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メタプラネットの「Evoファンドによる行使」とは?株価への影響と仕組みを解説

岩下隼人
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メタプラネットのIR情報(投資家向け情報)をチェックしていると、「Evo Fundによる第〇回新株予約権の大量行使に関するお知らせ」といった、少し難解なタイトルの発表を頻繁に目にします。

「新株予約権って何?」

「『行使』されると、何が起きるの?」

「これは、株価にとって良いニュース?悪いニュース?」

この「行使」という言葉の意味を理解することは、メタプラネットの資金調達の仕組みと、株価の裏で働く力学を読み解く上で、避けては通れない重要なポイントです。この記事では、この一連のイベントの仕組みと、株価への影響について、初心者にも分かりやすく解説します。

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「行使」の前に:「新株予約権」を理解しよう

まず、行使されるモノ、つまり「新株予約権(しんかぶよやくけん)」とは何かを知る必要があります。英語では「ワラント」とも呼ばれ、その名の通り「新しく発行される株式を、将来、あらかじめ決められた価格で買うことができる“予約券”」のようなものです。

【映画の特別鑑賞券のたとえ話】

あなたが、「1年以内なら、いつでも1,000円で最新映画を観られる」という特別な鑑賞券を持っているとします。この鑑賞券が「新株予約権」です。

  • 新株予約権 = 映画の特別鑑賞券
  • 行使価額 = 1,000円という、あらかじめ決められた価格
  • 行使期間 = 1年という有効期限

メタプラネットは、この「特別鑑賞券(新株予約権)」を、最大の資金提供パートナーであるエボファンドに発行(割当)することで、将来の資金調達の約束を取り付けているのです。

「行使」とは何か?“予約券”が現実の株式に変わる瞬間

次に、本題である**「行使(こうし)」**です。これは、保有している新株予約権という「権利」を、実際に使うことを意味します。

先ほどの例で言えば、あなたが映画館に行き、持っていた特別鑑賞券と1,000円を窓口で渡して、本物の映画チケットと交換する行為。これが「行使」です。

メタプラネットとエボファンドの間で、これがどのように行われるか見てみましょう。

  1. エボファンドが「行使」を決定エボファンドは、好きなタイミングでメタプラネットに対して「予約券を使います」と宣言します。
  2. エボファンドが、メタプラネットにお金を支払うあらかじめ決められた「行使価額」に基づいた金額を、メタプラネットに支払います。
  3. メタプラネットが、エボファンドに新しい株式を発行するお金を受け取る対価として、メタプラネットは新しい株式を発行し、エボファンドに渡します。

この「行使」が完了すると、メタプラネットは多額の現金を手に入れ、エボファンドは新しいメタプラネット株を手に入れる、という結果になります。

「行使」が株価に与える2つの影響

この「行使」のニュースは、株価に対して、ポジティブとネガティブ、両方の影響を与えます。

1. ネガティブな影響:「希薄化」による1株価値の低下

「行使」によって、世の中に存在するメタプラネット株の総数が、物理的に増加します。これは、既存の株主が持つ1株あたりの価値や議決権の割合が、相対的に薄まることを意味し、これを**「希薄化(きはくか)」**と呼びます。この「希薄化」への懸念から、株価に下落圧力がかかることがあります。

2. ポジティブな影響:ビットコイン購入資金の確保

一方で、この「行使」は、メタプラネットがビットコイン戦略を遂行するための生命線でもあります。「行使」によって会社に入ってきた現金は、新たなビットコインを購入するための軍資金となります。そして、購入したビットコインの価値が将来大きく上昇すれば、希薄化によるマイナスを補ってあまりある、莫大なプラスのリターンを会社にもたらす可能性があります。

投資家は「行使」のニュースをどう見ればいいか?

では、私たち投資家は、「行使のお知らせ」というニュースをどう解釈すれば良いのでしょうか。

これは、**「メタプラネットの資金調達計画が、予定通り順調に進んでいる証拠」**と見ることができます。つまり、同社のビットコイン戦略という「エンジン」に、新たな「燃料」が補給された、と捉えるのが本質です。

同時に、それは「希薄化」が現実になった瞬間でもあります。投資家は、希薄化が起きてもなお、それを上回るペースで会社の資産価値(=1株あたりのビットコイン保有量)が増加していくかどうかに、注目していく必要があります。

まとめ

メタプラネットのIRで頻繁に目にする「Evoファンドによる行使」とは、エボファンドが新株予約権を使い、メタプラネットがその対価として現金を受け取る、という一連の資金調達プロセスのことです。

これは、「希薄化」という短期的な痛みを伴う一方で、会社の成長戦略を支えるための不可欠な活動でもあります。

このニュースの見方は、投資家自身のスタンスを映す鏡と言えるかもしれません。短期的な希薄化を懸念するか、それとも、得られた資金で未来の大きな成長を掴みに行く会社の戦略を信じるか。その視点こそが、メタプラネットへの投資を成功に導く鍵となるでしょう。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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