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【お台場だけじゃない】フジ・メディア・ホールディングスの「保有不動産」その価値と株価への影響

岩下隼人
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「フジ・メディア・ホールディングス」と聞けば、誰もがお台場にそびえ立つ、球体が特徴的なフジテレビ本社ビルを思い浮かべるでしょう。しかし、同社が保有する不動産は、それだけではありません。

実は、フジ・メディア・ホールディングスは、その企業価値の大きな部分を占める、**広範囲かつ優良な「保有不動産」**を持つ、日本有数の“不動産リッチ”な企業なのです。

この記事では、株式投資初心者の方にも分かりやすく、

  • フジ・メディア・ホールディングスは、他にどんな不動産を持っているのか?
  • なぜ、この「保有不動産」が投資家にとって非常に重要なのか?
  • 不動産が、今後の株価を動かす「鍵」となるとはどういうことか?

といった点を、基本から丁寧に解説していきます。

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フジ・メディア・ホールディングスの「不動産事業」の正体

フジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)の不動産事業は、「都市開発・観光事業」というセグメント(事業部門)で展開されており、その中核を担っているのが、総合不動産デベロッパーである完全子会社の「株式会社サンケイビル」です。

サンケイビルは、オフィスビルの開発や賃貸だけでなく、住宅、ホテル、物流施設など、非常に幅広い不動産ビジネスを手掛けています。

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では、具体的にどのような不動産を保有しているのでしょうか。代表的なものをいくつか見てみましょう。

1. オフィスビル・商業施設

東京・大手町にある「東京サンケイビル」や、大阪・西梅田のランドマーク「ブリーゼタワー」など、大都市の一等地に複数の大型オフィスビルや商業施設を保有・運営しています。 これらから得られる安定した賃料収入は、同社の重要な収益源です。

2. ホテル・レジャー施設

子会社の「株式会社グランビスタ ホテル&リゾート」を通じて、札幌グランドホテルやホテルインターゲートといったシティホテルから、鴨川シーワールドのような大型レジャー施設まで、全国で多彩な施設を運営しています。

3. フジテレビの放送施設

そしてもちろん、お台場のフジテレビ本社屋や、江東区青海にある国内最大級のテレビスタジオ「フジテレビ湾岸スタジオ」も、FMHグループが保有する巨大な不動産資産です。

なぜ、この「保有不動産」が投資家にとって重要なのか?

投資家がFMHの保有不動産に注目する理由は、大きく2つあります。

理由1:経営の「安定装置」としての役割

テレビCMの広告収入などを主力とするメディア事業は、景気の動向や業界トレンドによって業績が大きく変動する可能性があります。

それに対し、オフィスビルの賃料収入などは、比較的安定的で、継続的な利益を生み出すことができます。実際に、近年のFMHの決算を見ると、メディア事業が苦戦する一方で、この不動産事業がグループ全体の利益をしっかりと下支えしており、経営の「安定装置」として非常に重要な役割を果たしています。

理由2:「隠れた資産価値」の宝庫

こちらが、多くの投資家、特に「物言う株主(アクティビスト)」などが注目する、より重要なポイントです。

企業が保有する不動産は、会計上、購入した時の価格(簿価)を基に貸借対照表に記載されています。しかし、特にサンケイビルが保有する都心の一等地の物件などは、購入時から何十年も経ち、実際の市場価値(時価)が、帳簿上の価格をはるかに上回っていると考えられています。

この、帳簿には現れていない「含み益」こそが、FMHの「隠れた資産価値」なのです。

この隠れた資産価値の存在により、FMHの株価は、会社が持つ純資産の価値と比べて著しく割安な状態(いわゆるPBR1倍割れ)で放置されている、と多くの投資家は考えています。

「保有不動産」が、今後の株価をどう動かす?

「割安」であることは分かりましたが、それがどう株価の上昇につながるのでしょうか。鍵となるのは、この「隠れた資産」をどう活用していくか、という経営判断です。

投資家が期待しているのは、以下のようなシナリオです。

  • 不動産の売却と株主還元: 保有する不動産の一部を、高い市場価値で売却する。そして、その売却で得た巨額の現金を、株主に「自社株買い」や「増配(配当金の増額)」といった形で還元する。
  • 不動産の再開発: 価値ある土地をさらに有効活用するため、大規模な再開発を行い、将来の収益性をさらに高める。

こうした具体的なアクションが発表されたとき、これまで株価に十分に反映されてこなかった不動産の価値が顕在化し、市場の評価が一変して、株価が大きく上昇する可能性があるのです。

まとめ

今回は、フジ・メディア・ホールディングスの「隠れた強み」である、保有不動産について解説しました。

  • フジ・メディア・ホールディングスは、中核子会社のサンケイビルを通じて、オフィスビルやホテルなど、非常に価値の高い不動産を多数保有しています。
  • この不動産事業は、経営の安定収益源であると同時に、その莫大な「含み益(隠れた資産価値)」から、同社の株価が「割安」であると評価される大きな要因となっています。
  • 投資家としては、同社が今後、この豊富な不動産資産をどう活用し、企業価値の向上や株主還元につなげていくかが、最大の注目点となります。

「フジ・メディア・ホールディングスに投資することは、テレビ局だけでなく、都心の大家さんにも投資すること」。この視点を持つことで、あなたの企業分析はより深く、的確なものになるでしょう。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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