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村上ファンド・村上世彰の「名言」から学ぶ投資哲学|「お金儲けは悪いことですか?」の真意とは

岩下隼人
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優れた投資家は、その運用成績だけでなく、自らの投資哲学を凝縮した「言葉」によっても、人々の記憶に刻まれます。”物言う株主”として一時代を築いた「村上ファンド」の創業者、村上世彰氏もまた、その一人です。

彼の言葉は、時に挑発的で、時に本質を鋭く突き、日本の企業社会や株式市場に大きな議論を巻き起こしました。

この記事では、株式投資を始めたばかりの初心者の方にも分かりやすく、村上氏が残した数々の「名言」を紐解きながら、その言葉に込められた真意と、私たち個人投資家がそこから何を学ぶべきかを探っていきます。

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名言①:「お金儲けって、そんなに悪いことですか?」

「ものすごく儲けました。それで、皆さんから、『村上さん、あんたは金儲けのことしか考えてない』と言われるかもしれない。でも、それじゃあ、お金儲けって、そんなに悪いことですか?」

【背景】

この言葉は、村上氏の数ある名言の中でも、最も有名で、最も象徴的なものでしょう。2006年、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引容疑で、東京地検特捜部の強制調査を受けた直後の記者会見。涙ながらに、彼は社会全体にこう問いかけました。

【言葉の真意】

この言葉の裏には、単なる自己弁護を超えた、当時の日本社会に対する根源的な問いかけがありました。当時の日本では、汗水流して働く労働は尊いとされる一方で、投資やお金そのもので利益を上げることは「不労所得」や「あぶく銭」と見なされ、どこか後ろめたいものだ、という風潮が根強くありました。

彼の問いかけは、「正当な経済活動として、知恵とリスクテイクによって利益を追求することは、なぜ非難されなければならないのか?」という、日本の価値観そのものへの挑戦だったのです。

【個人投資家への教訓】

株式投資の目的は、資産を増やすことです。その目的を、恥ずかしがる必要は全くありません。しかし、この名言が同時に教えてくれるのは、「その儲け方が、フェアなルールに基づいているか」という点です。ルールを破ってまで得た利益は、決して社会から受け入れられない。この事件は、その厳しさを私たちに教えてくれます。

名言②:「会社は、株主のものです」

「物言う株主として、言うべきことは言い、株主の利益を最大化する。なぜなら、会社は、その所有者である株主のものですから」

【背景】

これは、村上氏が一貫して主張し続けた、彼の投資哲学の根幹をなす言葉です。彼は、投資先企業の経営者に対し、面と向かってこの言葉を突きつけ、経営改革を迫りました。

【言葉の真意】

この言葉は、「株主資本主義(シュアホルダー・キャピタリズム)」という考え方を、端的に表しています。会社にリスクを取って資金を提供しているのは、株主です。したがって、会社の究極的な所有者は株主であり、経営者は、その株主から経営を委任された「代理人」に過ぎない。だから、経営者は株主の利益を最大化する義務を負っている、という論理です。

これは、当時「会社は従業員や取引先、地域社会みんなのもの」という共同体的な意識が強かった日本の企業社会に、真っ向から対立する考え方であり、大きな議論を巻き起こしました。

【個人投資家への教訓】

たとえ一株でも、その会社の株を持てば、あなたは会社の正当な「オーナー」の一人です。そして、オーナーとして、会社の経営に関心を持ち、株主総会で議決権を行使するなどの「権利」を持っています。この「株主としての権利意識」を持つことが、投資家としての第一歩です。

名言③:「眠っている資産は罪である」

(※これは直接的な発言ではありませんが、彼の投資哲学を要約した言葉として有名です)

【背景】

この言葉は、彼が投資先企業を選ぶ際の、最も重要な「物差し」を象徴しています。

【言葉の真意】

彼が言う「眠っている資産」とは、企業が事業で稼ぎながらも、有効な成長投資や株主還元に使うことなく、ただ銀行口座に溜め込んでいるだけの豊富な現預金や、都心の一等地にある価値ある不動産、付き合いで保有している政策保有株式などのことです。

これらの資産は、株主から預かった資本であるにもかかわらず、全く利益を生んでいません。彼は、この状態を「株主に対する義務を放棄した、罪深い経営だ」と考え、その資産を解放(株主に還元)させることを、自らの使命としていました。

【個人投資家への教訓】

企業の価値を分析する際、売上や利益といった損益計算書(P/L)だけでなく、その会社が**どのような資産を持っているかを示す貸借対照表(B/S)**に注目しましょう。そこに、株価に反映されていない「眠れるお宝」が隠されているかもしれません。プロの投資家と同じように、企業の「資産」に目を向ける習慣が、あなたの投資の視野を大きく広げます。

まとめ

村上世彰氏が残した数々の名言。それは、単なる過激な発言ではなく、彼の明晰な頭脳と、当時の日本社会に対する強い問題意識から生まれた、一貫した投資哲学の表れでした。

  • お金儲けの正当性
  • 株主としての権利
  • 資本効率の重要性

彼が20年前に投げかけたこれらの問いは、皮肉にも、現在の東京証券取引所が推し進める「PBR改革」などで、市場の「常識」として再び脚光を浴びています。

時代の先を行き過ぎた彼の言葉の真意を理解することは、現代の株式投資をより深く、そして本質的に捉えるための、最高の道しるべとなるでしょう。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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