英語中級からの転職戦略｜「使えるスキル」としてアピールする仕事と方法

「英語の読み書きは、ある程度できる」

「日常会話レベルなら、なんとか…」

「でも、ビジネスで流暢に、と自信を持っては言えない」

そんな「英語中級」レベルのあなたは今、転職活動を前に、「この中途半端な英語力は、果たして武器になるのだろうか？」と、少しだけ、もどかしい気持ちを抱えているのではないでしょうか。

ご安心ください。その「英語中級」というあなたの現在地は、決してハンデではありません。むしろ、大きな伸びしろとポテンシャルを秘めた、非常に魅力的なスタートラインなのです。

この記事では、英語中級者であるあなたのための転職戦略ガイドとして、あなたのスキルが輝く具体的な仕事の選択肢から、その能力と将来性を効果的にアピールするための具体的な方法まで、分かりやすく解説していきます。

転職市場における「英語中級」とは？TOEICスコアと実務レベルの目安

まず、転職市場において「英語中級」が、一般的にどのくらいのレベルとして認識されているのか、その現在地を客観的に把握しておきましょう。

• TOEIC® L&Rスコアの目安:一般的に、600点～800点未満のスコアが、中級レベルの一つの目安とされています。
• できること（実務レベル）の目安:
  • リーディング: 英文メールや、比較的簡単な内容の資料であれば、要点を理解することができる。
  • ライティング: 定型的な内容や、過去のメールを参考にすれば、英文で返信を作成することができる。
  • リスニング: 相手に、ゆっくり、はっきりと話してもらえれば、Web会議などの要点を理解することができる。
  • スピーキング: 事前に準備をすれば、英語での自己紹介や、簡単な業務説明ができる。

大切なのは、「自分はまだ完璧ではない」と卑下するのではなく、**「この基礎力を土台に、さらに成長できる」**というポテンシャルを、あなた自身が認識することです。

企業が見ているのは「ポテンシャル」。あなたの「学習意欲」は最大の武器

企業が英語中級の人材を採用する際、現在の英語力そのものよりも、**「新しいことを学ぶ意欲」や「入社後に成長してくれる可能性」**といった、ポテンシャルを重視するケースが非常に多くあります。

「英語に抵抗がない」「学ぶ意欲がある」という姿勢こそが、あなたの最大の武器となるのです。

【職種マップ】英語中級者が輝ける、転職先の選択肢

では、具体的にどのような仕事が、英語中級からの「はじめの一歩」として、最適なのでしょうか。ポイントは、高度なスピーキング能力が必須ではない、しかし、日常的に英語に触れられる環境を選ぶことです。

① 貿易事務・国際物流

海外との輸出入に関する、定型的な書類の作成や、海外のパートナーとのメールでのやり取りが中心となる仕事です。実践的なビジネス英語の読み書きスキルを、着実に身につけることができます。

② メーカーの海外営業アシスタント・営業事務

海外営業担当者のサポート役として、英文での見積書や資料の作成、海外拠点との簡単なメールでの連携などを担います。第一線で活躍する先輩のそばで、グローバルなビジネスの流れを学ぶことができます。

③ 外資系企業の一般事務・アシスタント職

社内に外国籍の社員がいる環境に身を置くことで、日常的に英語のシャワーを浴びることができます。英語での簡単な電話の取り次ぎや、社内文書の読解など、少しずつ英語に触れる機会を増やしていくのに最適な環境です。

④ ITサポート・ヘルプデスク

外資系企業や、グローバルに事業を展開する企業で、社内外からのITに関する問い合わせに対応します。英語の技術マニュアルを読んだり、チャットやメールで対応したりと、読み書き中心の英語力が活かせます。

⑤ ホテル・観光業（バックオフィス・予約担当など）

海外からの宿泊予約のメール対応や、簡単な電話での問い合わせ対応など、フロントラインでの流暢な会話力よりも、正確な読み書き能力が求められるポジションから始めるのも良いでしょう。

「英語中級」を、ポテンシャルとして魅力的に伝えるアピール術

あなたの「伸びしろ」を、採用担当者に効果的に伝えるための、具体的なアピール方法です。

「正直さ」＋「できることの具体化」＋「学習意欲」

これが、英語中級者のアピールにおける「黄金の方程式」です。

職務経歴書での書き方

語学力の欄には、スコアだけでなく、**「できること」と「学ぶ意欲」**をセットで具体的に記述しましょう。

＜記述例＞

英語力： TOEIC L&R 750点（2024年5月取得）

・英文での定型的なメール対応、及び海外製品の技術マニュアルの読解が可能です。

・ビジネスレベルでのスピーキング能力向上を目指し、現在オンライン英会話を週3回受講中です。

面接での伝え方【例文付き】

面接では、自信のなさを隠すのではなく、それを前向きな成長意欲へと転換して語りましょう。

「あなたの英語力はどの程度ですか？」と聞かれたら

「はい、TOEICのスコアは750点です。現在の実務では、海外の技術資料を英語で読解し、製品仕様を理解するといった業務は問題なく行えます。一方で、海外の担当者とリアルタイムで議論を交わすような、高度なスピーキング能力は、まだ学習の途上にあると認識しております。しかし、貴社のようなグローバルな環境で一日も早く貢献したいという思いから、現在もビジネス英会話の学習を継続しており、この『伸びしろ』こそが、私の強みの一つだと考えております。」

「中級」から「上級」へ。転職活動と並行してできる英語力アップ法

• アウトプットの機会を増やす: オンライン英会話などを活用し、インプットした知識を「話す」練習を、意識的に増やしましょう。
• ビジネスシーンに特化する: 転職を希望する業界で使われる専門用語や、会議・プレゼンといった特定のシーンで使えるフレーズを集中的に学習するのが、最も効率的です。
• 目標を具体的にする: 「半年後にTOEIC800点を取る」「1年後には、英語で15分間の業務報告ができるようになる」といった、具体的で測定可能な目標を立てましょう。

「英語中級」は、大きな可能性を秘めたスタートライン

あなたの持つ「英語中級」というスキルは、決して中途半端なものではありません。それは、あなたがこれまで努力を積み重ねてきた証であり、そして、これから始まるグローバルキャリアへの、最も重要な「スタートライン」です。

多くの企業は、完成された人材だけでなく、自社で成長し、未来を共に創ってくれる、ポテンシャルの高い人材を求めています。

自信を持って、あなたの「伸びしろ」をアピールしてください。あなたの挑戦を、心から応援しています。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。