転職面接にローファーはOK？足元で失敗しないための靴選びマナー

転職活動における面接は、あなたの第一印象が試される重要な場です。スーツや髪型といった身だしなみはもちろんのこと、「足元」つまり靴選びも、採用担当者に与える印象を左右するポイントの一つとなります。「普段履き慣れているローファーで面接に行っても大丈夫だろうか…」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、転職面接の際にローファーを履いて行っても良いのか、一般的なビジネスマナーとしての許容範囲、そして男女別に面接に適した靴選びの基本について、分かりやすく解説します。

なぜ面接で「靴選び」が重要なのか？

「おしゃれは足元から」という言葉があるように、靴は意外と人の目につきやすく、その人の清潔感やTPOをわきまえる意識、そして仕事への真摯な姿勢などを反映すると考えられています。

企業が面接で足元を見ているポイント：

• 清潔感: 汚れや傷がなく、きちんと手入れされているか。
• TPOへの配慮: 面接というフォーマルな場にふさわしい靴を選んでいるか。
• 社会人としての常識: ビジネスマナーを理解しているか。
• 細部への気配り: 全体的な身だしなみの一部として、足元まで気を配れる人物か。

だらしない印象の靴や場違いな靴は、それだけでマイナスな評価に繋がってしまう可能性も否定できません。

転職面接におけるローファーの一般的な位置づけ

ローファーは、紐がなく着脱が容易で、デザインによってはカジュアルな印象も与える靴です。そのため、転職面接のようなフォーマルなビジネスシーンにおいては、原則として避けた方が無難というのが一般的な見解です。

特に以下のような場合は、ローファーの着用は推奨されません。

• 金融業界、公務員、老舗企業など、比較的堅い社風の企業・業界の面接
• 営業職や役員秘書など、顧客や上層部と接する機会の多い職種の面接
• 最終面接など、よりフォーマルさが求められる選考段階

企業側から「服装自由」や「私服でお越しください」といった指示がない限り、男女ともに、よりフォーマルな印象を与える靴を選ぶのが賢明です。

なぜローファーは面接で避けた方が良いとされるのか？

ローファーが面接に不向きとされる主な理由は、その成り立ちやデザインが持つ「カジュアルさ」にあります。

• 紐靴に比べてカジュアルな印象: ビジネスシーンにおける革靴は、紐で結ぶタイプ（レースアップシューズ）が最もフォーマルとされています。ローファーはスリッポンの一種であり、紐靴よりもカジュアルな位置づけになります。
• 学生靴のイメージ: 特にコインローファーなどは、学生が履く靴というイメージが強く残っている場合があり、ビジネスシーンでの着用に違和感を覚える採用担当者もいます。
• デザインによってはラフすぎる: タッセルローファーやビットローファーなど、装飾性の高いものは、よりカジュアルな印象を与える可能性があります。

もちろん、業界や企業の社風、職種によっては、ローファーが許容されるケースもゼロではありません（例えば、アパレル業界やクリエイティブ系の職種、社内でのカジュアルな面談など）。しかし、応募先の企業がどのような価値観を持っているか事前に正確に把握するのは難しいため、迷った場合はよりフォーマルな靴を選ぶのが無難な選択と言えるでしょう。

【男性編】転職面接に適した靴の選び方

男性の場合、転職面接では黒または濃い茶色の革靴で、紐で結ぶタイプの内羽根ストレートチップかプレーントゥが最もフォーマルで、どのような業界・企業にも対応できる基本的な選択となります。

• 種類:
  • ストレートチップ（内羽根式）： つま先に一本線の切り替えがあるデザイン。最もフォーマル度が高いとされています。
  • プレーントゥ（内羽根式または外羽根式）： つま先に装飾がないシンプルなデザイン。ストレートチップに次いでフォーマルな印象です。
  • 外羽根式は内羽根式に比べてややカジュアルな印象になりますが、ビジネスシーンでは許容範囲です。
• 色: 黒が無難で最もフォーマルです。濃い茶色も、スーツの色（ネイビーやグレーなど）と合っていれば問題ありません。
• 素材: 本革または質の良い合成皮革。
• 手入れ: 面接前には必ずきれいに磨き、汚れや傷がないか、かかとがすり減っていないかを確認しましょう。

【女性編】転職面接に適した靴の選び方

女性の場合、転職面接では黒や紺、ベージュなどの落ち着いた色のシンプルなパンプスが基本です。

• 種類: プレーンなパンプス。
• 色: 黒が無難で最もフォーマルです。紺やベージュ、グレーなども、スーツや服装全体の色と調和していれば問題ありません。
• 素材: 本革または質の良い合成皮革。エナメル素材やスエード素材は、業界や企業の雰囲気によっては避けた方が無難な場合もあります。
• ヒールの高さ: 3～5cm程度のミドルヒールが、歩きやすく、かつフォーマルな印象を与えます。高すぎるヒールやピンヒール、逆にぺたんこすぎるフラットシューズは、面接の場にはあまり適していません。
• デザイン: つま先が尖りすぎていないラウンドトゥやアーモンドトゥ、スクエアトゥなどが一般的です。オープントゥやサンダル、ミュール、ウェッジソール、派手な装飾（大きなリボンやバックルなど）のあるものは避けましょう。
• 手入れ: 面接前には必ずきれいに磨き、汚れや傷がないか、ヒールのかかとがすり減っていないかなどを確認しましょう。

「服装自由」「私服でお越しください」と言われた場合の靴選び

企業から服装について「自由」や「私服」といった指示があった場合でも、面接というビジネスシーンであることを忘れず、TPOをわきまえた靴選びが大切です。

• 男性: オフィスカジュアルに合う、きれいめの革靴（ローファーもデザインや素材によっては可だが、迷ったら紐靴が無難）や、シンプルなデザインのレザースニーカー（ただし、企業や業界による）などが考えられます。
• 女性: オフィスカジュアルに合う、シンプルなパンプスや、落ち着いたデザインのローファー（装飾が少なく上品なもの）、あるいはきれいめのフラットシューズなどが選択肢に入ります。

いずれの場合も、**「清潔感」と「ビジネスシーンにふさわしい節度」**がキーワードです。ラフすぎるスニーカーやサンダルは避けましょう。企業の社風や職種を事前にリサーチし、それに合わせた靴を選ぶことが重要です。

オンライン面接（Web面接）の場合の靴

オンライン面接では、基本的に足元は画面に映りません。そのため、靴を履く必要はありません。ただし、服装全体とのバランスや、面接に臨む気持ちの切り替えとして、自宅であっても上半身だけでなく、下半身も面接にふさわしい服装（スーツのパンツやスカートなど）を着用することが推奨されます。その流れで、もし靴を履くのであれば、対面の面接と同様の基準で選ぶと良いでしょう（ただし、必須ではありません）。

まとめ：足元は意外と見られている！清潔感とTPOを意識した靴選びを

転職面接における靴選びは、些細なことのように思えるかもしれませんが、あなたの第一印象や社会人としての常識を伝える上で、決して軽視できないポイントです。

原則として、ローファーはカジュアルな印象を与えるため、フォーマルな場である転職面接では避けるのが無難です。男女ともに、清潔感があり、TPOをわきまえた、ビジネスシーンにふさわしい靴を選びましょう。

服装全体のバランスを考え、手入れの行き届いた靴で面接に臨むことは、あなた自身に自信を与え、落ち着いて面接に集中するための一助ともなります。足元まで気を配り、万全の準備で新しいキャリアへの扉を開いてください。

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岩下隼人

ロイヤル合同会社　代表

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ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。