転職面接で避けたいNGワード：あなたの評価を下げる可能性のある言葉遣い

転職活動における面接は、あなたの経験やスキル、そして人となりを企業に直接アピールする絶好の機会です。しかし、良かれと思って発した言葉が、意図せず面接官にマイナスな印象を与えてしまうことも少なくありません。知らず知らずのうちに「NGワード」を使ってしまい、選考で不利になってしまう事態は避けたいものです。

この記事では、転職面接の様々なシーンで、つい使ってしまいがちだけれども避けるべき言葉や表現、そしてそれらをどのように言い換えれば良いのか、その理由とともに分かりやすく解説します。円滑なコミュニケーションと好印象に繋がる言葉選びを心がけ、自信を持って面接に臨みましょう。

なぜ「NGワード」に気をつける必要があるのか？

面接官は、あなたの言葉遣いを通じて、以下のような点を見ています。

• 社会人としての常識・ビジネスマナー: 適切な言葉遣いや敬語が使えるか。
• コミュニケーション能力: 相手に分かりやすく、かつ誤解を招かない表現ができるか。
• 仕事への取り組み姿勢: 前向きで主体的な姿勢か、あるいは他責的・受動的な傾向がないか。
• 企業文化への適合性: 自社の社風や価値観に合う人物か。
• 自己評価の客観性: 自分自身を客観的に捉えられているか、過度な自信や卑下がないか。

不用意な言葉遣いは、これらの評価に影響を与え、あなたの本来の魅力が伝わらなくなる可能性があります。

【シーン別】転職面接で注意したいNGワードと言い換え例

面接の様々な場面で気をつけたいNGワードと、より好印象を与えるための言い換え例をご紹介します。

1. 退職理由・転職理由を語る際のNGワード

• NGワード例:
  • 「給料が安かったので」「残業が多すぎたので」「休みが少なかったので」 (待遇面への不満のみを強調)
  • 「上司と合わなかったので」「人間関係が悪かったので」「社風が嫌だったので」 (他責的、協調性への懸念)
  • 「仕事がつまらなかったので」「やりがいを感じられなかったので」 (主体性の欠如、曖昧な表現)
  • 「ノルマがきつかったので」「プレッシャーに耐えられなかったので」 (ストレス耐性への懸念)
  • 「会社の将来性がないと思ったので」 (一方的な批判、情報源の不明確さ)
• なぜNGなのか？:
  • 単なる不平不満や他人のせいにしているように聞こえ、問題解決能力や主体性の低さを疑われる可能性があります。
  • 待遇面だけを理由にすると、仕事内容や企業への貢献意欲が低いと見なされることがあります。
• 好印象な言い換え・伝え方のポイント:
  • ネガティブな理由はポジティブな動機に転換する:
    • 例：「給料が安かった」→「これまでの経験や成果を正当に評価していただき、より高いモチベーションで貢献できる環境を求めております」
    • 例：「仕事がつまらなかった」→「より自分の〇〇という強みを活かし、△△の分野で主体的に貢献できる仕事に挑戦したいと考えております」
  • 自身の成長やキャリアプランと結びつける:
    • 例：「現職では〇〇という経験を積むことができましたが、さらなるステップアップとして、貴社のような△△の環境で□□のスキルを磨きたいと考えております」
  • 客観的な事実と、そこから何を学んだかを伝える:
    • 例：「業界全体の構造変化の中で、現職の事業モデルに限界を感じ、より将来性のある貴社の〇〇という分野に強い関心を持ちました。その中で自身の△△という経験が活かせると考えております」
  • 人間関係については、直接的な批判を避け、求める環境を伝える:
    • 例：「よりチームワークを重視し、メンバー同士が建設的な意見を交わしながら目標達成を目指せる環境で働きたいと考えております」

2. 志望動機を語る際のNGワード

• NGワード例:
  • 「御社の将来性に惹かれました」「安定していると思ったので」 (受け身、具体的な貢献意欲が見えない)
  • 「家から近いので」「残業が少ないと聞いたので」 (自己都合のみ、仕事への関心が薄い印象)
  • 「勉強させてほしい」「成長させてほしい」 (企業は学校ではない、貢献意識の欠如)
  • 「御社で何かできることがあれば」 (主体性のなさ、企業研究不足)
  • 「御社の製品が好きだから」 (消費者目線に留まり、ビジネス貢献の視点が薄い)
• なぜNGなのか？:
  • 企業への貢献意欲や、具体的な入社後のビジョンが見えず、入社への本気度が低いと判断される可能性があります。
  • 自己中心的な理由に終始すると、企業側のメリットが感じられません。
• 好印象な言い換え・伝え方のポイント:
  • 企業の理念や事業内容への具体的な共感を示す:
    • 例：「貴社の『〇〇』という企業理念に深く共感し、私のこれまでの△△という経験が、その理念実現の一助となると確信しております」
  • 自分のスキルや経験がどう活かせるかを具体的に結びつける:
    • 例：「貴社の〇〇という事業において、私が前職で培った△△のスキルを活かし、□□といった形で貢献できると考えております」
  • 入社後の具体的な貢献イメージを語る:
    • 例：「入社後は、まず〇〇の業務で成果を出し、将来的には△△の分野で新しい価値を創造していきたいです」
  • 「なぜこの会社でなければならないのか」を明確に:
    • 例：「同業他社の中でも、特に貴社の〇〇という点に強く惹かれ、ここでしかできない△△に挑戦したいと考えております」

