「転職」は英語でなんて言う?直訳できない、気持ちが伝わる英語表現・例文集
グローバルなキャリアを目指す転職活動。英文レジュメの作成や、英語での面接準備を進める中で、「この日本語のニュアンス、英語でどう伝えればいいんだろう?」と手が止まってしまった経験はありませんか?
「お世話になっております」「貴社」「〜の経験を活かして」…私たちが普段何気なく使っているこうした表現は、そのまま英語に直訳すると、不自然に聞こえたり、意図が正しく伝わらなかったりすることが少なくありません。
転職活動における英語とは、単なる「翻訳」作業ではないのです。それは、ビジネス文化の違いを理解し、あなたのプロフェッショナリズムと熱意を、相手に最も響く形で「再構築」するコミュニケーションの技術です。
この記事では、基本的な単語の英訳から、直訳できない日本的な表現の自然な伝え方まで、あなたの転職活動を成功に導くための、実践的な英語表現を豊富な例文と共に解説します。
まずは基本から。「転職」そのものを表す英語とそのニュアンス
日本語の「転職」という言葉には、英語では主に2つの表現があり、その規模感によって使い分けられます。
“a job change” (仕事の変更)
最も一般的で、ニュートラルな表現です。同じ業界や職種の中で、勤め先を変える場合など、幅広い状況で使えます。
【例文】
- I’m considering a job change to seek new challenges. (新しい挑戦を求めて、転職を考えています。)
“a career change” (キャリアの転換)
単に会社を移るだけでなく、業界や職種そのものを変える、より大きなキャリアの転換を指します。日本語の「キャリアチェンジ」と同じ感覚で、人生の大きな節目となる決断を表すニュアンスがあります。
【例文】
- After working as an engineer for 10 years, I decided to make a career change into sales. (エンジニアとして10年働いた後、私は営業職へのキャリアチェンジを決意しました。)
【シーン別】転職活動で使う日本語、英語ではこう訳す!単語・フレーズ集
転職活動の各ステップで頻出する、基本的な用語の英訳を確認しておきましょう。
日本語 | 英語 |
【応募書類】 | |
履歴書/職務経歴書 | Résumé / CV (Curriculum Vitae) |
志望動機 | Motivation / Reason for applying |
自己PR | Personal Statement / Professional Summary |
【選考】 | |
求人 | Job opening / Job posting |
面接 | Interview |
内定 | Job offer |
【退職】 | |
退職 | Resignation |
退職願 | Resignation letter |
引き継ぎ | Handover / Transition |
直訳はNG!日本的表現を自然な英語にする「意訳」のテクニック
ここからが本題です。多くの日本人を悩ませる、直訳できない表現を自然な英語にするコツをご紹介します。
①「貴社」「御社」の訳し方
- NG例:
Your company
(間違いではありませんが、少し距離を感じさせる、よそよそしい響きです。) - OK例: 具体的な会社名
[Company Name]
を使うのが、最も自然で敬意も伝わります。
【例文】
- I am very interested in the corporate culture of ABC Corporation. (貴社 (ABCコーポレーション) の企業文化に、大変興味を持っております。)
②「~させていただきたいと考えております」の訳し方
この丁寧な日本語表現を直訳すると、自信のなさと受け取られかねません。意欲や自信を示す、より直接的な表現を選びましょう。
- NG例:
I think I want to contribute...
(~に貢献したいと、思います…) - OK例:
I would like to...
(~したいです),I am eager to...
(~することを熱望しています),I am confident that I can...
(~できると確信しています)
【例文】
- I am confident that I can contribute to your team with my project management skills. (私のプロジェクトマネジメントスキルで、貴社のチームに貢献できると確信しております。)
③「お世話になっております」の訳し方
英語には、これに完全に一致する便利な挨拶表現が存在しません。状況に応じて、全く使わないか、別の表現に切り替える必要があります。
- メールの書き出し: 英語のビジネスメールでは、挨拶なしにすぐに本題に入るのが一般的です。もし何か一言添えたい場合は、
I hope this email finds you well.
(お元気でお過ごしのことと存じます) という定型句が使えます。 - 面接のお礼メールなど: 相手との関係性が明確な場合は、具体的な感謝の言葉から始めます。
Thank you for taking the time to meet with me yesterday.
(昨日は面接のお時間をいただき、ありがとうございました。)
④「〜の経験を活かして」の訳し方
自分の経験を、次の仕事への貢献に繋げることをアピールする際の、力強い表現です。
- OK例:
leverage my experience in...
/utilize my skills in...
(~の経験/スキルをてこに、活用して)
【例文】
- I would like to leverage my experience in digital marketing to expand your customer base. (私のデジタルマーケティングの経験を活かして、貴社の顧客基盤を拡大したいと考えております。)
【例文付き】面接でよく使う日本語表現の英訳モデルアンサー
- 「本日は面接のお時間をいただき、誠にありがとうございます」 → “Thank you very much for your time today.”→ “Thank you for having me. I’m excited to be here.” (お招きいただきありがとうございます。ここに来られて光栄です。)
- 「私の強みは、高いコミュニケーション能力です」 → “My greatest strength is my communication skills.”→ “I would say one of my strengths is my ability to communicate effectively with diverse teams.” (私の強みの一つは、多様なチームと効果的にコミュニケーションを取る能力です。)
- 「前職の〇〇という経験から、チームワークの重要性を学びました」 → “From my experience as a [〇〇] in my previous job, I learned the importance of teamwork.”→ “My previous role as a [〇〇] taught me how crucial teamwork is to achieving great results.” (前職の〇〇としての役割は、素晴らしい結果を出すためにチームワークがいかに重要であるかを教えてくれました。)
機械翻訳(Google翻訳など)と上手に付き合うコツ
テクノロジーは非常に便利ですが、過信は禁物です。
- 単語や短いフレーズの訳を確認するには、非常に役立ちます。
- ビジネスメールやレジュメの長文をそのまま翻訳すると、不自然で、時に失礼な表現になってしまうことがあります。
- 最終的には必ず自分の目でチェックし、より自然な表現に修正する「ひと手間」が、あなたのプロフェッショナリズムを示します。
まとめ
転職活動における英語は、単なる「日本語の置き換え」作業ではありません。それは、ビジネス文化の違いを理解し、あなたの意図や熱意が、相手に最も正確に、そして魅力的に伝わるように、言葉を「再構築」していく知的なプロセスです。
直訳に頼らず、この記事でご紹介したような自然なフレーのコツを掴むことで、あなたのコミュニケーション能力は高く評価され、グローバルキャリアへの扉は、より大きく開かれることでしょう。