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【初心者向け】これだけは知っておきたい企業買収の用語集!「ポイズンピル」も分かりやすく解説

岩下隼人
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株式投資を始めると、ニュースで「敵対的買収」や「TOB」、「ポイズンピル」といった言葉を頻繁に目にするようになります。「何だか難しそう…」と、つい読み飛ばしてしまってはいないでしょうか?

実は、これらの企業買収に関する用語は、株価を大きく動かす重要なイベントの裏側を理解するためのカギとなります。

この記事では、株式投資初心者のあなたに向けて、

  • 最低限知っておきたい、企業買収の基本用語
  • ニュースの主役になりやすい最重要用語「ポイズンピル」の仕組み
  • 合わせて覚えたい、ユニークな買収防衛用語

などを、一つの用語集のように分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、複雑に見える企業買収のニュースが、もっと面白く、深く理解できるようになるはずです。

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まずは基本から!「企業買収」のキホン用語

ポイズンピルの話に入る前に、まずは基本となる用語を押さえましょう。これらを知っているだけで、ニュースの概要がつかめるようになります。

M&A(エムアンドエー)

「Mergers(合併)」と「Acquisitions(買収)」の頭文字をとった言葉で、企業の合併や買収の総称です。会社の事業を成長させるため、他社と一緒になったり、他社を買い取ったりすることを指します。

友好的買収

買収される側の企業の経営陣から**「同意を得て」**行われる、平和的な買収のことです。お互いの会社の成長につながると判断した場合などに行われる、最も一般的なM&Aの形です。

敵対的買収

買収される側の企業の経営陣の**「同意を得ずに」**、株式市場で株を強引に買い集めて、経営権を乗っ取ろうとする買収のことです。後述する「ポイズンピル」のような買収防衛策は、この敵対的買収に対して発動されます。

TOB(株式公開買付)

「Take-Over Bid」の略で、買収者が「この価格で、この期間内に、これだけの株数を買います」と宣言(公開)し、証券取引所を通さずに株主から直接株式を買い付ける方法です。友好的買収でも敵対的買収でも使われる、一般的な株式取得の手法です。

敵対的買収で登場する重要用語「ポイズンピル」とは?

さて、ここからが本題です。数ある買収用語の中でも、特に重要でドラマチックな展開を生むのが「ポイズンピル」です。

ポイズンピルの正体

ポイズンピルとは、敵対的買収を仕掛けられた会社が、自らを守るために発動する「買収防衛策」の切り札です。「毒薬条項」とも呼ばれます。

なぜ「毒薬」と呼ばれるのか?

その由来は、捕虜になったスパイが敵に情報を渡す前に自決するために隠し持っていた「毒薬のカプセル」にあります。「敵の手に落ちるくらいなら、自ら毒を飲んででも阻止する」という、究極の選択を迫られるニュアンスから、この名前が付きました。

ポイズンピルの仕組み

ポイズンピルは「新株予約権」という権利を使って、買収者を撃退します。

  1. 準備: 会社はあらかじめ、既存の株主全員に「新株予約権」というお守りのような権利を配っておきます。
  2. 発動: 敵対的買収者が一定数の株を買い占めると、この権利が発動します。
  3. 効果: 発動すると、買収者を除くすべての株主が、新株をタダ同然の非常に安い価格で手に入れることができます。
  4. 結果: 市場に出回る株の数が一気に増えるため、買収者が苦労して集めた株の価値(持株比率)が大幅に薄まります(希薄化)。これにより、買収を続けるためには莫大な追加資金が必要になり、買収を断念させるのです。

ポイズンピルとセットで覚えたい「買収防衛」の用語

敵対的買収に対する防衛策はポイズンピルだけではありません。ユニークな名前の用語が多いので、合わせて覚えておくとニュースがさらに面白くなります。

ホワイトナイト(白馬の騎士)

敵対的買収を仕掛けられた会社を救うため、その会社にとって友好的な条件で買収を申し出てくれる、別の会社や投資家のことです。窮地に現れる救世主を「白馬の騎士」にたとえています。

ゴールデンパラシュート

買収によって社長や役員がクビになった場合に、彼らに巨額の退職金が支払われるという契約をあらかじめ結んでおくことです。「金のパラシュート」で安全に脱出できる、という意味ですが、買収後のコストを意図的に高くすることで、買収意欲を削ぐ効果も狙っています。

焦土作戦(スコーチド・アース)

敵に奪われるくらいなら、価値のあるものを自ら破壊してしまえ、という軍事戦術に由来します。企業買収においては、買収者が欲しがっている魅力的な事業や資産を、会社自ら売却してしまうなどの手段を指します。

投資家として買収用語をどう活かすか

これらの用語は、単なる言葉ではありません。投資家にとっては、株価の動きを予測する重要なヒントになります。

  • 「TOB」のニュースが出たら株価をチェックTOBは現在の株価より高い価格で行われることが多いため、発表されると株価がその価格に向かって急上昇する傾向があります。
  • 「ポイズンピル」は企業体質のバロメーターポイズンピルの導入や更新のニュースは、その企業が「株主の利益」と「現経営陣の保身」のどちらを重視しているか、その企業統治(ガバナンス)の姿勢を判断する材料になります。
  • 買収劇は株価の乱高下を招く敵対的買収や防衛策が繰り広げられると、思惑が交錯し、株価は大きく変動する可能性があります。短期的な値動きに惑わされず、冷静に状況を見極めることが大切です。

まとめ

今回は、株式投資で頻出する企業買収の用語、特に「ポイズンピル」に焦点を当てて解説しました。

  • 企業買収には友好的買収敵対的買収があり、株式の取得にはTOBという手法がよく使われる。
  • ポイズンピルは、敵対的買収に対する強力な防衛策で、「新株予約権」を利用して買収者の持株比率を薄める仕組み。
  • 他にもホワイトナイトゴールデンパラシュートなど、ユニークな防衛用語がある。

これらの用語を知るだけで、これまで何気なく見ていた経済ニュースの裏側にある企業のドラマや戦略が見えてきます。ぜひ、あなたの投資知識の一つとして、今後の情報収集に役立ててください。

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岩下隼人
岩下隼人
ロイヤル合同会社 代表
ロイヤル合同会社を設立して、新しいことに挑戦している人や、頑張っている会社を応援中。ときどき取材記者(ライター)。
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