転職で悩んだら、母校の大学キャリアセンターへ。卒業生が使える支援と活用法
「社会に出て数年。今の仕事、このままでいいのかな…」
「新しいキャリアに挑戦したいけれど、誰に、どう相談すればいいか分からない…」
転職は、人生における大きな決断です。未来への期待と同時に、多くの不安や、時に孤独を感じることもあるでしょう。そんな時、意外と知られていない、しかし非常に心強い“味方”が、あなたのすぐそばにいることをご存知ですか?
それが、あなたがかつて学び、そして巣立っていった、**「母校の大学キャリアセンター」**です。
この記事では、転職を考える卒業生が、母校のキャリアセンターをどのように活用できるのか、その具体的なサービス内容から、一般的な転職エージェントとの賢い使い分けまで、あなたの転職活動を成功に導くための全てを解説していきます。
卒業生でも使えるの?大学キャリアセンターのリアル
多くの方が、「キャリアセンターは、在学生のための場所でしょう?」と思っているかもしれません。
結論から言えば、多くの大学で「利用可能」です。
もちろん、大学ごとにルールは異なります。「卒業後3年以内」など対象者を限定している大学もあれば、「卒業生であれば、いつでも歓迎」という大学もあります。いずれにせよ、多くの大学が、社会で奮闘する卒業生を、大切な財産として、そのキャリアを継続的に支援したいと考えているのです。
まずは、あなたの母校のキャリアセンター(またはキャリア支援課、就職課など)の公式ウェブサイトを確認するか、電話で直接問い合わせてみましょう。「〇〇年に卒業した者ですが、転職に関する相談は可能でしょうか?」と尋ねてみれば、きっと道は開けるはずです。
母校だからこその手厚さ!キャリアセンターの主なサポート内容
では、具体的にどのような支援が受けられるのでしょうか。大学によって様々ですが、一般的には以下のような、きめ細やかなサポートが期待できます。
① 利害関係のない、純粋なキャリアカウンセリング
これが、キャリアセンターを利用する最大の価値と言えるでしょう。キャリア支援のプロである専門カウンセラーが、転職エージェントとは異なり、特定の求人紹介を前提としない、完全に中立な立場であなたの悩みに向き合ってくれます。「今の仕事を続けるべきか、転職すべきか」「自分の本当にやりたいことは何だろう」といった、キャリアの根本的な悩みや、これまでの経験の棚卸し(自己分析)に、じっくりと時間をかけて付き合ってくれます。
② 卒業生限定の「特別求人」との出会い
大学には、一般の転職サイトには掲載されない、**「ぜひ、うちの大学の卒業生を採用したい」**と考える企業から、直接求人が寄せられることがあります。特に、卒業生の活躍が目覚ましい企業からの、貴重な求人情報に出会える可能性があります。
③ “後輩”の視点も踏まえた応募書類の添削
あなたの経歴を、これから社会に出る後輩たちのロールモデルという視点も踏まえながら、客観的に、そして魅力的に見せるための、職務経歴書や履歴書の添削サポートを受けられます。
④ OB/OGネットワークの活用支援
もしあなたが興味のある業界や企業に、同じ大学の卒業生がいれば、キャリアセンターがそのハブとなり、コンタクトを取る手助けをしてくれることがあります。現場で働く先輩からのリアルな情報は、何よりも貴重な判断材料となります。
「転職エージェント」との賢い使い分け戦略
キャリアセンターを最大限に活用するためには、一般的な転職エージェントとの役割の違いを理解し、戦略的に「併用」するのが最も賢い方法です。
- 大学キャリアセンターの役割 →「キャリアの“健康診断”と“方向づけ”」「自分は、今のままで大丈夫だろうか?」「そもそも、どんな選択肢があるのだろう?」といった、漠然とした悩みを相談し、自己分析を深め、進むべきキャリアの方向性を見出すのに最適です。
- 転職エージェントの役割 →「具体的な“転職活動”の実行パートナー」キャリアの方向性が定まった後、豊富な非公開求人の中から具体的な企業を紹介してもらい、専門的な選考対策、そして年収交渉といった、転職活動の実務的なサポートを受けるのに最適です。
この二つを**「キャリア相談のセカンドオピニオン」**として活用することで、あなたの転職活動は、より盤石で、納得感の高いものになるでしょう。
キャリアセンターへ相談に行く前の、3つの準備
- 準備①:現状と悩みを書き出しておく: これまでの経歴、転職を考え始めたきっかけ、何に悩んでいるのかを、箇条書きでも良いので事前にまとめておくと、限られた相談時間をより有意義なものにできます。
- 準備②:大学のサイトでサービス内容を確認: 卒業生が利用できるサービスの範囲(相談回数など)や、予約方法などを事前に確認しておきましょう。
- 準備③:「教えてもらう」ではなく「相談する」姿勢: 「何か良い求人ありませんか?」と丸投げするのではなく、「私は〇〇というキャリアを目指したいのですが、そのために今、何をすべきだと思われますか?」と、自分なりに考えた上で、主体的に相談する姿勢が、より有益なアドバイスを引き出します。
【参考】キャリアを支える側へ。キャリアセンター職員という仕事
ここまで読んで、「自分も、誰かのキャリアを支える側になりたい」と感じた方もいるかもしれません。大学職員として、キャリアセンターで働くという道も、非常にやりがいのあるキャリアです。あなた自身の社会人経験や転職経験そのものが、学生の未来を照らす、何よりの力となります。
まとめ
転職という、人生の大きな岐路に立ったとき、あなたは決して一人ではありません。
あなたの母校のキャリアセンターは、あなたが卒業した後も、いつでも温かくあなたを迎え入れ、未来への道を共に考えてくれる、心強い「ホーム」のような存在です。
「最近、仕事どう?」— そんな風に、旧友に話すような気軽な気持ちで、まずは母校のウェブサイトを訪れ、卒業生向けのサポートがないか調べてみることから、新しいキャリアへの第一歩を始めてみてはいかがでしょうか。