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【会社の歴史を知る】フジ・メディア・ホールディングスの沿革|テレビの黄金期から持株会社への道

岩下隼人
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株式投資で企業を分析するとき、現在の業績や将来性だけでなく、その会社がどのような「歴史(沿革)」を歩んできたのかを知ることは、企業の文化やDNA、そして未来を読み解く上で非常に重要です。

今回は、日本のテレビ業界をリードしてきた「フジ・メディア・ホールディングス」(東証コード: 4676)の沿革を、まるで大河ドラマを観るように、その誕生から黄金時代、そして現代に至るまでの物語を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

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誕生〜テレビ放送の黎明期(1950年代〜1960年代)

フジ・メディア・ホールディングスの物語は、日本のテレビ放送の幕開けと共に始まります。

  • 1957年: 株式会社ニッポン放送と株式会社文化放送が中心となり、映画会社なども参加して「株式会社富士テレビジョン」が設立されました。
  • 1959年: 商号を「株式会社フジテレビジョン」に変更し、3月1日に関東地区で本放送を開始。 ここに、のちのテレビ界の王者が産声を上げました。
  • 1960年代: 国産初のテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』(1963年)や、今なお続く国民的アニメ『サザエさん』(1969年)の放送を開始。 この頃から、フジテレビの「アニメ制作力」は業界でも際立っていました。

テレビの黄金時代と「楽しくなければテレビじゃない」(1980年代)

1980年代、フジテレビはまさに黄金時代を迎えます。「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチフレーズに、斬新で挑戦的な番組を次々と世に送り出しました。

  • ヒット番組の連発: 『オレたちひょうきん族』(1981年)や、お昼の代名詞となった『森田一義アワー 笑っていいとも!』(1982年)など、社会現象となるほどの人気番組を連発。
  • 視聴率三冠王: この勢いに乗り、1982年から12年間にわたって、ゴールデンタイム・プライムタイム・全日の全ての時間帯で視聴率トップとなる「年間三冠王」を達成。 「テレビといえばフジテレビ」という時代を築き上げました。

お台場への移転とM&Aの攻防(1990年代〜2000年代)

時代のトップを走り続けるフジテレビは、新たなステージへと進みます。

  • 1997年: 本社を長年親しまれた新宿区河田町から、現在の港区台場にある特徴的なデザインの新社屋へと移転。 同年、東京証券取引所第一部に上場を果たします。
  • 2005年: 日本のM&A史に残る大きな事件が勃発します。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったIT企業のライブドアが、フジテレビの親会社であったニッポン放送の株式を大量に取得し、経営権を狙う「敵対的買収」を仕掛けたのです。 この買収劇は、フジテレビ側に激しい防衛戦を強いることとなり、日本中の注目を集めました。

持株会社体制へ〜現代のフジ・メディア・ホールディングス〜

ライブドアによる買収騒動は、フジテレビの経営体制を大きく変えるきっかけとなりました。

  • 2008年: 外部からの敵対的買収に対抗し、グループ全体の経営をより強固にするため、日本で初めての「認定放送持株会社」へと移行。商号を現在の「株式会社フジ・メディア・ホールディングス」に変更しました。 これにより、フジ・メディア・ホールディングスがグループ全体の戦略を担う司令塔となり、その傘下にテレビ放送事業を行う新生「株式会社フジテレビジョン」などを置く、現在の体制が確立されました。
  • 2012年以降: テレビ事業を取り巻く環境が変化する中、経営の安定化を図るため、不動産事業を手掛ける「株式会社サンケイビル」を連結子会社化するなど、事業の多角化を進めています。

投資家として「沿革」から何を学ぶか

企業の沿革を知ることは、投資家にとって多くのヒントを与えてくれます。

  • 企業のDNAを理解する: フジ・メディア・ホールディングスの歴史からは、挑戦的なコンテンツを生み出してきた「クリエイティブなDNA」と、厳しい買収防衛を乗り越えてきた「したたかな経営戦略」の両面が見えてきます。
  • 現在の課題の背景を知る: テレビの黄金時代を知ることで、なぜ今、テレビ業界が変革を求められているのか、その背景がより深く理解できます。
  • 未来の戦略を予測する: 過去にどのような経営判断をしてきたかを知ることは、その企業が未来にどのような手を打ってくるのかを予測する上での重要な判断材料となります。

まとめ

今回は、フジ・メディア・ホールディングスの誕生から現在に至るまでの「沿革」をたどりました。

  • フジ・メディア・ホールディングスの歴史は、日本のテレビ放送の歴史そのものであり、数々の国民的番組と共に黄金時代を築いてきました。
  • 2005年のライブドアによる敵対的買収騒動は、同社が現在の「持株会社」体制へ移行する大きなきっかけとなりました。
  • 現在は、主力のメディア事業に加え、不動産事業などを強化することで、時代の変化に対応しようとしています。

企業の沿革は、その会社の「生き様」そのものです。投資を検討する際には、ぜひその会社の歴史を一度紐解いてみてください。数字だけでは見えてこない、企業の個性や底力がきっと見えてくるはずです。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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