスモデルまで深く理解する必要があります。
• キーパーソンへのアプローチの難しさ：新規開拓の場合、決裁権を持つキーパーソンにたどり着くまで、地道なアプローチが必要になることがあります。

法人営業に求められるスキルと人物像

法人営業で成功するためには、どのようなスキルや資質が求められるのでしょうか。

• 論理的思考力と課題発見能力顧客との対話の中から、相手自身も気づいていないような本質的な課題を発見し、それを解決するための筋道を立てて説明する力が不可欠です。
• 高いコミュニケーション能力企業の窓口担当者から経営層まで、相手の立場や役割に応じて、柔軟にコミュニケーションスタイルを変えられる能力が求められます。
• プロジェクト管理能力受注後、社内の技術部門や開発部門と連携し、納品までプロジェクト全体を円滑に進める管理能力も、営業の重要な役割の一つです。
• 継続的な学習意欲常に変化する市場の動向や、新しい技術、競合の情報をキャッチアップし、自身の知識をアップデートし続ける姿勢が重要です。

未経験からの転職を成功させるためのポイント

法人営業は、専門性が高いイメージがありますが、未経験者を歓迎する求人も数多く存在します。特に、販売・接客業など、個人向けの営業経験がある方は、その対人スキルを高く評価されます。

転職を成功させるために、面接では以下の点をアピールしましょう。

• これまでの経験との共通点：「個人のお客様のニーズを引き出し、最適な商品を提案してきた経験は、法人のお客様の課題を発見し、解決策を提案する上で必ず活かせます」というように、これまでの経験と法人営業の仕事を結びつけて語りましょう。
• 「なぜ法人営業か」を明確に：「個人のお客様への貢献で培った経験を、今後は企業の成長支援といった、より大きなスケールで活かしたい」「より長期的な視点で、お客様とパートナーとして伴走したい」など、法人営業に挑戦したい理由を具体的に伝えましょう。
• 学習意欲の高さ：応募する企業の業界や製品について、事前に自分なりに調べ、学んでいる姿勢を見せることで、高い意欲とポテンシャルを示すことができます。

企業の未来を創る、やりがいに満ちた仕事へ

法人営業は、単にモノやサービスを売る仕事ではありません。それは、企業の成長を支え、時にはその未来を左右する、責任とやりがいに満ちたプロフェッショナルな仕事です。これまでの経験を土台に、より大きなフィールドで自分の力を試したいと考えるあなたにとって、法人営業はキャリアの可能性を大きく広げる選択肢となるでしょう。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。