3. 自己PR・長所短所を語る際のNGワード

• NGワード例:
  • 「特にありません」「分かりません」 (自己分析不足、意欲の低さ)
  • 「コミュニケーション能力が高いです」「真面目です」 (抽象的、具体性がない)
  • （短所として）「頑固です」「飽きっぽいです」 (改善努力が見えない、仕事に支障が出そう)
  • （長所として）自慢話に終始する、根拠のない自信過剰な表現。
• なぜNGなのか？:
  • 自己理解が浅い、あるいはアピールする意欲がないと見なされます。
  • 具体的なエピソードがないと、言葉に説得力がありません。
  • 改善の余地がない、あるいは仕事に不向きな短所はマイナス評価に繋がります。
• 好印象な言い換え・伝え方のポイント:
  • 長所は具体的なエピソードと成果をセットで:
    • 例：「私の強みは目標達成に向けた粘り強さです。前職で〇〇という困難な状況に直面した際も、△△という工夫を重ね、最終的に□□という成果を出すことができました」
  • 短所は正直に認め、改善努力を具体的に伝える:
    • 例：「私の短所は、時に慎重になりすぎてしまう点です。この点を改善するため、現在はタスクに優先順位をつけ、関係者への早期相談を心がけることで、より迅速な意思決定ができるよう努めております」
  • 客観的な視点を取り入れる:
    • 例：「周囲からは『〇〇な人だ』と言われることが多いです。これは△△という経験からきていると考えております」

4. 質疑応答・逆質問の際のNGワード

• NGワード例:
  • （質問に対して）「えーっと…」「あのー…」といった口癖の多用。
  • （逆質問で）「特にありません」
  • （逆質問で）調べればすぐに分かること（給与や休日など、企業のHPに明記されている情報）。
  • （逆質問で）面接官を試すような質問、批判的な質問。
  • 「はい」「いいえ」だけで終わる単調な回答。
• なぜNGなのか？:
  • コミュニケーション能力や思考力、入社意欲の低さを感じさせます。
  • 企業への関心が薄いと判断される可能性があります。
• 好印象な言い換え・伝え方のポイント:
  • 質問の意図をしっかり理解し、的確に答える。
  • 結論から話し、理由や具体例を続ける（PREP法など）。
  • 逆質問は、企業への関心や入社後の働くイメージを具体化するための質問をする:
    • 例：「入社前に特に勉強しておくべきことや、キャッチアップしておくと良い知識・スキルはございますでしょうか？」「〇〇様（面接官）が、この会社で働いていて最もやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか？」

5. その他、全般的に避けたい言葉遣い

• 若者言葉、略語、馴れ馴れしい言葉遣い: ビジネスシーンにふさわしくありません。
• 専門用語の多用（相手に配慮せず）： 面接官が必ずしもあなたの専門分野に詳しいとは限りません。分かりやすい言葉で説明しましょう。
• 曖昧な表現、自信のない話し方: 「～だと思います」「～かもしれません」といった表現は、自信のなさや責任感の欠如と受け取られることがあります。断定的な表現を心がけ、ハキハキと話しましょう。
• 一方的な話し方、相手の話を遮る行為。

言葉遣いはあなたの「人となり」を映す鏡

面接での言葉遣いは、あなたの知識や経験だけでなく、人柄や仕事への取り組み姿勢、そして他者への配慮といった「人間力」を映し出す鏡のようなものです。無意識のうちに使っている言葉が、実は相手にマイナスな印象を与えている可能性もゼロではありません。

事前に自分の話し方の癖を客観的に把握したり、模擬面接などで第三者からフィードバックをもらったりすることも有効です。

まとめ：言葉を選び、誠実なコミュニケーションで信頼を勝ち取る

転職面接で「NGワード」を避けることは、単に失点を防ぐだけでなく、あなたの魅力やポテンシャルを最大限に伝え、採用担当者との良好なコミュニケーションを築くための第一歩です。

この記事で紹介したポイントを参考に、それぞれの質問の意図を深く理解し、あなた自身の言葉で、具体的かつ前向きなメッセージを伝えられるように準備しましょう。丁寧な言葉遣いと誠実な態度は、きっとあなたの転職活動を成功へと導いてくれるはずです。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。