【初心者向け】株主総会とは?フジ・メディア・ホールディングスの事例で学ぶ、会社の成績発表会に参加する方法
「フジ・メディア・ホールディングスの株主になったけど、株主総会って何をする場所?」
「案内状が届いたけど、参加しないといけないの?」
株式投資を始めると、年に一度やってくる大きなイベントが「定時株主総会」です。これは、会社のオーナーである株主にとって、投資先の「今」と「未来」を知るための最も重要な機会と言っても過言ではありません。
この記事では、株式投資初心者の方にも分かりやすく、
- そもそも「株主総会」とは何か?
- フジ・メディア・ホールディングスの株主総会では何が話し合われるのか?
- 株主として、この重要なイベントにどう参加すれば良いのか?
といった点を、基本から丁寧に解説していきます。
そもそも「株主総会」とは?~会社の年に一度の成績発表会~
株主総会とは、会社の経営陣が、その会社のオーナーである株主に対して、1年間の経営成績を報告し、配当金の額や役員の選任といった会社の重要な方針について、株主の承認を得るための場です。 株式会社における「最高意思決定機関」とされ、いわば「会社の年に一度の成績発表会&今後の方針説明会」と考えると分かりやすいでしょう。
多くの日本企業は3月期決算のため、定時株主総会は6月下旬に集中して開催されます。フジ・メディア・ホールディングスの第84回定時株主総会も、2025年6月25日に開催されました。
フジ・メディア・ホールディングスの株主総会で話し合われること
では、具体的に株主総会ではどのようなことが話し合われるのでしょうか。フジ・メディア・ホールディングスの最近の総会で議題となった「議案」を例に見ていきましょう。
会社からの提案(会社提案)
経営陣から株主に対して「これらの重要事項を決定したいのですが、承認していただけますか?」と諮られる議案です。
- 剰余金の処分の件主に「1株あたり〇〇円の配当金をお支払いしますがいいですか?」という、株主の配当金に関する議案です。
- 定款一部変更の件会社の基本的なルールブックである「定款」を変更する議案です。例えば、「相談役・顧問制度を廃止します」といった、会社の**企業統治(コーポレート・ガバナンス)**に関わる重要な変更が含まれることがあります。
- 取締役選任の件「この人たちを新しい経営メンバーに迎えたいのですが、いいですか?」という、会社の舵取りを任せる人物を決める議案です。
株主からの提案(株主提案)
議案は会社側からだけでなく、一定数以上の株式を持つ他の株主から提出されることもあります。特に、経営陣に対して積極的に改革を求める「物言う株主(アクティビスト)」からの提案は、市場の大きな注目を集めます。
フジ・メディア・ホールディングスの2025年の株主総会では、米国の投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」から、**「SBIHD会長兼社長の北尾吉孝氏などを含む会社提案とは異なる独自の取締役候補12人」**などを求める株主提案が出されました。
このように、会社提案と株主提案、両方の言い分を知ることで、その会社が今どのような経営課題に直面し、どのような議論が行われているのかが、より立体的に見えてきます。(※この株主提案は、総会の採決の結果、否決されました)
株主総会への3つの参加方法
株主総会は、株主としてのあなたの意思を会社に伝える大切な機会です。参加方法は、主に3つあります。
- 会場に出席して参加するフジ・メディア・ホールディングスの総会は、例年、お台場のホテルで開催されます。 社長や役員の話を直接聞き、その場の雰囲気を肌で感じることができる貴重な機会です。(※注意:以前はお土産を配る企業も多くありましたが、近年は廃止する傾向にあり、フジ・メディア・ホールディングスもお土産の用意はありません。)
- 議決権行使書(ハガキ)を郵送する総会に出席できない場合でも、事前に送られてくる「株主総会招集通知」に同封の「議決権行使書面」に、各議案への賛成・反対を記入して返送すれば、議決権を行使できます。
- インターネットで投票する案内状に記載の専用サイトにアクセスすれば、スマートフォンやPCから24時間いつでも手軽に投票できます。 期限内であれば、一度投票した後でも修正できるので便利です。
投資家として株主総会とどう向き合うか
株主総会とその案内状(招集通知)は、あなたの投資先を深く知るための情報が満載の「宝の山」です。
- 会社の「健康診断書」として活用する事業報告を読めば、この1年間でどの事業が好調で、どこが不調だったのか、会社の健康状態をチェックできます。
- 経営陣のビジョンを知る社長の挨拶や議案の内容から、会社が今後どこへ向かおうとしているのか、経営陣の考えやビジョンを直接知ることができます。
- 小さな一票でも意思表示を「自分の持っている株数なんて少ないから…」と思う必要はありません。株主一人ひとりの意思表示が集まることで、会社の経営に影響を与え、企業統治を健全に保つ力となります。議決権の行使は、株主の最も重要な権利であり、責任でもあるのです。
まとめ
今回は、年に一度の重要なイベントである「株主総会」について、フジ・メディア・ホールディングスの事例を交えて解説しました。
- 株主総会は、会社の1年間の成績が報告され、配当金や役員など、経営の重要方針が決定される、株式会社の最高意思決定機関です。
- フジ・メディア・ホールディングスの株主総会では、会社提案だけでなく、アクティビスト(物言う株主)からの株主提案もあり、経営を巡る活発な議論が行われています。
- 会場への出席、郵送、インターネットなど、様々な方法で議決権を行使し、会社の経営に参加することは、株主にとって非常に重要な権利です。
次に株主総会の案内状が届いたら、ぜひ封筒を開けてじっくりと目を通してみてください。あなたの投資が、ただの資産運用から、社会や企業と関わる、よりダイナミックで面白いものに変わるはずです。